スクールパニック!








G   M:全滅しちゃうと連絡手段がないので、
      査察部サイドは時間をかなりロスするんですよね。
      ロスする時間は1Dターンで(ころころ)6。
      その間、寮生サイドは寮内の全員を招集できます。
      なお、捕虜の査察部、ギルティアとフィーナ組はそれぞれ別室。
      ディースとフィーエルは、レイディアの部屋で、ルコと作戦会議です。

キルシュ :皿洗いさぼって来たら、えらいことになってるかしら。

アリエル :今回の査察について、僕は何も聞いていない。

レミィ  :普段なら、アリエルにだけは事前に通知があるですが。

ウィット :(さりげなくアリエル、レミィに背を向けつつ)無論、非公式だがな。

キルシュ :情報屋のトールフォードが出し抜かれるなんて、レアケースかしら。

アリエル :うちも、時代の波には勝てないってことさ。

シエナ  :そんなことありませんわ!

レミィ  :これからどうするか、みんなで考えるです。

ローディス:要するに、今回はアリエルにも、もみ消せないってことだね。

ウィット :なんということだ……。

リコリス :たいへんだよ〜。

ランディ :あーあ。

ランラン :学院など怖くない!

シエナ  :しかし、手を出したら退学ですわ。

アリエル :我らがフィーナとミケーは、自らの意思で反撃を加えた。

ディケイ :……捕虜って、そういうことだったんすかっ!?

マッコイ :な、な、なんてことを……。

ランディ :……ミケさん……マジ?

ミケー  :いやー、参ったねぇ。

クーン  :フィーナはどこだっ!?

ストリィ :落ち着きなよ。彼女が捕まるわけないだろ?

クーン  :どさくさにまぎれてケツを触るなっ!! 非常事態だぞ!!

クロウ  :うほっ、いいカップリング!

ローディス:フィーナは別室で捕虜を尋問してる。心配はいらないよ。

マグノリア:(死ね。あの糞女100ぺん死ね……。)

クーン  :フィーナ1人で大丈夫なのかっ!?

レミィ  :落ち着くです。フィーナはこの中で一番強いです。

ランディ :で、誰の何がばれたのさ?

アリエル :敵はレイディアの身柄を狙っている。

ランディ :……なんかまずいの持ってるわけ?

アリエル :捕まったら、学院の地下室行きだろうね。

ランディ :ちょ、それって……。

エタニカ :……。

ウィット :どどど、どんな重罪ですかっ!?

マグノリア:……あの女、何をやった?

リコリス :うん。なんとなくわかるよー。 ←直感

アリエル :落ち着いてくれ。人の道に反することはやってない。

エタニカ :(あなたは、反しすぎ。)

マグノリア:人倫に反しないが、学院に捕まる、か。

アリエル :誰だって、秘密の一つや二つあるだろう?

エタニカ :オランの邪神事件。

レミィ  :思い当たるのはそれしかないですが。

ローディス:レイディアのことだ。何か理由があったんじゃないかい?

ストリィ :難しい話になってきたね。

ランディ :で、学院と全面戦争する気なの?

アリエル :いや、今回の件がカーウェスの意向でないのはほぼ確かだ。

ランディ :なんで予期してなかったのにわかるのさ?

レミィ  :大方、トールフォードが別件でカーウェスと連絡してたですね。

アリエル :それは秘密。……とにかく、派閥がらみってことさ。

ランディ :でも、トールフォードに話を通さずにここに踏み込んでくる派閥ってさ……。

エタニカ :力の強い派閥。

レミィ  :フォルテス派ですか?

マッコイ :ひっ、筆頭派閥じゃないですか!!!

ローディス:ギルティア師と査察部が来た時点で、フォルテス派の可能性は高いけどね。

キルシュ :あのじじい、そこまで勢力伸ばしやがったかしら……。

ウィット :それなら、カーウェス師にご報告すれば……。

アリエル :いや、レイディアが危ない橋を渡っていたのは間違いないからさ。

マグノリア:援軍は無しか。

レミィ  :表の勢力を動かしたってことは、根回しは済んでるってことです。

クーン  :表っていうか、ほとんど裏だろ。反則だ……。

ランディ :あらら。今度こそ、ココごと潰されそう?

キルシュ :……今回ばかりは洒落になってないかしら。

レミィ  :今までと違って、情報が伝わってこないのが大変なのです。

ローディス:今までは、アリエルのおかげで、ここが潰されるの、何回か防いでるからね。

アリエル :敵は、他所の派閥の目を気にしながら、ことを済ませる必要がある。

エタニカ :合法を装ってる。

レミィ  :確かに、隠密行動が正当化されるなら、夜中に来てるですね。

ランディ :早い話が、どうすりゃいいのさ?

アリエル :うやむやにして、潔白が証明できるまで、逃がせばいいんだ。

リリー  :でも、そんなことしたら……。

ローディス:ああ。

アリエル :査察部の邪魔をすれば、ここにはいられなくなる。退学は避けられない。

ランラン :自分の将来を犠牲にして、やましい人間を逃がせ、と?

シエナ  :(それは将来がある者の台詞ではなくて? このゴミ屑。)

アリエル :参加は自由さ。逆に、僕らを捕まえて突き出したっていい。

エタニカ :……。

ウィット :フィーナがいない今がチャンス……というわけですか?

ストリィ :不穏分子は、今あぶり出してやっちゃうってわけかい。

アリエル :意外と多いんだ、フォルテス派の低レベル導師って。

キルシュ :他派の導師候補レベルの奴が、平然と導師になってるかしら。

ランラン :そんなことやってたのか!? 許せん!

クロウ  :知らなかったの? 有名な話だよ?

アリエル :それに乗りたければ、向こうに付くといい。

マッコイ :(魔法が使えない僕らには、関係ない話っすけどね。)

アクトゥス:………………。

ウィット :しかし、アリエル様、学院を敵に回してはただでは済みませんよ。

アリエル :病人を1人、うちの領地で療養させる。それだけのことさ。

レミィ  :レイディアの重要性については、何も聞いてないからです。

ローディス:面と向かって言われると、そんな言い訳できないけどね。

ウィット :それに、いくらなんでも導師を監禁などしては……。

アリエル :事後に1人で自首するさ。

シエナ  :そ、そんな……。

ウィット :……そのようなことを……。

アリエル :だが、尋問は許さない。

エタニカ :そんな横暴が……。

クロウ  :許されるんだなぁ、これが。

レミィ  :有力貴族の一人娘ですから、学院は追放がせいぜいです。

アリエル :怖い地下牢に幽閉されなきゃいいのさ。

ウィット :……うむむ……しかし……。

アリエル :賛同者には、うちで学問を続ける道を残すよ。
      自主退学扱いにさせて、そのままうちの使用人ということにするから。

ウィット :なるほど。貴族の使用人とするわけですか。

アクトゥス:おいそれと地下牢には入れられませんね。机上の空論としてはまずまずです。

ウィット :無礼だぞ!

アリエル :うちの城に私塾の導師を招いている。
      授業料は今の半額で、部屋と食事つきさ。

エタニカ :!!!

ランディ :あらら、お金とるの?

アリエル :申し訳ないけど、無料にする余裕はなくてね。

キルシュ :や、安いなんてもんじゃないかしら……。

ストリィ :豪勢だねー。

マグノリア:得だな。特待生以外は。

アリエル :授業料が払えない子は、仕事を紹介するよ。

エタニカ :貞操は?

アリエル :安心しておくれ。お金に任せて、っていうのは好きじゃないんだ。

ミケー  :あたしも何もされてないことだしねぇ。

ランディ :ミケさんは、ねんれいて……ぐぼっ。

ミケー  :足が滑った。

ランディ :お、親父にも蹴られたことないのに……。

ミケー  :潰されたことはあるのかねぇ?

ランディ :す、すみませんでした……。

クァルミル:姐さん、これ、どういうことっすか?

ローディス:アリエル、あんたそこまでして……。

ランディ :金持ちの道楽ってやつ?

アリエル :レイディアを助けたいっていうのは本当さ。それだけは信じてほしい。

キルシュ :(それがトールフォードのやり方、ってことかしら。)

ミケー  :寄らば大樹の陰ってね。

アリエル :魔法が上手くなっても、ここに戻れなくなるのは忘れないでおくれよ。

レミィ  :敵を作るっていうのは、そういうことなのです。

ランディ :あんましおいしくはないんだよねー。

アリエル :将来を考えると、むしろ損だろうね。

エタニカ :それに、辞めるまでは危ない。

レミィ  :アリエル以外が捕まった場合、待遇の保証はできないです。

アクトゥス:籍が残っていれば、学院は公然と尋問可能というわけですね。

アリエル :賛同した時点で雇用関係は生じるから、救出の口実はできるけどね。

キルシュ :アリエルが動ければ、建て直しは効くかしら。

ランディ :もしアリエルが捕まって、『置手紙残して旅立っちゃったり』なんかしたら?

アクトゥス:賛同者は無実の罪を着せられ、無期地下牢幽閉ということも。

ランディ :やっぱりかー。

キルシュ :学院の暗部なんて、知りたくもないかしら。

アリエル :そうだね。もちろん、捕まらないように気をつけるさ。

アクトゥス:リスクの高い提案というわけですね。

レミィ  :アリエルは、捕まってもそれをされる可能性が低いのがポイントです。

アリエル :学院に反逆さえしなけりゃ、僕らが負けても退学にはならないさ。

マッコイ :黙ってみてるなんて無理っす! 寮は1つになったんっすよ!

アリエル :賛同メンバー以外は、敵対者とみなして縛り上げる。

ストリィ :それがいいかもね。

ランラン :全員参加するに決まってるだろうが!!

アクトゥス:……。

ディケイ :……ひ、人質を取られたりとかしたら?

キルシュ :なりふり構わないなら、とっても有効な戦術かしら。

レミィ  :弱い賛同者はどうせスパイに違いないので、この場で捕縛するのです。

アクトゥス:なるほど。合理的ですね。

クァルミル:姐さんと一緒に戦えないなんて!

シエナ  :ひどいですわ。

レミィ  :勝者こそ正義。勝つためには精鋭で挑むしかないのです。

ウィット :……。

アリエル :強くても、家の都合とかで参加できないのは仕方ないさ。

ウィット :あなたはいつだって勝手すぎますよ!! 私だって本当は……。

アリエル :……ああ。……今まで、ありがとう。

ウィット :…………。

マッコイ :僕らだって、レイディアさんのためなら……。

マグノリア:足手まといになるのか?

マッコイ :……でも……。

ミケー  :気持ちはわかるけどねぇ。

マッコイ :……もし全滅したときは、親に頼んでなんとかしてもらいます!

マグノリア:よせ。

エタニカ :無駄死に。

マッコイ :……そんなっ……僕らは何もできないんですかっ!?

レミィ  :……。

ローディス:みんなの気持ちはわかってる。

リコリス :だって、だって、仲間だもんっ!!!

ランラン :来れねぇ奴の分まで、俺らが暴れてきてやるっ!!

アリエル :……では、賛同者を募ろう。
      僕に協力してレイディアを連れ出せるという者は、挙手してくれ。

ミケー  :(手を挙げつつ)私はもうクビ確定だからねぇ。

リコリス :がんばる!! 行けないみんなの分もがんばるっ!!

ローディス:番人の私が行かないでどうするんだい?

ランラン :最初から行くと言ってるだろう!

レミィ  :かく乱なら任せろです。

ストリィ :できれば行きたいんだけど、合格かな?

レミィ  :ギリギリセーフです。

ストリィ :厳しいね。よろしく頼むよ。

ウィット :ならば、私も合格だな?

アリエル :ちょっと待った! キミはまずいだろう?

ウィット :口にすることが許されぬ想いなら、行動で示すほかありますまい。

ローディス:……そうだったのかい。気付かなかったよ。

ウィット :一度くらい、私にわがままを言わせてください。

アリエル :……勝手にするといい。

ミケー  :若いっていいねぇ……。

クーン  :導師に勝てるとは思わんが、やるしかないだろっ!!

マグノリア:レイディアは、嫌いじゃない。

エタニカ :占いで、役に立つ。

アリエル :……以上で締め切らせてもらおう。
      これにフィーナとルコを加えた13名で事に当たる。
      他の者は寮の反逆者とみなして、実力をもって排除する。





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