先生!








G   M:一方、レイディアの部屋。

ルコ   :そういう手筈で、仲間を募ることになってるから。

レイディア:巻き込んじゃって申し訳ないとしか、言いようがないんだけど。

ルコ   :もし、寮の仲間が地下牢行きになったら、学院を敵にしても助けるでしょ?

レイディア:それはそうだけど……。

ルコ   :仲間なんだから、動けないときくらい甘えなさいよ。
      べ、別に、あんたのために言ってるわけじゃないんだからねっ!

レイディア:……でも、私らのせいで退学なんて……。

ルコ   :ここのやつらは、あんたのためなら命だって賭けるわよ。

レイディア:そんなつもりじゃ……。

ルコ   :レイディアとアリエルを逃がしさえすれば、なんとでもなるんだから。

レイディア:こんなときに全然動けないなんて……。

ディース :くししし。無理して魔法使おうとするからだって。

レイディア:……。←額に青筋が浮かんでいる。

フィーエル:あ、あ、あ、あ、あうー。

ルコ   :報酬は、賛同者全員とのコネクションの確立。

レイディア:そんなの当たり前じゃない。仲間なんだし。

ルコ   :それと、私をあんたたちの冒険の仲間に加えること!

レイディア:

ルコ   :……わけは後で全部話す。私だって、好きでやってるんじゃないんだから!

レイディア:……わかったわ。

ルコ   :レイディアとアリエルを2人とも領地まで逃がせばこっちの勝ち。
      フアナが捕まるとは考えにくいから、帰ってくるまで耐えるだけでもいい。
      フアナのテレポートで賛同者全員を逃がせればもっといい。
      あとは、トゥエリとカトレアと会って、テレポート。

G   M:ルコの知識にはないですが、実際には、フアナがいればリマンドも可能です。

レイディア:カトレアがちょっと……まあ、大丈夫よね。

ルコ   :マイリー神殿のトゥエリには、学院も公然と手は出せないから。

レイディア:要は、フアナと接触できるまで耐え切ればいいのね。

ルコ   :こっちに神官が少ないのは忘れないでよね。

ディース :導師? ぼっこぼこにしてやんよ。

フィーエル:あうー。導師、強い。

レイディア:そうね。相当うまくやらなきゃ、普通に全滅するわ。

ルコ   :そのための賛同者よ。人海戦術で、導師を減らす。

レイディア:頭数を減らせなくても、魔晶石は消耗するわけね。

ルコ   :アリエルの作戦に穴なんてないわ。

レイディア:さて、普通に考えたら、そろそろ第2波が来るわね。

ディース :だな。

ルコ   :グラースが来たら、寮のどこにでもテレポートできるかも。

ディース :でも、寮から出てる余裕はねーんだろ?

レイディア:どうやっても守勢になるわね。

フィーエル:あうー。

ルコ   :レイディアがテレポートで地下牢に飛ばされたら詰みだから。

レイディア:そうね。どのみち動けないし、おとなしく守ってもらうことにするわ。

ルコ   :それがいいと思う。

フィーエル:あう、任せて。

ディース :へっ、俺に任せとけや。






ここまでで9ターンが経過し、次は10ターン目です。






G   M:結局、自力で動けないレイディア組とルコは3階の自室で待機。
      ルコ以外の賛同者組は、魔法の不意打ちの効果を薄くするために
      多少の距離を取りつつ、要となる3階廊下に陣取ることにしました。
      さて、3階の廊下からはよく見えるのですが、寮の正門を通り抜け、
      フード付きローブを目深に被った多数の人影が姿を見せます。
      その数、10人ほど。
      フードをかぶっているので、顔の判別はつきませんね。

フィーナ :あらあら。隠密行動ならコンシール・セルフがありますけど。

アリエル :中身はスケルトン・ウォリアーかもしれないよ。

ランラン :殺る気まんまんかよ!

ストリィ :『事故死』しないように、気をつけないとね。

レミィ  :あの中に導師が混ざってる可能性もあるのです。

エタニカ :魔法を、無駄撃ちさせる狙い。

ランラン :この距離から眠らせても、それ以上何もできんよな。

フィーナ :竜牙兵は眠りませんから、導師がいても踏まれて起きますね。

クーン  :そうだ。フィーナの言う通りだ。

リコリス :全部スケルトン・ウォリアーなら、バリケードで防げるよっ!

レミィ  :指揮者が1人もいないのは考えにくいです。

アリエル :それに、あれがほとんど竜牙兵でも、陽動という可能性もある。

ウィット :結局、動けないというわけですね。

アリエル :ああ。

フィーナ :動かないでもいいんですか?

レミィ  :どうせばれる小細工の撃ち合いになると、こっちが不利です。

アリエル :導師は大量の魔晶石を持ってきているだろうからね。

レミィ  :余裕があれば倒してゲットです。

G   M:では、10人は、そのまま寮の建物の入り口をくぐりました。
      そして、3階で一行と対面します。
      フードの下に隠されていた顔は、3名の導師と7体の骸骨です。
      導師は、案の定全員がフォルテス派。
      チェスドッジボール対決に変装して参加したという疑いのあるグラース。
      レイディアの才能を見込んで学院に連れてきたというレンドルフ。
      魔法研究が趣味のブリュワー。この3名です。
      グラースに至っては、世事には疎いものの、
      魔法の腕だけならフォルテスにすら匹敵するという噂まであります。

レミィ  :グラース……。

アリエル :フォルテス直々に来るわけないから、想定しうる最悪のパターンだね。

フィーナ :あらあら。トールフォード師はいらっしゃらないんですねえ。

レンドルフ:彼には、ちょっとした調査に付き合ってもらっていますからね。

アリエル :……あの間抜けが……。

リコリス :え〜、貴族なのに捕まっちゃったの〜!?

ローディス:トールフォード師はただの遠縁で、非貴族なんだよ。

レンドルフ:それより、ギルティア師はどうしたんですか?

フィーナ :疲れがたまっていらっしゃったようで、別室でお昼寝していただいています。

レンドルフ:そうでしたか。しばらく戻ってこなかったので心配していたんですよ。

グラース :……さぁて……これはどういうことかのう?

アリエル :ちょっとレイディアを僕の家で静養させようと思ってね。

レンドルフ:それには、担当導師である私への届出書が必要ですよ。

グラース :レイディアには、フォルテス師からの出頭命令が出ておる。

アリエル :悪いね、緊急事態なんだ。

グラース :導師命令に反しても、か?

アリエル :残念ながら、彼女はもう、うちの父の使用人だからね。

グラース :そんな屁理屈が通ると思っておるのか?

アリエル :さあね。できれば通したいところだけど?

グラース :ふざけるな!!!

G   M:グラースが大声で一喝し、交渉は決裂。
      これより、戦闘ラウンドに入ります。





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