キャラクター02・各階の雄





・各階の雄(ゆう)



※各階の雄(ゆう)とは?

各階の住人の投票や、先代の雄の推薦により選ばれる、階の責任者です。
なお、「雄」の呼び名は学生がつけた伝統で、制度として公認されているわけではありません。
現実世界でいうところの、いわゆる寮長(厳密には階長)の役目にあたるでしょう。
あくまで自治的観点から学生の互選により選ばれるものであって、
他の寮生と比べて具体的な権利義務を有するわけではありません。
ただし、同じ階の寮生に頼られることが必然的に多くなるため、
階全体をまたぐ派閥のようなものができ、各階の雄の影響力は自然と高くなります。
また、階を上手く運営していれば、一部の導師に気に入られることもあります。
(もっとも、自身の勉学に支障が出やすいので、
大抵は費やした手間に見合うほどの見返りとはいえませんが。)

各階の雄には具体的権利義務が発生しないことから、
雄の役割を強制しても意味がないため、推薦されても断ることができます
(よほど優秀でないと、学業に思い切り差し支えますし。)。

なお、各階の雄の部屋は、その階の一番手前の部屋という暗黙の了解があり、
雄が交代した場合、部屋も移動することになります。
5階のみ例外で、一番手前が寮母の部屋(彼女は実は戦闘能力がかなり高く、
守衛も兼ねています。)、その1つ奥側手が5階の雄の部屋です。



"5階の雄"ウィット

「5階かくあるべし! ……ということさせていただいてよろしいですよね?」

種族:人間 性別:男 年齢:16 出身:(貴族)
A:9 B:7 C:9 D:4 E:5 F:11 G:7 H:6
器用度:16(+2) 敏捷度:16(+2) 知 力:13(+2)
筋 力:16(+2) 生命力:18(+3) 精神力:13(+2)

職業/地位:オーファン賢者の学院・魔術師見習い・一般生・3年目・寮5階
学業成績など:適性試験41点。
冒険者レベル:4
技能:ファイター2、セージ4、ノーブル2
経験点:500(セージ優先)
属性:委員長、苦労人
容姿:良好
説明:
貴族(と大商人)の子弟専用の階を束ねる5階の雄です。
厳密には、より家格の高い連中に面倒ごとを押し付けられただけですが。
単純な統治能力なら一般人と比べるべくもありませんが、
統治する相手の多くが自分より格上という、
いかにも可哀想な状況で5階の舵取りを余儀なくされています。
貴族の次男ですが、実はそれほど家格が高くありません。
そのせいか、普段はやや尊大な態度ですが、アリエルあたりには逆らえません。
まだ魔法は使えません(素質の有無も不明)が、成績そのものは中程度です。
なお、レミィが貴族であることは、彼女の所作を見て気付いています。



"4階の雄"リコリス

「人の物を盗ったりしたら、だめなんだよぅ〜?」

種族:人間 性別:女 年齢:19 出身:悪党
A:8 B:5 C:2 D:9 E:10 F:7 G:7 H:8
器用度:13(+2) 敏捷度:7(+1) 知 力:11(+1)
筋 力:17(+2) 生命力:14(+2) 精神力:15(+2)

職業/地位:オーファン賢者の学院・魔術師見習い・一般生(入学金免除)・4年目・寮4階
学業成績など:適性試験78点。
冒険者レベル:2
技能:ソーサラー2、セージ2、シーフ2、バード1、イントゥイション5
経験点:500(シーフ、バード優先)
属性:委員長、ファザコン、犬ちっく、犬好き、直感少女、楽器(たてぶえ)、アホの子
容姿:並より上です。
説明:
入寮前に(主に家柄面で)問題なしと判断された女子の階を束ねる4階の雄です。
オーファンに仕える優秀な密偵の婚外子です。
父親の能力値が遺伝しなかったばかりか、すごくいい子に育ってしまいました。
たまに「うちのおとうさん、凄いんだよぅ〜!」とか漏らしてしまいますが、
誰も信じてくれません。
シーフ技能は父親のまねっこで習得しただけで、ギルドには加入していません。
勘が異常に鋭く、選択肢のある試験では、
しばしば実力に見合わない高得点を叩き出します。

※呪歌:あつまれこいぬさんっ!(サモン・スモール・アニマル)

※特殊能力:おしえておとうさんっ!(イントゥイション)

先天的な感知能力により、正しい選択を選ぶ確率が高くなります。
基準は、一般技能のイントゥイション技能+生命力ボーナス。
目標値は12(固定)です。技能がない場合は、試みることすらできません。
リコリスの初期値は基準値7なので、5以上で成功。
つまり、成功率は6分の5となります。
なお、この技能は、1ゾロでも自動的失敗とはなりません。
つまり、基準値が10に達すれば、100%成功するわけです。

この能力は、具体的には、2個〜10個のほぼ等質の選択肢があった場合
(例えば、目の前に5つある洞窟のうち、どれに進むべきか)、
6分の5の確率で総合的に目的に最も合致する選択肢がわかります。
能力者は、能力使用の宣言とともに、目的を明示してください
(例:生き残る、宝物を手に入れる、比較的安全に稼ぐ、等)。
ほぼ等質といえない選択肢を混ぜた場合(例えば、ある件に関し、
そのことを彼に教えるべきか、あるいは彼女に訊くべきか)、この能力は働きません。
要するに、(例えば「道A〜Cのどれにするか」のように)
似たような選択肢をリストアップすれば、
その中で一番良さそうなものが高確率でわかるわけです。

失敗した場合、さらに6分の3の確率で大失敗となり、最悪の道を選び出します。
(一見すると分が悪いようですが、6分の1×2分の1=12分の1となり、結局のところ、
全くのランダムで選ぶよりは最悪の選択肢を選び取る可能性は少ないわけです。
それどころか、12分の10の確率で最良の選択肢を選べるわけですから。)

選択肢がほぼ等質といえるか否か、及び、どの選択肢が
目的に最も合致するか否かの判断は、GMの裁量に任せられます。
能力の使用が不可能とされた場合は、
この能力を最初から使用しなかったものとみなされます。

この能力の行使に成功したか失敗したかは、GMにしかわかりませんし、
その情報は開示されません。この能力により選ばれた道に進むか否かは自由ですし、
(もしまだしていなければ)道が選ばれた後で足跡追跡などの
他の技能を使用することも可能です。

全ての選択肢の結果が同等である場合(例えば、1等のクジしか残っていない場合や、
全てのクジがハズレの場合)、その中の1つが示されます。
その場合、全ての選択肢が同等であったことは(確認してみるまでは)わかりません。
その場合も、能力を行使したものとしてカウントされます。

この能力は1度の冒険で1回しか使えません。(使うタイミングは能力者の任意です。)
もちろん、能力を使わずに冒険を終えても、次の冒険での使用回数は増えません。

GMは、この能力の持ち主に、「嫌な予感」と称して、
自由に能力者に危険の情報を与えることができます。
この情報を与えるか否かはGMの裁量です。
あまり頻繁に情報を与えることは好ましくありませんし、
プレイヤーからの「嫌な予感」の発動要請も推奨されません。
1度きりの能力をここで行使してでも危険を回避させるべきとGMが判断させた場合、
「嫌な予感」を与えるべきです。
(能力が使用不能の状態で「嫌な予感」を与えるのも自由です。)

この能力のその他の使用法(例えば、試験への応用)及び使用回数については、
GMの判断によります。冒険中でなく、生命及び身体に対する直接の危険が全く無い
ような場合は、1回分の使用で複数の問いに対する正解を導き出せて良いでしょう。
(例えば、記号を選択する形式のペーパーテストなど。)

この能力は、拡大解釈されれば、シナリオ崩壊の危険すら伴う極めて強力な能力です
(例えば、羊皮紙に、今後とるべきと思われる選択肢候補の中から
10個をリストアップして、それらを1個ずつ書き込んで「ほぼ等質の選択肢だから」
とか言い張られてはたまったものではありません。)。
GMは、自由にかつ理由無く、この能力の使用を禁止することができます。
(なお、強制的に間違った選択肢を選ばせるような処理は推奨されません。)

余談ですが、能力値の高いキャラクターにこのような能力を持たせることも推奨されません。

※能力に関する制約等

選択肢の全容を把握していれば、時間的制約はありません。(一瞬で判断可能です。)
選択肢の一部が欠落している場合(例えば、目の前にある隠し通路に気付いていないとき)、
把握している選択肢の中から最良の選択肢が示されます。

元の選択肢が10個以上だった場合は、無作為に10個の選択肢を選び、
その中から判定されます。(つまり、能力が万全に発動するとはいえないものの、
全くの勘で選ぶよりはマシなわけです。)

この能力は、能力者本人すら原理に気付いていない場合がほとんどですが
(「なんかよく当たるな〜」で済まされている場合すらあります)、
実は、ただの勘や幸運の類ではなく、超人的な五感に依存するものです。

その帰結として、他人が能力者の関与しないところで引くクジには、
この能力は一切及びません。(世界観的に適切なたとえではないかもしれませんが、
例えば、この能力では宝クジは当たりません。)
裏返せば、当選番号が最初から決まっているクジに対しては、この能力は有効です。
(自分が選べる選択肢の中にその番号がなかった場合や、
選択肢が10個を遥かに超えていた場合はアウトですが。)
この能力が五感依存であることの帰結として、例えば目隠しや霊体化など、
五感の一部を完全に損なっている状態では、この能力をそもそも使えません。
(使用を試みることもできません。)ただし、暗闇の中なら使用可能です。
(選択肢を把握できない場合が多いので、役に立つ場面は少ないでしょうけど。)
能力者がある感覚を完全に損なっているか否かは、
その感覚器官が元から断たれているか否かを基準として判断してください。
(例えば、ダークネスの闇の中なら使用可能ですが、デフネス、ブラインドネス、
クリップルなどにより五感の一つを封じられた場合は、使用不可能です。)
そして、目に見えていないもの(発見されていない隠し通路など)は、
この能力の選択肢に含むことはできません。とはいっても、
そのようなものでも超人的な五感が無意識に察知しているため、
それが選択肢の中にある限り、この能力の結果には反映されます。
例えば、7つある道の中から、この能力で1つの道を選び出したところ
(正解かどうかは本人にはわかりませんが)、行き止まりだったとします。
そのような場合には、「この道が示されたからには、実はここには何かあるんじゃないか」
と思って詳しく調べてみることができるわけです。
能力の行使に成功していたのなら、その道には何かがあることでしょう。
(全部ハズレ、というオチでなければ。)

また、この能力は、現実をねじ曲げる能力ではありません。
例えば、誰かに追われながら分かれ道にさしかかったとき、
この能力の行使に成功すれば、どの道が最良かは示されます。
しかし、最良の道を選んだところで、助かる保証はありません。(全部の選択肢が
ハズレの場合、この能力は希望をもたらすだけで、現実の役には立ちません。)

この能力は、他の一般技能と異なり、習熟によるレベルの上昇はありません。
その代わり、能力者の心身の変化に伴い、レベルが「増減」することがあります。
例えば、心身の成長とともにレベルが下がったり、
瀕死の重傷から立ち直るとレベルが上がったりといったケースがみられるようです
(原理は不明ですが、逆のケースもありえます)。
しかし、この能力を持ち、なおかつそれを自覚している者の絶対数が少ないことから、
レベルの増減に関して詳しいことはわかっていません。
能力を自覚している場合であっても、レベルの増減及び能力の喪失に気付くか否かは、
GMの判断です。



"3階の雄"ローディス
  →詳細は別記
説明:個性派の女子の階を束ねる3階の雄です。



"2階の雄"マキール

「……じゃ、そういうことで。」

種族:人間 性別:男 年齢:19 出身:(傭兵)
A:4 B:7 C:5 D:8 E:10 F:5 G:5 H:12
器用度:11(+1) 敏捷度:12(+2) 知 力:13(+2)
筋 力:15(+2) 生命力:10(+1) 精神力:17(+2)

職業/地位:オーファン賢者の学院・魔術師見習い・一般生・3年目・寮2階
学業成績など:適性試験49点。
冒険者レベル:1
技能:ソーサラー1、セージ1、ファイター1
経験点:5000 ※頭打ち
属性:委員長、影が薄い
容姿:普通
説明:
5階に入れるほどではないものの、強力な後援者(たいていは自分の親)
を持つ男子の階を束ねる2階の雄です。
マキールは、突出した能力を持たない調整型のリーダーで、
人望だけでこの役目に選ばれました。
親は引退した元傭兵隊長ですが、マキール自身は傭兵になる気はありません。
どちらかというと、そっち方面から逃げるつもりで学院にやってきましたが、
能力も熱意もたいしたことがないため、案の定伸び悩んでいます。



"1階の雄"アクトゥス

「1日60ページ。これで3日で終わる。」

種族:人間 性別:男 年齢:19 出身:傭兵
A:6 B:11 C:12 D:11 E:7 F:8 G:11 H:7
器用度:17(+2) 敏捷度:23(+3) 知 力:23(+3)
筋 力:15(+2) 生命力:19(+3) 精神力:18(+3)

職業/地位:オーファン賢者の学院・魔術師見習い・特待生・2年目・寮1階
学業成績など:適性試験100点。
冒険者レベル:2
技能:ソーサラー2、セージ2、ファイター1
経験点:1000(ソーサラー優先)
属性:委員長、完璧超人、天然、寡黙
容姿:長身で、顔は普通です。
説明:
(主に家柄という面で)余った男子の階を束ねる1階の雄です
(それでも、一般生として学費が払えるだけでも一般家庭とは比べ物になりませんが。)。
学院2年目にして、既に数名の導師のオファーを受けている天才。
1階の学生たちに、しごきのつもりでこの役目を押し付けられましたが、
普通にこなしています。押し付けた集団もいいかげん彼がとんでもない人物だと
気付いたようで、先日、役目を押し付けたことを揃って謝りに来ました。
しかし、アクトゥス自身は何で謝られるのかよくわかっていません。
が、ひとまず、最凶と呼ばれる1階の学生の一部を手懐けることはできたようです。
両親は共に傭兵です。アクトゥス自身も傭兵になろうとしていましたが、
ちょっとしたきっかけで学院の試験を受けてみることを薦められ、
生まれて初めて受けた筆記試験が満点でした。
そして、特待生として迎えられ、導師による争奪戦の妥協の結果として、
寮の1階にとりあえず配置されました。
最大の欠点は、自分の能力が凄いと気付いておらず、
自身の水準が普通だと思っているところです。


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