コーヒーブレイク・第15話冒頭





ディースの過去の話です。

一応、故郷が疫病で全滅して騎士に助けられたりと、
そういう大枠は決まってはいたんですけどね。
普段のディースらしからぬレクイエムという呪歌の選択や、
人の死に関してドライを通り越して無神経なところがあったりと、伏線もありました。
第6話をよく見ると、彼1人だけ怒りの方向性が違いますし。
ちなみに、仮に第4話以降で街が壊滅してたりすると、
ディースのトラウマが再発して大変なことになってたんですよね。

両親に関しても、ディースが養子だというのは決まっていました。
今の両親は、元々子供ができにくい体質の上、かつて幼い息子を病気で亡くしていました。
だから、村ごと全滅するほどの疫病を生き延びた子供であるディースが、
とても魅力的に映ったのです。
とはいっても、本気で生まれ変わりだと信じているわけでもなく、
親子の関係はとてもうまくいってますけどね。
問題があるとすれば、(オルフの父親ほどではないにせよ)過保護なところくらいで。

ただ、名前も含めて、過去についての細かい部分は決めていませんでした。
というのも、ディースの過去については公表する予定がなかったからです。
本人も記憶喪失状態でしたし。

しかし、前回、ディースが死んでしまったので、この機会にということになりました。
したがって、細かい部分については矛盾点が生じています。
まず、レミィとからませたのは即興です。
ちょうど領地が辺境という裏設定があったので、あそこでからませました。
元々、ディースとレミィは相性いいという設定ですし。
ただ、第6.5話で、ディースは2択だったのにレミィを狙ってないんですよね。
まあ、あれは胸を触ってたら、奴隷のディースは後で大変なことになるのは
明らかだったので、一応説明はつくんですけどね。
というように、ディースは胸ネタ以外でレミィにからんでないんですよね。
まあ、後付だから、当然といえば当然なんですが。

なお、疫病のデータは決めていませんでしたが、
ディースの隠しステータスは最初から決まっていました。
決してディースをひたすら強化したいわけじゃないんですけどね。
キャラクターの出自を考えると、病気への耐性を表現したかったところですから。
まあ、例えば、(後天的かつハイリスクとはいえ)シャドーニードルの
毒への耐性とかもありますし、世界観的にはなんとか許容範囲かなぁと思います。
どのみち、冒険者が病気にかかっても、キュアー・ディジーズですぐに治しちゃいますしね。
ディースの潜在的なトラウマと差引きで考えた場合、むしろマイナスですし。

あと、余談ですが、パーティー内には、
隠しステータスを持っているキャラクターが他にもいたりします。

一応、病気のデータを載せておきます。
データを厳密に適用すると、ディースの病状の進行具合と合致しませんが、
栄養失調でペナルティを受けていたと考えていただけると助かります。



病気名:灼熱病(バーニング・フィーバー)
症状=猛烈な発熱、運動障害
知名度=12
進行速度/進行強度/治癒値=1時間/6/12(24)
致死深度=24
伝染力=非常に弱い(ただし、感染者と直接接触した場合は、非常に強い)

長期間にわたって異常な寒波に晒された反動で、
体内の火の精霊力が暴走することによって起こる疫病です。
感染者(病死した感染者の死体を含む)の身体と直接接触した場合
(衣服などの薄い布越しの場合も)、ほぼ確実に感染します。
感染者に対してセンス・オーラを試みれば、火の精霊力の暴走が見て取れます。
また、感染者が多くいる地域では、空気中にも火の精霊力の暴走が見て取れるので、
熱病が流行している可能性を察知できる可能性があります。
症状として、深度1ごとに、全ての能力値の最大値が1点減少します。
精神力が0点になれば昏睡状態になり、生命力が0点になれば死亡します。
その他の能力値は、最低でも1点にまでしか低下しません。
さらに、深度3ごとに、全ての成功ロールに−1のペナルティーが生じます。
なお、発症後しばらく経過すれば、感染者の火の精霊力は落ち着きを取り戻してきます。
具体的には、一週間経過するごとに、治癒値は1ずつ下がります。
そして、治癒値が進行強度以下になれば(つまり、発症から6週間経過すれば)、
深度が自動的に0となってこの疫病は完治し、精霊力は通常に戻ります。
もちろん、その感染者から他者に感染することもなくなります。
深度が0になれば、能力値の減点は全て元に戻ります。
そして、一度感染すれば、この病気には二度と感染しません。
この疫病によって死亡した場合、肌が黒ずみ、その者の発症から6週間が経過するまで、
精霊力の乱れを纏ったままになります。ただし、直接触れなければほぼ無害です。
乱れた精霊力は、その死体(または生体)を焼却すれば正常に戻ります。
なお、感染後に運良く生還できても、深刻な後遺症が残る場合もあるといわれています。
もっとも、生還者がいたとしても、ほとんどの場合は、体内で火の精霊力が
変化した影響を受けにくいなど、極めて特異な体質の持ち主に限られます。
したがって、その後遺症がこの疫病によるものなのか、
それとも特異体質と密接な関係があるものなのかは、未だによくわかっていません。



キャラクター名:パルト
器用度: 4(+0) 敏捷度: 5(+0) 知 力: 4(+0)
筋 力: 4(+0) 生命力: 7(+1) 精神力: 6(+1)
冒険者レベル:0
技能:なし
経験点:0

※隠しステータス:特異体質(耐病)
 先天的に、病気に強い個体です。
 あらゆる病気の進行及び治癒の判定に、+2の修正を受けます。
 毒に対する抵抗力は常人と同じです。



コーヒーブレイク・第15話



急遽大幅に変更したシナリオ。
当初はコンテストに参加するつもりはなかったんですが、
レイディアのせいでこうなりました。
あと、参加者の名前の頭文字が『あいうえお』なのはご愛嬌。

さて、絶世の美女でもあるまいし、何の縁故もないコンテストで
優勝できるつもりだったんでしょうか。
もちろん、できるつもりだったんですよね。恋は盲目とはよく言ったもので……。

ちなみに、レイディアがこういう人なのは最初から決まってました。
でも、レイディアの過去の恋愛話は、トーク系の企画でサイコロの目に恵まれず、
お蔵入りになったんですよね。(その後、第11話冒頭でようやく日の目を見ることに。)
レイディアの初恋は、アニメとかでよくあるパターンの、
初恋の相手が実は同性とか、実は同性愛者とか、そのひとつです。
レイディアが惚れてたストリィって、かわいいかどうかに関係なく、
女の子みんなに優しかったんですよね(女の子の顔なんてどうでもいいので、
それもそのはず)。10年以上森の中で酒臭いおっさんや頼りない弟と暮らしてた子が、
いきなり出てきたところでうまく人間関係を築けるはずもなく。
孤立してるところに優しくされたら、そりゃ落ちますよね。
孤立してるから、ホモだって知りようがないですし
(まあ、何人かとは付き合いがありましたけど。
実はヘタレのローディスは、言うに言えませんでした。
アリエルはわざと黙ってた悪い子です。)。

一応、シナリオの本筋としては勝敗はどうでもよかった
(というか、後日談くらいで片付けるつもりだった)ので、
勝敗は決まってませんでした。
実は、ウルクがレイディアに勝負を挑んだのすら、完全なイレギュラー。
あの子だけ設定作りこんでたのが災いして、キャラが勝手に動いちゃったんですよね。
そうなったの、ウルクの番の直前なんですよ。
それまでは、ウルクは例年通り、舞台上で木の板を割ったりする演舞の予定でした。
だから、バランスすら取ってないから当然相手にならなかったと。
冒険者レベルの防御点って、物凄く大きいですからね。
グラディエイター技能も一見強いですが、ハンター技能と同じで、
そこそこ以上の冒険者を相手にするとどうしようもないわけです。
で、アルフィアの辞退すらその場のノリですし、
オーマは勝手にこけただけですし、ウルクに至っては、
自分より強い奴に勝負を仕掛けるという余計なことをしちゃったわけで。
そもそも、演技順すらアルファベット順ですし、いじりようがないんですよね。
もちろん、レイディアのアレも(やりかねないとは思ってましたけど)ノリです。

決選投票に関しても、予め決まっていたシステムで、
レイディアを落とそうという作為はないです。
そもそも、魔法と古代語以外に芸の無いレイディアが
暫定1位を取るなんて想定外でしたから。
まあ、さっきも言ったように、他が勝手にこけちゃったからこそなんですが。
ただ、例えば猫芸で6ゾロ振って他が全員こけまくるとか、
レイディアにも勝ち目はあったんですけどね。
ダンスの技量が伴わなかっただけで、猫芸って選択自体は間違いではなかったんです。

あと、参加者についての余談を。
アルフィアやオーマは、出目によってはかなりの強敵でした。
特にオーマ。一発勝負に負けてかませ犬みたいになっちゃいましたが、
伊達に飛び入りで優勝目指してません。
演奏の出来によっては、地元贔屓以外の票をたくさん取っていって、
レイディアとキャンディを追い詰める可能性すらありました。
エッシャーは、別々に設定した名前と地名が偶然一致したので、
お嬢様設定になりました。きっと、街の創始者に連なる名士の娘なんでしょう。
キュアー・ディジーズとサニティ併用すれば、出場も可能だったかも。
まあ、そのまま優勝候補になるので、メリットはないですが。

一応、主要なデータを載せておきますね。
グラディエイター技能は、中身については公式設定ではありませんのでご注意ください。
名前だけは公式にあるんですが、中身が明らかでないので、
大体こんな感じかなー、と適当に作ってみました。
カシュー王の必殺剣って、こんな感じでいいんですかね?



※付録・舞台の裏側

達成値比較
アルフィア・ベイカー 達成値13(シンガー技能による歌唱)→3票
エッシャー(リスル・エスリール・トゥルクロフ) 不参加(体調不良)→0
イリュー・シュヴァルツヴァルト 採点不能(技能無しによる罪の告白)→0
キャンディ・バニラアイス 達成値18−2(トリックスター技能による手品)→4票
オーマ(ピェルン・オーマ・ウロクード) 達成値8(バード技能による歌唱)→2票
レイディア・レインフィールド 達成値16(ドランカー技能による飲酒)→6票
ウルク・ヴァルドール 達成値17(グラディエイター技能による攻撃)→5票
※キャンディは演目が多すぎたので、その分評価が低くなります。

※審査員票得票の裏側

参加者の演目の最大達成値(修正後)を、参加者を含めた最大達成値の総計で割り、
全体票数の20をかけた数値が得票数になります。
端数が小さい場合は切り下げ、大きい場合は切り上げされます。
端数が0.5に近い場合、審査員の好みにより、1票入るか0票になるかが決まります。
(キャンディは最初から審査員席でなく客席に向けて手品を披露しているので、端数0票。
レイディアは酒飲みの(かつ例年の審査で多少退屈している)審査員の心をつかみ、
端数1票を得ました。)余った票は、審査員に好印象を残した順番に割り振られます。
(レイディアは街で実力を知られているウルクに勝ったため、
最後の1票を得ることができました。)

余談ですが、地元出身者には過去にも出場している者が多いため、
技術を大幅に上達させたり、演目を工夫したりするなどして、
飽きられないように工夫するという必要も出てきます。
反面、審査員の好みを知りやすいという点では有利です。

※観客票得票の裏側

声援の大きさに応じて得点が配分されます。
考え方としては選挙の比例代表に近いでしょう。
なお、今回の参加者には、強力な組織票を持つ候補がいません。
だからこそ、このような結果になったともいえます。

※決選投票の裏側

ウルクの支持基盤は、幅広い年齢の男性たちです。
加えて、レイディアの奇抜極まりない芸により、女性の多くが反レイディアに回りました。
あとは、ホームタウンであり、人柄を広く知られていることが
ウルクにとってプラスに作用したようです。

対して、レイディアの支持基盤は男性層のうち、
若い娘にも酒に対する清廉さを求めないというコアな一部分。
それに加えて、ウケ票。なお、容姿・体型ではウルクに分があります。
その結果がウルクの圧勝となったわけです。

なお、例年、地元出身対それ以外では、地元出身者の方が声援を得やすい傾向にあります。
他所の人間が勝つには、決選投票の前に大差で下すのが、
現在のところ唯一の方法だと考えられています。



総合得票

アルフィア:3+0.0=3
エッシャー:0+0.0=0
イリュー :0+3.2=3.2
キャンディ:4+0.2=4.2
オーマ  :2+0.1=2.1
レイディア:6+0.5=6.5
ウルク  :5+1.0=6.0

決選投票

レイディア:1.3
ウルク  :3.7



"伝道士"ベス(エリザベート・テイラー)(人間・女)
種族:人間 性別:女 年齢: 出身:学者
A:8 B:6 C:2 D:7 E:11 F:9 G:12 H:6
器用度:14(+2) 敏捷度:8(+1) 知 力:9(+1)
筋 力:20(+3) 生命力:21(+3) 精神力:18(+3)
プリースト7、ファイター1、セージ1



"男女"ウルク(ウルク・ヴァルドール)(人間・女)
種族:人間 性別:女 年齢: 出身:学者
A:6 B:7 C:11 D:7 E:9 F:7 G:10 H:6
器用度:13(+2) 敏捷度:18(+3) 知 力:18(+3)
筋 力:16(+2) 生命力:17(+2) 精神力:16(+2)
冒険者レベル:0
技能:グラディエイター3



※グラディエイター技能

熟練の剣闘士などが取得できる技能です。
剣闘士や元剣闘士を教師とすることで習得することも可能ですが、
この技能は取得者の死亡率が極めて高いため、闘技場以外での習得は実際上困難です。
ファイター技能の代わりに攻撃全般に使えますが、回避には使えません。
また、冒険者技能ではないのでダメージ減少には使えません。
この技能による攻撃を行ったラウンドには、特記されていない限り、
ファイター技能又はシーフ技能による回避行動が可能です。
(それらを習得していれば、ですが。)
ゲームバランスに重大な影響を及ぼす可能性が高い技能ですので、
GMは、自由な裁量でこの技能及び追加オプションの使用を禁じて構いません。

追加オプション:フェイント

グラディエイター技能で行える攻撃オプションです。
攻撃すると見せかけて幻惑し、避けようとした相手に隙を作ります。
1回の攻撃の代わりに、
攻撃側がグラディエイター技能+器用度ボーナス又は知力ボーナス、
回避側がファイター/シーフ技能+知力ボーナスで命中判定を行います。
このとき、行動宣言時はあくまで通常攻撃にみえます。

この命中判定が成功した場合、ダメージは一切ありませんが、
攻撃側本人の次のラウンドの命中判定(及びその達成値)に+2されます。
フェイントを試みて成功した本人にしか効果が及ばないこと、
回避側の回避力が下がるわけではないこと、
効果が1ラウンドのみであることに注意してください。
もちろん、このオプションは回避の意思が無い者又は知能の無い者に対しては
意味がありません。相手が避けなかった場合でも、フェイントのダメージはありません。
なお、1回の攻撃の代わりにフェイントを行うことから、
このオプションを選びつつ全力攻撃すると、
攻撃にペナルティーを受けずに2回攻撃
(つまり、フェイントしたラウンドにあと1回攻撃)が可能です。
全力攻撃の一種である以上、回避にペナルティーは受けますが、敏捷度が相手より高く、
グラディエイター技能がファイター/シーフ技能より極端に高い場合は、
強力な捨て身の必殺攻撃となることでしょう。
(その場合は、元々回避能力が低いわけですし。)

追加オプション:超強打

グラディエイター技能で行える攻撃オプションです。
一切の防御を捨て、渾身の一撃を叩き込みます。
知力差にかかわらず、この攻撃オプションを取ろうとしていることは、
攻撃対象に必ず露見します。(攻撃対象は、このオプションで攻撃されることを
知った後に、行動宣言を変更して構いません。
第三者は、行動宣言を変更した者より知力が高ければ、
さらにその後に行動宣言を変更して構いません。)
ダメージ+2、クリティカル値−1、敵の盾による回避力上昇を無視します。
(ただし、魔法の盾については、その魔法の+分だけの回避力が依然として有効です。)
ただし、これを行ったラウンドは一切の回避行動を行えず、
敵の攻撃は自動的に命中します。
建造物などの動かない無生物に対しては、与えるダメージがさらに+2されます。
(ただし、鉄の扉を素手で殴れば手を傷めるでしょうけど。)

追加オプション:三回攻撃

グラディエイター技能で行える攻撃オプションです。
一切の防御を捨て、目にも止まらぬ多段攻撃を叩き込みます。
知力差にかかわらず、この攻撃オプションを取ろうとしていることは、
攻撃対象に必ず露見します。
(攻撃対象は、このオプションで攻撃されることを知った後に、
行動宣言を変更して構いません。第三者は、行動宣言を変更した者より知力が高ければ、
さらにその後に行動宣言を変更して構いません。)
攻撃力−2、ダメージ−2、クリティカル値が+1されますが、
その数値で同じ対象に対して3回攻撃を行えます。
ただし、これを行ったラウンドは一切の回避行動を行えず、
敵の攻撃は自動的に命中します。
ウィップ、ギャロットなどの特殊武器及び飛び道具では、
この追加オプションを選択することはできません。



※ドランカー技能

簡単に説明するならば、お酒との付き合いを深くする技能です。
技能の保持者自身が、自身の技能の存在及び技能レベルを知らないことが多々あるという、
稀有な技能です。
飲酒習慣のほか、体質によってレベルの上昇が格段に早くなります。
この技能には、いい面と悪い面があります。
いい面として、酒の銘柄を聞いてどんな酒かわかったり、利き酒ができたりします。
また、酒で潰れるかの判定が必要なとき、ドランカー技能+生命力ボーナスで行えます。
この技能を高レベルで取得していれば、自分のペースで飲み続ける限り、
急に倒れることはまずありません。
悪い面として、酒で中々つぶれなくなるため、
長期間にわたる大量飲酒で心身を患う可能性があります。
もっとも、病気になっても魔法で治せるので、
お金があれば(即死しない限り)心配は不要です。


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