死体は嗤う
G M:早朝。皆さんが寝ていると、男性の悲鳴が聞こえますね。
全員起きてください。フィーエルは元々起きています。
フィーエル:悲鳴の前に、変わったことは?
G M:ありませんでした。同室の商人と依頼人も起きます。
カトレアと少女も起きます。
部屋を出ると、老人も自分の部屋から出てきましたね。
フィーエル:みんなを起こして、ぼくだけ部屋から出る。
老人 :おお。その部屋は大丈夫かの。
フィーエル:起きてたけど、異常、なかった。
ディース :2号室か? おーい、カトレアー!
カトレア :彼女と一緒に出ます。1・3号室でないということは、対岸ですかねー?
トゥエリ :階段下の扉に鍵がかかってますヨ。勝手に開けるとまずいデスかね?
G M:ちょうどその時、宿の主人によって鍵が解除されます。
宿の主人 :そっちは無事か?
カトレア :ええ。どうやら対岸のようですねー。
G M:女性陣は悲鳴で全員起きました。
フアナ :……階段……鍵がかかってる……。
レイディア:5号室は物置だから、4号室か向こう側ね。
マリア :確かめる順番としては、まず4号室じゃのう。
G M:そのとき、4号室から例の盗賊風の男が出てきます。
盗賊 :助けてくれ! く、首無しの、死体が!
レイディア:4号室を覗くしかないわね。
G M:首のない死体ですね。死後1時間以内。20〜30代、男性。
出血量からみて、この部屋で首が落ちたのは間違いないです。
ただ、首はどこにもありません。
レイディア:あー。死んでるわ、こりゃ。
フアナ :……首ちょんぱ……。
ディース :またかよー。くししし。
マリア :ぬしら、もう少し人間らしい反応ができぬのか……。
レイディア:切断面は?
G M:セージ+知力ボーナスで。
レイディア:11じゃ無理か。
フアナ :……14。
マリア :18じゃ。
G M:マリアにはわかります。切断面は刃物でものこぎりでもありません。
強いていうなら、噛み傷に近いかと思います。
マリア :噛み傷に見えるぞ。
レイディア:頭を一飲みできる怪物?
G M:そこに、階段の錠を解除した宿の主人が到着します。
宿の主人 :そっちは……うっ。凄い血の匂いだ。
レイディア:とりあえず、衛視を呼んでください。
G M:主人は4号室を覗き込みますね。
宿の主人 :こ、これは……。
G M:その後、宿の主人は1階の広間に全員を集めます。
宿の主人 :現在、わしのツテで衛視を呼ばせ、別口で情報を収集させている。
衛視の到着まではこの部屋にいるようにお願いする。
なお、朝食は午前8時からなので、遅れないように。
ディース :こんなときでも時間厳守かよ。
G M:さて、客全員が軟禁状態になりました。
老人は知らん顔。不安そうな少女にカトレアが寄り添い、
商人と依頼人は顔を見合わせています。
盗賊は青い顔、宿の主人は、こんなときでも時間を気にしています。
何かしたいことがある人は?
レイディア:交渉は個別が基本だから、今は動かないわ。
G M:では、衛視が到着します。
けっこうな大事件の筈ですが、来たのは1人ですね。
ディース :その分、有能なんじゃね?
フアナ :……眠い。
衛視 :そこのエルフ、寝るな!
G M:衛視は一通り、身分やここに泊まった動機、
昨晩から今朝にかけてのアリバイなどを聞いて回ります。
そこで、宿の主人が気になることを言いますね。
宿の主人 :門限破りの魔法使いが現れないように、2つの階段と、宿の入り口の扉には、
それぞれ、一度開けばわしにわかるような仕掛けがあるんじゃ。
衛視 :昨晩から今朝にかけて、それが開かれた形跡は?
宿の主人 :ない。
衛視 :つまり、4号室か6号室の者しか、4号室に死体を置けないわけですね。
宿の主人 :そういうことになる。
衛視 :もう一度聞きますが、死体の身元に心当たりはないですか?
宿の主人 :ない。入ってくるとすれば、玄関の施錠される、昨日の午後10時までだが。
衛視 :ふむ。当日の客が、1号室に1人、2号室に元から1人いて、
6号室から2号室に1人移動、3号室に1人いて、
6号室から3号室に4人移動、4号室に1人、これが第一発見者。
5号室が物置、6号室に3人。ふむふむ。
宿の主人 :門限破りを防ぐため、入り口以外からの侵入・脱出は不可能だ。
衛視 :なるほど。
フアナ :(小声で)……4号室の盗賊がこっそり誰かと落ち合って……そいつを殺した。
レイディア:(小声で)他にないわね。でも、自分の部屋で?
フアナ :(小声で)……計画性がないとすれば……。
レイディア:(小声で)なるほど。なら、首はどこ?
フアナ :(小声で)……食べちゃった。
レイディア:んなわけあるかっ!
衛視 :そこ、さっきからうるさいぞっ。
マリア :がたがた言う前に、とっとと解決したらどうじゃ?
レイディア:ちょっと、マリア!
衛視 :いい度胸だ。だが、まずは一番疑わしい奴に来てもらおう。
そこの太った行商人、お前だ!
一同 :え?
ルーシュン:ちょ、ちょっと待ってくださいよ。
G M:ルーシュンは、問答無用で詰め所へと連行されていきました。
容疑者なので、護衛がついてくることはできません。
ディース :あの人、一番アリバイはっきりしてね?
マリア :無能か……。
宿の主人 :解散してもらって結構。予定通り、午前8時から朝食となる。
レイディア:尾行ね。ティフィンに墨で点つけて、三毛猫にするわ。
マリア :尾行ならアーサーもおるぞ。
フアナ :……汚い仕事は、レイディアのほうが……適役……。
マリア :うむ。今回は引いてやろう。
レイディア:何か釈然としない言い方ね。
G M:カトレアの隣にいた少女が近付いてきますね。
少女 :あの人は、自分の都合だけで捜査をしています。
レイディア:わかるの?
少女 :はい。次に連れて行かれるのは、そこの商人さんか、ここのご主人でしょう。
カトレア :彼女はひがみっぽい人が嫌いで、そういう人のことはよくわかるそうです。
少女 :そこのエルフの人が厳しく注意されたのも、おそらく、一番美しいからです。
フアナ :……反論、しないの?
レイディア:勝てない喧嘩はしない主義なの。結局、自力で捜査するしかない、と。
トゥエリ :ルーシュンさんが犯人にされるとまずいデスしね。
結局、一行はトゥエリに隊商の幹部に連絡を取らせつつ、
センス・ライの使えるレイディアを中心に捜査を進める方針で固まります。
なお、女性陣の方が相手の警戒を招かないとの判断で、ディースは部屋で待機します。
そして、フィーエルは念のため1階広間で入り口を見張ることにしました。
ちなみに、カトレアは、また少女の部屋へ。朝食後、一行は動き始めます。
G M:朝食が終わりました。
宿の外には先程の衛視の部下と思われる者が2人いて、外には出られません。
レイディア:じゃ、物陰でセンス・ライを唱えて(ころころ)成功。
第一発見者の盗賊からよ。
G M:盗賊は1階の広間にいます。
フアナ :……嘘の部分だけ……「ええ」って相槌打って。
レイディア:なるほどね。わかったわ。
G M:動揺しているのか、聴取には応じますね。
あるいは、襲われたときに孤立するのを恐れているのかもしれませんが。
盗賊 :気がついたら、首無し死体が目の前にあったんだ。
レイディア:なるほどね。
盗賊 :俺はやましいことは何もやっちゃいねえ。
レイディア:ええ。あなたが首を取ったのではないのね。
盗賊 :そんなことするわけないだろ!
レイディア:そう。なら、あなたが殺したのでもないと。
盗賊 :当たり前だ!
レイディア:わかったわ。あの死体の身元に心当たりは?
盗賊 :あるはずもない。
レイディア:ええ、そうね。死体は何かの組織の関係者じゃないのね。
盗賊 :わからない。
レイディア:うん。知り合いではないのね。
盗賊 :知り合いなもんか。
レイディア:なるほど。あの人はあなたが連れてきたわけではない。
盗賊 :そうだ。
レイディア:そう。持ってきたのでもない。
盗賊 :そうだ。
レイディア:もっともね。殺人犯に心当たりはない。
盗賊 :あるわけないだろ!
レイディア:そうね。殺人犯をかばってもいない、と。
盗賊 :当たり前だ!
レイディア:よくわかったわ。
では、この宿に入るときに持っていたものは、盗品ではないのね。
盗賊 :関係ないだろ!
レイディア:盗品なら、衛視に通報する義務があるわ。盗品じゃないのね。
盗賊 :そうだ。
レイディア:ええ、そうでしょうね。あなたの無実はわかったわ。
盗賊 :けっ。当たり前だ。
一行は部屋に戻り、情報を整理します。
マリア :会話が早すぎて理解できぬ。
フアナ :……荷物は盗品。……やましいことをやっているが……殺してはない。
死体は知り合いではないけど……心当たりはある。でも、組織関係ではない。
レイディア:シロね。ただの仕事帰りの盗賊だろうけど……。
フアナ :……知り合いじゃないのに心当たり……でも、組織つながりでもない……。
レイディア:私もそこは引っかかった。それ、どういう状況?
マリア :例えば、組織の紋章をつけておれば、組織つながりにならぬか?
フアナ :……被害者を一方的に知ってた? ……首がないのに?
レイディア:前に進まないわね。魔法が切れる前に、次行くわよ。
G M:次の捜査対象は、1号室の人の良さそうな老人です。
聴取には快く応じてくれます。
レイディア:首を切ったのはあなたではないですね?
老人 :もちろん。
レイディア:はい。ということは、殺してもいませんね?
老人 :そうなるのう。
レイディア:わかりました。被害者に心当たりはありますか?
老人 :全くないですじゃ。
レイディア:ええ。被害者の組織も知りませんからね。
老人 :そうですじゃ。
レイディア:ええ。被害者と同じ組織ということもないですし。
老人 :ありえないのう。
レイディア:ええ。あなたは被害者を連れてきても持ってきてもいない。
老人 :そうなるのう。
レイディア:なるほど。お互い、殺人犯には心当たりがないですしね。
老人 :あったら通報しておるしのう。
レイディア:ええ。もう1回確認させてもらいますけど、心当たりはないんですね。
老人 :あったら通報するといっておる。
レイディア:ええ。すみません。やましいところはないわけですね。
老人 :そうじゃ。
レイディア:ええ。あなたが犯人でないことはわかりました。
老人 :犯人が捕まるとよいのう。
レイディア:ええ。ありがとうございます。
一行は部屋に戻ります。そして、ディースに事情を告げ、
ディースがツクヨミを使って老人を見張ることになりました。
マリア :嘘つきじゃのう。
フアナ :……被害者に心当たりがある……被害者の組織を知っている……。
被害者と同じ組織ということもありえる……殺人犯には心当たりがあるか、
あっても通報しない……けど、直接手を下してはいない。
レイディア:おそらくは犯人ね。でも、直接何もやってない、と。
フアナ :……ただ、怪しすぎて逆に怪しくない……。
マリア :相変わらず、無茶な論法じゃのう。
レイディア:実行犯は他にいるってことだしね。
G M:入り口のフィーエルが、連れていたカルーアを通して連絡してきます。
宿に誰か来たようです。
レイディア:下りましょうか。
フィーエル:あう。6号室のドアを、ノックする。下に、誰か来た。
レイディア:あんたが上がって来る必要ないでしょうがっ! 全員で下りるわよ。
ディース :ほいよ。
G M:宿の主人と、金属鎧で武装した男3人がなにやら話をしています。
宿の主人 :……ことじゃ。宜しくお伝え下さい。
護衛官A :はい。
護衛官B :行け。
護衛官C :はっ。では、お気をつけて。
G M:1人、出て行きます。それと入れ違いに、ルーシュンと衛視が戻って来ます。
衛視 :なぜ人が増えている。(外に向かって)お前らぁ!!
衛視の手下:す、すみません。でも、その、王令だそうで……。
衛視 :王令ぃ?
護衛官A :(鎧の紋章を見せながら)財務大臣護衛官第2分隊です。
王令5060720−1により、この者の尋問は我々が行います。
衛視 :寝ぼけたこと抜かしてんじゃねぇ! うちの縄張りだろうが!
護衛官B :王令ですので、反論は法律及び条文を示して行ってください。
譲っていただけないのであれば、あなたの上司を訴えなければなりません。
衛視 :……いや、あの、そういうわけではないのですけどね……。
こちらとしましてもですね、それでは示しがですね、つかないといいますか。
護衛官A :我々の管轄はこの者の尋問のみです。
尋問内容は全てそちらにお渡しする用意があります。
衛視 :それなら、その、せめて、尋問に立会いをですね。
護衛官B :王令に反しても、ですか?
衛視 :いえ、そういう、いえ。わかりました。おい、そこのお前!
ディース :俺か?
衛視 :3号室の商人呼んで来い。
ディース :嫌だ、って言ったら?
衛視 :痛い目に遭いたいのか?
ディース :殴ってもいいけど、当たんの? ん?
G M:そこまで挑発されたら殴りますよ? (ころころ)11。
ディース :(ころころ)目が3しかないけど、合計12。今なんかした? ん?
衛視 :……くっ。もういい!
G M:衛視は階段を上っていきます。
レイディア:後ろ盾がないんだから、あんまり挑発しないのよ。
フアナ :……すぐ……調子に乗る……。
マリア :こやつ、魔神の槍と角に貫かれても死なんかったからのう。
ディース :へっ。ああいう手合いに舐められるのは好かねーんだよ。
マリア :そして、あの娘の予想も当たったのう。
フアナ :……あの言い方なら……高確率で……当たるけどね……。
レイディア:とにかく、今のうちに、宿のご主人に確認しておかないと。
フアナ :……うん。
G M:宿の主人は、現在、受付の隅にいます。
フアナ :……エーエスエーピー……。
レイディア:財務大臣に縁故があるわけですね。
宿の主人 :ああ、そうだ。
レイディア:そうでしたか。こうすれば、身辺警護も兼ねられますからね。
宿の主人 :そうだ。
レイディア:ご主人には、何もやましいところはないですからね。
宿の主人 :センス・ライじゃろ?
フアナ :!?
レイディア:……!
宿の主人 :まだ昼食まで余裕があるな。話がある。調理場について来い。
レイディア:どうする?
マリア :行くしかないのではないか?
フアナ :……行く。
ルーシュン:困りました。一通りの聴取は終わりましたが、
犯人が見つかるまで、ここを出られないようです。
フィーエル:ルーシュンさん、僕らが、守る。
ディース :任せていいぞ。
ルーシュン:はい。なんとかお願いします……。
結局、ディースとフィーエルにルーシュンの護衛を任せ、女性陣は調理場に向かいます。
なお、宿の主人が何事か告げると、護衛官たちは宿の外に出ました。
入り口で外を見張っているようです。その間に、衛視は商人を連れて外に出ました。
G M:調理場で、4人だけになりました。
辺りに人の気配がないのを確認して、宿の主人が口を開きます。
宿の主人 :その魔法の存在を知らず、この街で隠し事をできると思っていたのか?
レイディア:すみません。でも、これは犯人を見つけるために仕方なく……。
宿の主人 :言い訳はいい。ときに、運命を信じるか?
フアナ :……神すら……信じない。
レイディア:はあ。占いは主に結果がいいときを……。
マリア :……我はレイディアとくっつく運命にあるのじゃ。
レイディア:勝手に決めないでよ! 私にそんな趣味はないってば!
マリア :照れずともよいぞ。
宿の主人 :……話す相手が悪かったな。さて、例の死体についてだが。
レイディア:未だ身元すら不明っすよね。
宿の主人 :あのようなものは予定になかった。
フアナ :……?
宿の主人 :つまり、あれは運命に反した存在だ。
レイディア:運命っすか?
宿の主人 :運命に反した存在であるから、皆が不幸になる。
レイディア:しかし、起こってしまったことっすから。
宿の主人 :もちろん、その点は修正される。本日午後10時、犯人が明らかになる。
レイディア:犯人、知ってるんすか!?
宿の主人 :いや、知らん。しかし、予定は守られねばならない。
フアナ :……誰の予定……?
宿の主人 :神だ。
フアナ :……。
レイディア:わかりました。
フアナ :!?
宿の主人 :予定を守ること、それが依頼だ。報酬は成功の場合のみ。
1人あたり5600ガメル。無論、そちらの女性も人数に入っている。
あとは、宿に必要以上の不利益を与えないこと。
そして、ここにこういうものがある。
G M:宿の主人が取り出したのは、伝説の名酒、芋焼酎「魔神王」です。
レイディア:うわはっほっ!!!
マリア :レイディア、よだれ。
宿の主人 :酒好きの女魔法使いがここに来ることは、予定のうちじゃった。
フアナ :!?
宿の主人 :予定通りに行けば、予定通りこれを差し上げることになるだろう。
レイディア:やりますっ! もう、最っ高ーっに予定通りにっ!!
宿の主人 :無論、宿の予定も厳守してもらうからな。少しは予定を信じてもらえたかな?
レイディア:はい! そりゃあもう!
宿の主人 :さて、もうすぐ昼食じゃ。遅れないようにな。
レイディア:はいっ!!
3人は、一度部屋に戻ります。
フアナ :……あの人の発言だけど……。
レイディア:それが、嘘が一個もなくって。
マリア :センス・ライは発動しておったのか?
レイディア:これでもそこそこの魔法使いだから、効果時間は絶対間違えない。
フアナ :……効果が妨げられているか……本当のことしか言ってないか……。
レイディア:私、ファンドリアに入ってからお酒飲んでないんだけど。
フアナ :……でも、会話に上ることは……あった……。
レイディア:いや、焼酎って結構好みが別れるのよ。
フアナ :……そうなの?
レイディア:そう。酒好きでも好きとは限らない。
マリア :ようわからん話じゃな。
レイディア:だから、この3人の誰かがあれを喜ぶことを予見してたとしか思えない。
フアナ :……当てずっぽうで見せたとか……。
レイディア:あと、「そちらの女性も人数に入っている」って言ったよね?
マリア :言っておったが、誰のことなのかのう? 我なのか?
フアナ :……ファンドリアだから、エルフは人数外……でもないか。
レイディア:ことによると、マリアがただの子供じゃないって知ってたのかも。
フアナ :……どうやって知るの……?
レイディア:それは、何かの予定で……。
マリア :酒に目がくらんでおるのう。
レイディア:そんなんじゃないってば!
フアナ :……まずは犯人探しが……先決……。
レイディア:……そうね。ひとまず食事にしましょうか。
3人は依頼人を護衛していたディース、フィーエルと合流。
そこにトゥエリが帰ってきて、6人で食堂に向かいます。
カトレアは少女と一緒に下りて来ました。
衛視に連れていかれた商人は帰ってきませんが、定刻通りに昼食が始まります。
一行は昼食を終え、部屋に戻る前のカトレアと少女を捕まえます。
カトレア :とりあえず、そちらの部屋で話しましょうか。
G M:2号室と6号室の全員が、6号室に移動します。
移動途中に調理場の様子が見えましたが、主人が食器を片付けていました。
側には、護衛官2人の姿もあります。そして、6号室の中に入りました。
少女は近くで見ると、思ったよりかは年を食ってる感じです。
背が低いので若く見えるだけで。
レイディア:センス・ライは使ってないけど、正直に答えて。
カトレア :(軽薄そうな笑みを浮かべながら)神に誓って。
マリア :こいつ、大丈夫かのう。
レイディア:魔法を使っていると疑う気持ちもわかるから、必要なことだけ答えて。
カトレア :はい。いいですよー。
レイディア:2人は事件に関わってないのね。
カトレア :はい。彼女が事件に関わっていないことは、僕が保証します。
レイディア:それだけ聞けば満足よ。他に、そっちで掴んだ情報はある?
カトレア :彼女が不安がってるんですよ。あの商人の視線が気持ち悪いって。
ルーシュン:そんなこともないと思いますが。
カトレア :あとは、あの衛視の嫉妬深さも嫌いなようですねー。
レイディア:確かに、その子の予言は当たったわね。
少女 :次は、多分、そこの綺麗な人が連れていかれると思います。
フィーエル:あうー。誰?
ディース :お前だよ。
レイディア:なるほどね。また何か掴んだらお願いね。
カトレア :はい。僕はここを出るまで彼女を守りますので。
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