尋問少女








G   M:では、次の日の朝。
      フアナの部屋に、扉の下から手紙が差し入れられています。
      危険感知にひっかからなかったところをみると、
      害意のない者によるものでしょう。おそらく、誰かに頼まれた学生が、
      フアナの部屋に手紙を届けたのでしょうね。

フアナ  :……読む……。

G   M:文面は、ファンの町に住む女友達からの近況報告ですね。
      そんな友達知りませんが。
      手紙の正体は盗賊ギルドからの暗号文で、同じギルドのフアナには、
      簡単に真の意味がわかります。『至急来い』とのことです。

フアナ  :装備整えて、すぐ行く。

G   M:鎧も着ますか?

フアナ  :……冒険者だから……それが正装……。

G   M:では、ギルドに着きます。

フアナ  :……幹部への、お誘い?

G   M:仮にそうだともっと面白いことになってたんですが、
      ファンを出た時点でのシーフ技能がたった4レベルですから、
      それもありません。一時は内定してましたが、事情が変わったので……。
      さて、フアナが顔を見せた途端、受付にいた1人が急いで誰かを
      呼びに行きます。その男と入れ替わりに、見知らぬ老人が現れました。
      受付のもう1人の男の態度を見るに、かなりの上級幹部のようです。
      同じ部のメンバーではなさそうですが……。

フアナ  :(やばい部の人だよね。)

ギルド幹部:早かったのう。オランで名を上げた、有望なお嬢さんがいると聞いてな。

フアナ  :……こんにちは……おじいちゃん……。

ギルド幹部:奥で話を聞かせてくれんか。

フアナ  :……それは、もちろん。

G   M:用件は、オランの邪神騒ぎに関する調査のようです。
      ギルドの情報が早いのはいつものことですが、
      ほとんど誰も真相を知らないだけに、さすがに全体像を掴みかねている様子。
      世間話の体裁を装っていますが、実質は尋問ですね。
      沈黙は許されませんが、どこまで話しますか?

フアナ  :……カトレアの信仰だけ……伏せる……嘘なしで……。

G   M:ギルド幹部の老人は、イエスかノーかで答えさせる質問を
      巧みに織り交ぜてきます。自身もセンス・ライの使い手であるフアナは、
      この話を聞いている誰かがおそらくセンス・ライを使っている
      であろうことがわかります。
      そして、カトレアの信仰以外については真実を話しているので、
      センス・ライに引っかかることもありません。
      老人は、カトレアの信仰に関しては、深く突っ込んできません。
      その部分については真実を知った上で、
      それ以外の部分を正直に報告しているフアナの顔を立てて、
      敢えて聞いていないといった印象を受けます。

フアナ  :……助かる……。

G   M:尋問は無事に終わりますが、所要時間を判断する必要があります。
      6+2Dで。(ころころ)12です。

フアナ  :……時間……まさか……。





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