魔神狩るかな?








一行は、イリューの部屋に踏み込みます。






イリュー :な、なんですかっ!?

G   M:イリューは羊皮紙に、せっせと何か書いていますね。

レイディア:ちょっとお姉さんに見せてみて。

G   M:チョココロネが出場しませんように。チョココロネが出場しませんように。
      チョココロネが出場しませんように。チョココロネが出場しませんように。
      以下、延々と続きます。

キャンディ:色々とぶち壊しなんだよ……。

ディース :お前が言うなよ。

イリュー :帰ってください。

レイディア:そうはいかないわ。他の出場者が脅されてるのよ。

イリュー :……え?

レイディア:あなたがやってるのは、おまじないみたいなかわいいもんじゃないの。

キャンディ:残念だけどね。

レイディア:怖い怪物がね、この紙をアルフィアとウルクのところに置いていったって。

イリュー :え? ……え?

レイディア:2人ともすごく怖がってた。エッシャーには会ってももらえなかった。

イリュー :……わ、わたし……そんなつもりじゃ……。

レイディア:他の子が休んだせいであなたが勝って、それで本当に嬉しい?

イリュー :わたしじゃ、みんなに勝てない……。
      エッシャーはすごくかわいいし、他の子だって、みんな、みんな……。

レイディア:他のみんなも、勝ちたくて出てる。それはあなたと同じよ。

イリュー :わたしと、同じ……。

レイディア:私も、好きな人がいる。

ディース :えっ!?

レイディア:その人に私のことだけ見てもらいたくて、出場した。でも、
      私じゃこっちの人には絶対勝てないから、裏でこそこそやろうと思った。

イリュー :……。

レイディア:でも、そんな方法で勝っても、ダメなんだ。私のことは認めてもらえない。

イリュー :……。

レイディア:認めてもらいたかったら、卑怯な手を使ってもダメなの。

イリュー :……わたし……もう怪物と契約しちゃったよ……どうしよう……。

レイディア:お姉さんたちはね、その怪物の弱点、知ってるから。安心して。

G   M:その言葉を聞いて、魔神が実体化します。マリアにはわかります。
      12レベルのザワンゼンですね。

マリア  :ザワンゼンじゃ。本を構えるぞ。

G   M:ザワンゼンはイリューに語りかけます。昏倒とかされるとまずいので。
      なお、イリューも下位古代語で会話できるようです。

ザワンゼン:勝ちたいんだろう? だったらそいつらは殺さないとな。

イリュー :駄目よ! わたしの言うこと聞くんでしょ!? ここから消えて!

ザワンゼン:そいつはできない相談だ。

イリュー :……騙したのっ!?

ザワンゼン:騙してなどいないとも……死ねっ!!

G   M:ザワンゼンは精神攻撃を仕掛けます。標的は(ころころ)ディースですね。

カトレア :メンタル・アタックは接触なので、この状況では無理ですねー。

レイディア:マリア、本を開いて。イリューに本を見るように呼びかけるわ。

マリア  :わかったぞ。

ディース :地味だけど、抵抗専念するか。

トゥエリ :全力攻撃しますヨ。クリティカル−1で。

フィーエル:あう。全力攻撃。クリティカル−1。

キャンディ:あ、エルフじゃないからあの武器使えないんだ。

レイディア:この馬鹿ー!

G   M:1ラウンド目の処理に移ります。イリューは泣いています。

キャンディ:変身、解くもん!

マリア  :本を広げるが、目を背けている者には効かんのう。
      この本を見ろ、と言っておくぞ。

G   M:同時にザワンゼンが動きます。魂の契約を。
      標的はディースで、抵抗の目標値は19。
      「お前に力を与えてやる。最強の戦士になれるぞ。」

ディース :(ころころ)22。へっ。そんくらい自力でならぁ。

トゥエリ :全力攻撃しますヨ。

G   M:部屋が狭いので移動攻撃は無理です。

トゥエリ :わかりました。(ころころ)17で外しましたネ。

レイディア:イリュー、あの本を見るのよ。嫌なことが書いてるけど、勇気を出して!
      そうしたらみんな助かるから!

G   M:イリューは恐る恐る本を見ます。
      一度目を背けそうになりますが、勇気をふりしぼって見続けます。
      抵抗は自動的に試みられますが、失敗。
      ダメージは1回クリティカルして、減少後13点です。一撃で昏倒します。

レイディア:これで本体を倒せるわね。

フィーエル:(ころころ)22で命中。(ころころ)17点だから、1点通った。固い。

G   M:2ラウンド目の行動宣言。ザワンゼンは(ころころ)またディースです。
      ディースが1ラウンド目に抵抗したので、こちらが強敵だとは
      見切られましたが、それでも、他にこれといった能力がないんですよね。

レイディア:ブレード・ネットよ。

フアナ  :前衛3人にフル・ポテンシャルで打ち止め。

トゥエリ :同じく全力攻撃デスよ。

カトレア :やることがないですねー。

ディース :抵抗専念っ!

フィーエル:カウンター・マジックを、左手の指揮棒で全員に!

マリア  :本で殴るぞ。もちろんカドでじゃ。全力攻撃ダメージ+2で。

G   M:2ラウンド目の処理に入ります。

フアナ  :(ころころ)×3。完璧。

マリア  :(ころころ)20で当たり。5点通るのう。

ザワンゼン:「お前より強い奴は、私が全て倒してやる。」

ディース :(ころころ)25。そんなんいいって。俺が全部倒すし。

トゥエリ :(ころころ)6ゾロで命中。(ころころ)ダメージ止まりました。

レイディア:名物の命中だけ6ゾロが出たわね。
      ブレード・ネット! (ころころ)19。計算通りだけど、抵抗されたわ。

G   M:ブレード・ネットは抵抗しても効果が高いですからね。
      これで攻撃点が実質16になっちゃうので、
      9レベルの前衛には当たらないでしょう。
      実は、鎌のダメージはドラゴンの牙より強かったりするんですが。

フィーエル:(ころころ)×7、あうー。ディースさんだけ1ゾロ。

ディース :元々俺が一番抵抗力高いから、気にすんな!

G   M:打開点がないんですよね。
      人質取ろうにも、そちらがそんなに強いのに女の子はノーマークなので、
      リザレクション持ってそうなことはわかりますから。
      らちがあかないのでディースは外します。標的は(ころころ)フィーエル。

フアナ  :……ダガーで……攻撃……。

フィーエル:あう。抵抗専念。

ディース :全力攻撃だっ。クリティカル−1で。

カトレア :することがないから、フォース撃ちますかねー。

レイディア:エネルギー・ボルト。

G   M:あとは同じですね。

フアナ  :(ころころ)……さすがに、5レベルじゃ当たらない……。

トゥエリ :命中だけなら7レベル並みなんデスけどね。

マリア  :(ころころ)11で命中じゃ。固定5点。

ザワンゼン:お前に類稀なる知性を与えてやることもできるぞ。

フィーエル:(ころころ)20。あうー。あぶなかった。

カトレア :フォース! (ころころ)抵抗されて、3点通りました。

ディース :おらあっ! (ころころ)6ゾロ。(ころころ)11で回って、8。

G   M:8点通りました。

トゥエリ :(ころころ)ぎりぎり命中。(ころころ)止まりました。

レイディア:エネルギー・ボルト!(ころころ)抵抗されて
      (ころころ)6ゾロで2点通し。計算通りね。

G   M:4ラウンド目、さすがに勝ち目がゼロなのはわかりますので、
      窓を破って逃げます。1ラウンドだけフリーで攻撃できます。
      ただし、1ラウンドで倒せなければ大変なことになりますが。

レイディア:マリア以外は全員ダメージ+2で削るのよ。

フアナ  :発動体がないから、攻撃する。

レイディア:エネルギー・ボルト。

カトレア :フォースです。

G   M:では、4ラウンド目の処理に入ります。

フアナ  :(ころころ)命中(ころころ)弾かれた。

マリア  :(ころころ)後ろを向いておったおかげで当たったのう。5点じゃ。

カトレア :フォース! (ころころ)21で、通りませんか。(ころころ)3点通しです。

G   M:そして、逃げようと動いたこのタイミングでブレード・ネットに
      切り刻まれます。(ころころ)2点ほどズタズタになりました。残り1点です。

レイディア:惜しいっ!

ディース :へっ。俺に背を向けるとは、甘いな!
      (ころころ)出目10で当たり、(ころころ)3点通ったぜ。

G   M:はい。ディースの一撃で、魔神は倒れました。

レイディア:(か、かっこいいっ!!!)

フアナ  :……こいつ……目が逝ってる……。

ディース :くししし。頂きだぜ!






レイディアたちは、ベスをどけた後で魔神の死体を窓から放り出し、
カトレアのトランスファーでイリューの意識を回復させ、介抱は父親に任せます。
そして、ベスをカトレアのキュアー・ポイズンで回復させると……。






ベス   :私は魔神の毒でやられていたというわけですね。ふがいない……。

レイディア:毒は魔神のしもべのアザー・ビーストによるものでしょう。

ベス   :魔界の獣ごときに後れをとるとはっ!? 
      このエリザベート・テイラー一生の不覚っ! 
      かくなる上はエストン山脈にこもり、
      片方の眉を剃り落とし、眉が生え揃うまで……。

カトレア :あそこに倒れている魔神は、エリザベート司祭のお手柄ですよ。

ベス   :私の!?

レイディア:司祭の(いなかった)お陰で、問題は無事解決しました。

ベス   :ファリスの司祭たる者が嘘をつくわけには。

ディース :嘘じゃねーよ。お前の正義は負けねーんだろ?

ベス   :そうです。私の正義は必ず勝ちます。

ディース :お前の執念が俺らを勝たせた。お前が勝ったんだ。

レイディア:倒れてなお正義を果たすとは、さすがはファリスの司祭様。

カトレア :感服いたしました。

ベス   :私はもうこれ以上出世することはないので、
      気を遣っていただかなくても結構です。
      しかし、皆さんの正義を愛する心、しかと受け止めました。
      ファリス神殿には、皆さんが倒したと伝えておきましょう。






魔神の死体は、マリアのサーバント2体により、ファリス神殿に運ばれていきました。
そして、翌日。予定通り、祭が開催されることになりました。





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