忍ぶトコロ
G M:処理は、5日目のレイディア組からです。
5日目の朝。4日目の夜にテレポートで飛んだ、
自由人たちの街道上にある宿屋からスタートです。
日数は2日目のカトレア組より進んでいますが、
進行の都合上、分岐が少ない方を先に処理したいので。
フィーエル:あうー。分かれ道、少ない?
レイディア:凄く難航しそうな気がしてきたわ。カトレアのこともあるし……。
オドソフ :任せろ。……何をすればいい?
トゥエリ :ここと、例の街の位置関係はわかりますよネ?
G M:はい。カトレア達と別れた街は、今いる宿場の西北西に位置します。
舗装されている街道は有名なので、
冒険者の基本的知識として全てわかります。
そして、予めこちらに来ることがわかっていましたから、
地図に載る程度に有名な街道も把握しています。
例の街の東から出た未舗装の街道は、この街の北側を東西に通っていますね。
その街道を、仮称「裏街道」としておくことにしましょうか。
裏街道は、オラン北部の町や村を結ぶ街道のうち、
主に東西の行き来という点で利便性が高い道です。
基本的に未舗装の街道で、自由人たちの街道より北側にあります。
街道の一部はレックスの近くも通っていますね。
オラン国内をほぼ東西に結んでいますが、最近は廃れ気味。
廃れた一番の理由は、王都オランへの交通の便が悪いことです。といっても、
遥か昔から自然発生的にできた道の集合なので、無理もないことですが。
レイディア:賊は東の入口から出たんでしょ?
トゥエリ :最低でも、道は街や村ごとに道が分岐してるでしょうネ。
G M:そうですね。基本的には街と街との通行の便宜のために
自然にできていくものですので、小さい道を含めれば、
分岐はかなり多いです。といっても、安全度等の利便性が全然違いますので、
長旅で特に事情がなければ、舗装済の自由人たちの街道が一番人気ですけど。
トゥエリ :宿場もありますしネ。
ディース :で、宿場でたまにエロいイベントが……。
フィーエル:あうー。ディースさん、まじめにやろうよ。
ディース :くししし。まさか、お前に注意されるときがくるとは……。
レイディア:でも、隊商に偽装してるとなると、馬車で通り易い道は限られるっしょ?
トゥエリ :そうデスね。現場から近いほど、早く離れたい筈デスし。
G M:はい。オラン出身のレンジャーのオドソフなら、
過去に伝え聞いたことがある件については、
地図をみればどれがそうだったか思い出せるかもしれません。判定を。
ディース :俺らじゃダメなの?
G M:オーファン出発前に地図で存在を知った小さい道に関しては、駄目です。
実際に見もしない段階では、6ゾロでも成功しません。
オドソフ :(ころころ)18だ。
G M:では、例の街の東から出てオラン方面に向かうルートのうち、
馬車の集団が通り易いと思われる有力なルートが3つほど浮かびます。
相手の行き先が不明なのでどのルートか断定まではできませんが、
3つのルート全てにおいて、例の町からの進路はしばらく共通しています。
しばらくの間は、裏街道を東ですね。
ディース :おっ、さっそく役に立ったじゃん。
レイディア:だったら、とりあえずその道に出て、痕跡追いながら進むしかないわね。
ディース :でも、共通ルートの一番東まで行ってからでいいんじゃね?
トゥエリ :いえ。途中に何か手がかりがある可能性もありますからネ。
ディース :つーかさ、いっそロケーションでカトレア追っかけるとかさ。
トゥエリ :そのつもりがあるんなら、最初からもっと東の宿にテレポートしてますヨ。
G M:もっと東の宿になると、裏街道から位置的に遠くなるんですけどね。
オランに行く途中に、自由人たちの街道が東南に曲がりますから。
レイディア:直接交渉はダメよ。会ったところで、前と同じことになりかねないわ。
ディース :つーか、会う前に全部なんとかする気?
レイディア:……。
ディース :俺らがカトレアより先に悪い奴らしめちゃっていいわけ?
レイディア:…………わかんない。
トゥエリ :難しい問題デスよね。
ディース :一般論とかじゃなくてさ、俺らにカトレア止める権利、ある?
フィーエル:…………ない、かも……。
トゥエリ :……。
レイディア:カトレアが不幸になるんなら、止めなきゃ。
ディース :不幸? 復讐のために生きてきたんだろ?
レイディア:わかるけど、よくないって思う。なんとなくだけど。
ディース :……次会ったとき、「なんとなく」で止められるのか?
レイディア:わかんない。もしかしたら、手、貸しちゃうかもしれない。
ディース :あいつに賛成するっていうのは、こいつ渡すってことだぞ?
トラ猫 :……。
レイディア:それはできない。でも…………。
トゥエリ :レイディアさんらしくないデスよ。
レイディア:……わ、私にどうしろっていうのよぉっ……!
トゥエリ :先行きが不透明なら、できるだけ有利な立場を作っておけばいいんデスよ。
レイディア:……なんか見つけて、材料にしろって言うの?
トゥエリ :どう使うにせよ、情報は仕入れておいて損はない筈デス。
レイディア:……あんた、時間切れ狙ってない? 私、まだそこまで堕ちてないんだけど!
トゥエリ :それなら、進みながら情報を仕入れる方法を考えて下さいヨ。
レイディア:……進みながら……わかったわ……。
トゥエリ :ふう。まともに作戦立てられるの、レイディアさんしかいませんからネ。
レイディア:わかりきったこと言わないでいいのよ。
ディース :……俺の話、終わってねーんだけど。
トゥエリ :今は、ちょっと待ってあげてくださいヨ。
レイディア:……カトレアもいるし、野盗団の進路が予定通りに行くとは限らないわ。
ディース :でもよ、カトレアが追いついてたら、もう全部終わってね?
トゥエリ :反論は後にして下さい。
ディース :そんな怖い顔すんなって。何様のつもりか知らねーけど。
フィーエル:あうー。仲良く、しないと。
レイディア:そうね。仲間割れしてる場合じゃないわ。
ディース :もうしてるけどな。くししし。
フィーエル:ディースさん!
ディース :へいへい。俺が悪かったですよーだ。
レイディア:組織立っても、所詮は野盗。非常時には、仲間を囮にして逃げる率が高いわ。
フィーエル:あうー。
レイディア:主要な道を歩いてたら、囮に遭遇する可能性だって、少しはある筈よ。
トゥエリ :確かに、見つけにくいと囮の役目は果たせませんネ。
レイディア:1人捕まえたら、そいつが仲間と別れた地点までは辿れるわ。
それを繰り返して、なんとか首領までたどり着く。
トゥエリ :(確率は低いですが、建設的な案ではありますね。)
レイディア:北の街道に出て、東に歩きながら情報集めるわよ。
フィーエル:あう!
ディース :結局それかよ。ま、一緒に行くけどよ。くししし。
トゥエリ :オドソフがいれば、小さな痕跡も発見できるかもしれませんしネ。
オドソフ :契約に従おう。
トラ猫 :にゃー。
ディース :……レイディア。
レイディア:……何よ?
ディース :追いつく前に考えとけよ。
レイディア:わかってるわよ。
G M:この宿から最短ルートで裏街道に行くには、草木の生い茂った山を
越える必要がありますが。無論、徒歩だからこそできることです。
レイディア:レンジャーが先導してくれたら、楽勝でしょ?
G M:はい。代表者が判定してください。
目標値より低ければ迷ったり進めなかったりします。
レイディア:じゃ、頼んだわよ。
オドソフ :簡単なことだ。(ころころ)13。
G M:ぎりぎり成功ですね。
最小限の労力で山を越えることができました。
レイディア:よくやったわ。
ディース :ああ。ボーナスはねーけどな。
オドソフ :構わない。自分の仕事をするだけだ。
G M:さて、東と西、どちらに進みますか?
レイディア:東に決まってるでしょ。周辺に注意を払いながら進むわ。
G M:(しばらく西に進めば妙な肉片もあったんですが。
ちなみに、この時点では獣に食われてもう死んでいます。)
東ですね。足跡を追跡する手間がないので、
通常の徒歩とたいして変わらないスピードで進めます。
(ころころ)しばらく進みますが、何も発見できません。
(ころころ)3人は10以下で、トゥエリが1ゾロ、オドソフが17。
オドソフは、道を少し外れた見えにくい場所に、
馬が繋がれているのを発見しました。人影はありません。
フィーエル:あう。センス・マジック!(ころころ)8。
G M:普通にかかります。
レイディア:偉いわ。どう?
G M:フィーエルの視界内に、未知の魔法反応はありません。
もっとも、すぐ近くに湖や小高い丘もありますし、
斜面には洞窟らしきものも見えることから、
視界内のものが全てとも限りませんけどね。
(そして、レイディアの足元には、抜き身の剣を持った眼帯の男が潜んでるわけですが。)
第17話前編・第2節 へ
第17話前編・第4節 へ
トップページへ