警備員−萎れた職務日誌−








G   M:時間は少しさかのぼって、早朝の学院寮。
      フアナが学院の寮を出た数分後、
      魔術師ギルドの査察部が、学院寮にやってきます。
      査察官が2名、警備員が3名、導師のギルティアで、合計6名。
      ここから、ターン制で処理されます。1ターンは約5分と考えてください。
      戦闘が長引いた場合などは、特殊な処理をする可能性もあります。
      1ターン目、査察部の来訪に気付くかどうかは、
      冒険者レベル+知力ボーナスで判断されます。目標値は15。
      成功すれば自室付近にいるときに気付くことになります。
      6ゾロの場合、偶然いた門のところで気付くことができます。
      なお、自室にいる行動不能のレイディアには気付くチャンスはありません。
      ディースは熟睡、フィーエルは勉強している時間なので、
      気付きようがありません。
      ちなみに、トゥエリはマイリー神殿に入院中、
      部外者のカトレアは定宿にいますので、何もできません。
      トゥエリは使い魔を使える状態ですらないですし。

      (ころころ)フィーナとミケーとランランが15で気付きます。
      フィーナは3階、ミケーは5階、ランランは1階ですね。
      1ゾロのシエナとルコは就寝中で、しばらく戦線離脱ですね。
      3人は、廊下側の窓から、査察部のメンバーが入ってくるのを見ます。

フィーナ :あらあら。どなたか、やっちゃいましたかねぇ?

ミケー  :トールフォードが怖くない連中だとすると、
      現行犯だと面倒なことになるねぇ。
      アリエルはどこで寝てるかわからないから、ウィットを起こして、
      階段で迎え撃つかねぇ。アリエルは3階より上にいるはずだから。

ランラン :あれは、もしかして査察部か!!? 誰の何がばれたんだ!?

G   M:ウィットは部屋にいるので、起こすことは可能です。

ミケー  :(全力で扉を叩きながら)査察部が来たよ! 全員起こして!

ウィット :……た、たっ、対象は誰だっ!?

ミケー  :わからない! 5階の全員起こした後、アリエル探して!

ウィット :万が一にもアレの女が捕まったら、八つ当たりが怖いな。わかった。

ミケー  :私は3階でアリエル探すから。頼んだよ。

フィーナ :私はコンシール・セルフで消えて様子を探るとしましょう。

G   M:では、前庭を抜けた査察部は、階段で3階まで上ったところで、
      急いで降りてきたミケーと鉢合わせます。ここまでで1ターン目が終了。
      以後、2ターン目です。

ミケー  :(5階はウィットに任せてるから、あとは、多分3階にいるアリエルだねえ。)

ギルティア:おや、レイトン女史ではないか。そんなに急いでどうしたのかね?

ミケー  :それはこっちの台詞だよ。査察が入るなんて聞いてないけど?

ギルティア:レイトン女史に断りがなければ、何か問題があるのかね?

ミケー  :守衛の私に断りも入れないっていうのは、気に食わないねえ。

ギルティア:いつぞのように、情報を漏らされてはたまらんのでね。

ミケー  :なんのことだかねぇ?

ギルティア:話しても無駄のようだな。職を失いたくなければそこをどきたまえ。

G   M:3階でアリエルを探そうとしていたミケーは、
      ちょうどギルティアたちの進路を塞ぐ形になっていますけど。

ミケー  :……まさか、3階だったのかい!? 一体誰を?

ギルティア:話す必要はない。どきたまえ。レイトン女史の持ち場は5階の筈だぞ。

ミケー  :でも、ついでに寮全体を守れって契約だったからねぇ。

ギルティア:……査察を妨害すれば、解雇は免れないぞ。

ミケー  :それ、脅しかい? ←冷笑

ギルティア:……構わん、そいつを取り押さえろ!

G   M:ここから戦闘ラウンドに入ります。1ラウンド目の行動宣言を。
      警備員×3が前衛、査察官×2が中衛、ギルティアが後衛です。

ミケー  :やれやれ……警備員を殴るしかないだろうねえ。

G   M:査察部警備員は攻撃。査察部査察官は静観。ギルティアはパラライズです。
      では、1ラウンド目の処理に入ります。
      まずは、敏捷度19でギルティアが動きます。

ミケー  :あの詠唱は……まずいことになったねぇ。

ギルティア:パラライズ! (ころころ)15。

ミケー  :(ころころ)19で抵抗ッ!

G   M:次は、敏捷度16のミケー。

ミケー  :(ころころ)16だよ。

G   M:当たります。

ミケー  :(ころころ)11点。

G   M:警備員Aに6点通りました。
      続いて、敏捷度14で警備員3人が動きます。
      攻撃点13が3回です。当たれば7点。

ミケー  :(ころころ)1回当たって、1点食らったねえ。

G   M:2ラウンド目の行動宣言。

ミケー  :今度は手加減で殴るよ。

G   M:査察部側は1ラウンド目と同じです。

ギルティア:パラライズ! (ころころ)16!

ミケー  :(ころころ)14。

G   M:ミケーはパラライズに捕らわれ、麻痺してしまいます。

ミケー  :……ぐっ…………。

フィーナ :乱入可能ですよね?

G   M:ちょうど、3階の階段入口での乱闘なので、範囲魔法なら死角から撃てます。

フィーナ :姿を現して……お眠りなさい! 達成値+3! (ころころ)21。

G   M:(ころころ)危険感知は全員失敗。
      査察部は21には抵抗できません。(ころころ)ギルティアも19で抵抗失敗。
      (ころころ)ミケーも15で抵抗失敗。全員寝ました。
      6ゾロでなければ目覚めない達成値です。
      ギルティアが寝たので、ミケーの麻痺は解けました。ミケーも寝ましたが。

フィーナ :あらあら。ひとまず、ミケーさんを起こしましょうか。

ミケー  :……助かったよ。

フィーナ :危ないところでしたね。

ミケー  :それほどの魔法が使えて、なんでこんなとこにとどまるのかねぇ。

フィーナ :強いていうなら、知的好奇心ってところですか。

ミケー  :私はもうクビだけどさ……程々にするんだよ。

フィーナ :はい、それはもう。……この人たちの杖はお預かりしますね♪

ミケー  :……こいつらほとんど既婚だからね? ね?

フィーナ :あらまあ。でも、ギルティア師に人間の良さをお伝えするチャンスですね。

ミケー  :……言うだけ無駄みたいだねぇ。縛るから隠れて。あんたまで退学になるよ。

フィーナ :あらあら。では、杖だけはお預かりしますね。

ミケー  :……。

G   M:フィーナは、奪った杖を自室にしまいこみます。

ミケー  :仕方ない。こいつらの拘束具を使うかねえ。

G   M:ミケーは査察部の持ってきた拘束具で1人ずつ後ろ手に縛ります。
      縛る途中で目を覚ましますが、全員の杖が奪われていることに気付き、
      今更騒ぎ立てることもしません。

ギルティア:……後悔するぞ。

ミケー  :それはもうとっくにしてるけどねぇ。

ギルティア:先程の魔法は誰だ? レイディアでもフアナでもない導師級の使い手とは。

ミケー  :私もそうなりたかったんだけどねぇ。

ギルティア:聞いていない……聞いていないぞ……。

ミケー  :問い詰めても吐くわけないから、しばらくそこにいてもらおうかねぇ。

G   M:ここまでで2ターン目が終了。
      3ターン目に移ります。

ランラン :査察部を追って上に行くぞ。

G   M:では、3階の階段のところで、縛られたギルティアと査察部を発見します。

ギルティア:いいところに来たな。この縄をほどけ。

ランラン :上から目線が腹立つんで、聞こえないふりしとくか。

ギルティア:聞こえなかったか? この縄をほどけ。

ランラン :聞こえないふり。

ギルティア:さっさとほどかんか、この馬鹿学生!

ランラン :無抵抗の奴を殴る趣味はない……聞こえないふりだ。

G   M:そんなこんなで、ランランとギルティア組の行動は終了します。





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