コーヒーブレイク・第2話





「みつどもえ!」なシナリオ。
どちらについても構いませんし、両方とも敵にしても構いません。

ただし、かたや妄執、かたやギアスに束縛されていますので、
真相を知った後の両者の和解はまず不可能。
双方とも死にたくない(あるいは、限界まで生き延びるのが役目と思い込んでいる)ので、
説得するにせよ、武力を背景として生命に対する危機感を抱かせるのが事実上の
前提条件でした。捕虜にしてしまえば、双方とも妥協しやすくはなるんですけどね。
かたや大貴族の娘、かたや騎士ですので、
思想的には「勝者が正義」的なところがあります。
つまり、力でねじ伏せてしまえば、意外と後腐れはなかったりするんですよね。

問題は、双方とも簡単に勝てる相手じゃないということと、
放っておけばお互い殺しあってしまうということ。
かたや怪物退治、かたや正当防衛と、双方に大義名分がありますので、
一度戦いを始めると、力で押さえつけるしかありません。

加えて、中ボスが強いです。ダーゼンよりちょっと強いんですね。
ダーゼンに魔法の援護が加わってなんとか勝てるレベル。
それに加えて、今回はダーゼンの出目が振るいませんでした。
攻め手がワントップだと、こういう状況で辛いですね。
槍を見つけていれば、ダーゼンの戦闘力が一気に増えますので、
もうちょっと楽に勝てたんですが。
このパーティー、シーフがフアナ1人なので、捜索能力低いんですよね。
仮に発見していれば、幻影の怪物はもっと楽に倒せました。
(ただし、自らの剣に固執するダーゼンを説得する必要はあります。
そして、ダーゼンに槍を貸した場合も、戦闘が終われば、槍は返してくれるはずでした。)
戦術としては、ダーゼンを煽って魔法で援護だけするのが正解
(それでもたまにこちらに攻撃してきますが。)。
でも、みんな意外と真面目なので、
どんなに強かろうと依頼人だというのが先に立っちゃったんでしょうね。

そして、ダーゼンはマリアンヌよりほんの少し強いです。
とはいえ、残り生命力が少ない状態から、一気にクリティカルを出しちゃったんですね。
なぜその目が幻影の怪物相手に出ないのかと。あとはご覧の通りです。
ちなみに、ディースの攻撃は手加減しなきゃ、ダーゼン倒せてましたからね。
あの人に対しては、あれが決め手になりました。

レイディアとダーゼンの対立は、結果的に、
構図としてはリプレイ第1部のアリシアン対ハールと同じようなかたちになりました
(もっとも、レイディアがあの場面に遭遇したとして、
アリシアンと同じ行動を取ることは絶対にありませんが。)。
ただ、今回は説得が効く相手じゃなかったですから、仮にディースの一撃がなければ、
レイディアは容赦なく攻撃されてました。

仮にレイディアが倒れれば、その隙にマリアがダーゼンを攻撃できます。
スペックはダーゼンの方が上だから、当たるとは限りませんけどね。
その一撃でダーゼンを倒せなければ、トゥエリ、ディース、フィーエルと
マリアが一時的に共闘することになります。
その場合、もちろん、ダーゼンは一番強いマリアを狙います。
フアナとオルフについては、一撃食らったら高確率で死ぬ状態ですし、
モンスターのために命を賭ける理由もありません。
全滅さえしなければ、倒された仲間を蘇生できる可能性もわずかに残されていますし。
そして、マリアが倒されて、倒れたレイディアに息がある場合、
勝ち目がほとんどなくなるので、応急手当のできるトゥエリが高確率で降伏します。
(状況次第では、レイディア最優先のトゥエリはもっと早く降伏します。)
なお、ダーゼンに倒されても生死判定に成功している場合、
トドメを刺される可能性があるのはマリアだけです。
万が一全滅した場合は、よほどの幸運が無い限り、そのうち全員死ぬでしょうけど。

一応、戦闘を避ける方法はあったんです。
ダーゼンについては、早々にその妄執を見切り、
姫が死体であるという情報をシャットアウト。
1階でマリアンヌの性質を見破った上、魔法的トラップの可能性も考慮に入れ
(ガーディアンがいないなんて誰も言ってません。)、
2階の生活痕のある寝室で待ち構える(あるいは、生活サイクルを見切って、
夜に寝室に到着する。)。夜になって寝に来たマリアンヌと話し合い
(既に眠っていれば、そのうち起きます。)。
ここで死体呼ばわりさえしなければ、話はこじれません。
そして、ダーゼンのエスコートの申し出をマリアンヌが断ると、
ダーゼンは黙って帰るしかありません。
そもそも、身分が違うという認識ですからね。
あとは、なだめすかしてマリアンヌを連れ出すか、戦って捕虜にするか。
いずれも極めて困難ですし、戦って勝たない限りは蛮族の奴隷扱いは避けられませんが。
なんとかしてダーゼンの鏡さえ入手していれば、後でもう一度来ることも可能です。
彼にとっては苦労して手に入れた品ですので、それも困難ですが。

念のために言っておきますが、ギアスはコードギアスのパクリじゃないですよ。(笑)
少なくとも、二十年以上前に発売されたロードス島戦記の1巻で既に出てます。
余談ですが、両者のギアスは、効力が結構違うんですね。
コードギアスのギアス(厳密にいうと、ルルーシュのギアス)は、
ソードワールドではギアスというより、クエストっていう別の魔法に近いという。
詳しいことが気になる方は、ルールブックをご覧下さい。

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、
シナリオのモチーフは、ドンキホーテです。
あとは、中学生の頃に考えてたオリジナル(とはいっても、よくある世界観ですが)の
ファンタジーの話の中から「病死した娘をゴーレムにする」という設定を持ってきました。
ゴーレムに生物の精神を内蔵するってのも、フレッシュではないですが、
シナリオ集の『石巨人の迷宮』でシルバー・ゴーレムのローランがいましたし、
世界観的に許容されるんじゃないかなぁ、と。
でも、それをソードワールド的な世界観に当てはめた場合、
本人の意思がどこにも残らないんですよね
(今回は、元の体とかにホーントとして束縛されてるとするのも不自然すぎますし。)。

ちなみに、ゴーレムの話の根底は、フランケンシュタインの影響があったかもしれません。
小学生の頃にちょっとだけ読んだ記憶がありますので、
無意識のうちに影響された可能性はあります。
今となっては、なんでそんなこと思いついたのかよく覚えてませんが。

余談ですが、死者の蘇生をよしとしない世界観においては、
それをあえて行うと、ろくなことにならないんですよね。
他作品のネタバレになるといけないので詳しくは言いませんが、
スレイヤーズ然り、鋼の錬金術師然り……。
ですが、(2.0でない)ソード・ワールドに関しては(少なくともルール的には)
そういった世界観ではありません(死んでから時間が経ちすぎた人を除いては)。
ただ、マリアンヌの時代には、唯一死者を蘇生できる神聖魔法の使い手が
迫害されていました。そして、援助を必要としたのが、迫害する方の側の権力者。
いざ頼ろうとしても、蘇生の奇跡を使えるほどのプリーストなんて、
到底見つからないわけです。そして、マリアンヌの父親のハルシュタットは、
(元々かなりおかしかったですが)娘の死に絶望して、完全に狂ってしまいました。
そんな人が、『死者を元通り動かす方法』を知っていたとしたら……? そんな話です。

最後に、キャラクターのデータを載せておきます。



キャラクター名:ダーゼン
種族:人間 性別:男 年齢:50 出身:(騎士)
A:11 B:9 C:6 D:5 E:10 F:8 G:12 H:6
器用度:20−2=18(+3) 敏捷度:15−2=13(+2) 
知 力:11(+1) 筋 力:18−2=16(+2) 
生命力:20−2=18(+3) 精神力:18(+3)
※知力と精神力以外は、老齢により2点ずつ低下している。
冒険者レベル:6
技能:ファイター6、セージ2
経験点:0
既使用経験点:18000

※ここまでの能力値になるとは意外でした。


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