ああ、素晴らしきこの世界








気絶しているメンバーは、食堂のおばちゃんことアニスの
トランスファー・メンタルパワーで復活。負傷者も同様に治療されています。



ランラン :こっちの負けだ。要求を言え。

レイディア:ひとまず、1階及び2階の問題は、3階及び4階の独断で解決するわ。

ディース :……ぐ、具体的には?

レイディア:セクハラした男子は服全部脱がして磔刑だから。大通りで。

フィーエル:あうー、卓球?

レイディア:たっけい。はりつけのことよ。

ディース :ひぃぃぃっ!!

フィーナ :あらあら。ライトニングよりもそっちが嫌なんですねぇ。

ストリィ :レイレイ、それやるとき教えてよ。

レイディア:……。←無視

ディース :いや、やらねーから!!

レイディア:でも、基本的に、無茶な命令したり、部屋に無断で立ち入ったりはナシ。

フィーナ :え、そうなんですか!?

リコリス :そうだよー。

フアナ  :……ナニ考えてたんだ、■■女……。

レイディア:平和的に共存できるなら、強権は発動しないわ。

リコリス :みんななかよくしないとねー。

ディース :……えらく温情的だな。

レイディア:私たちは、性別は違っても、一緒に勉強して……
      って、あんましてない人もいるけどさ……
      でも、同じ寮で寝て、同じ食堂でご飯食べてる仲間じゃない。
      ケンカするよりは、仲良くやった方がお互いにいいんじゃない?

アクトゥス:こちらは敗者ですから、異論はありません。

ランラン :……悪い話、じゃないな。

クーン  :そうだ、仲良くしよう!

ウィット :(小声で)5階は関係ないからな。

アリエル :何か言ったかい?

ウィット :……いえ、何も……。

レイディア:階ごとに反目しあう時代は今日で終わりよ。
      寮は仲良く統一されるべきだと思うんだけど、どう?

リコリス :統一しよー!

ディース :じゃ、風呂も統一ってことで。

レイディア:……統一に賛成して下さる男子の皆さんは、
      統一の障害になりそうな空気の読めない馬鹿の
      ディース君を袋叩きにしてください。

男子一同 :(ディースの方を見ながら)……。

ディース :へっ。俺らは狼だ。女子に懐柔されるほど甘かねーんだよ!

レイディア:(……うっ、ちょっと敷居が高すぎたかも……。)

リコリス :(悲しそうに)ふぇー。

ランラン :……大義はあるっ!! お前ら、続けぇっ!!

G   M:ランランがディースに殴りかかり、1階男子の一部がそれに続きます。

ディース :へっ、当たるかよ!

ストリィ :これは、やるしかなさそうだねぇ。行くよ!

アクトゥス:これが理か……うちも続け!

G   M:ボスの掛け声に応じ、残りの1階男子も続きます。
      命令に支配されている者もあれば、ノリに任せている者もあり。
      ディースは、数十人の男子にもみくちゃにされます。

ディース :……そうなっ……まうごぶれっ!!?

G   M:スペースがゼロでは、さすがに避けられません。
      そして、女子の低レベルソーサラーたちが、
      味方と判断した男子たちにプロテクションの魔法をかけます。

マキール :……じゃ、いつも通り、各自自由に行動ってことで。

G   M:2階の雄のいつも通りの宣言を受けて、日和見というか、自由というか、
      の2階の男子たちも、密集地帯の外に陣取ります。
      これで、ディースは逃げられません。

レイディア:これで統一の障害はあいつだけよ! みんなの力を合わせて勝つわよ!

一同   :おおーっ!

ルナオナ :使い魔の精神力で、ライトを。(ころころ)かかった。

G   M:ディースの服に光がともります。

ルナオナ :その光が標的の位置だから、そっちに進んだ方がいいんじゃない?

G   M:群衆は、特待生出身の正魔術師の呼びかけに応じます。
      ディースは寮の男子ごときにいくら殴られてもダメージはまず通りませんが、
      圧力のダメージはちょっと効きます。

ディース :……ぅぉぅ……ょぁぁぃ……。←潰されている。

レイディア:正魔術師の先輩にまでご協力いただけるとは、ありがたいっす。

ルナオナ :ま、お互い様ってことで。

フアナ  :……ボール……投げる……(ころころ)14。

G   M:ボールは、装備しているマジックアイテムの魔力により、
      その軌道を変化させて群集をすり抜け、回避不能のディースに命中します。
      (ころころ)当たると痛いですが、ダメージは止まりました。

ディース :ぐべっ。

フィーナ :あらあら。便利な道具ですねぇ。

レイディア:男子下がって、次は女の子が行くから。

G   M:男子の群れの中から、服が半分破れたボロボロのディースが姿を現します。

ディース :どさくさに紛れて、変なとこ揉んだ奴っ……見当はついてるけどよ……。

フィーナ :あらまあ。

クロウ  :そういうのもアリだね。

レイディア:ていうか、なんであれだけボコられて普通に立ってるのよっ!?

G   M:なお、男子の垣根が逃走経路を塞いでいるので、
      ディースが逃げるのは無理そうです。

ランディ :……なんてこった……あいつら、まとまってるよ……。

キルシュ :私が生きてる間に、こんなことになるとは思わなかったかしら。

イカーグ :寮の歴史を変えた、か……。

ディース :……へっ。まだまだだぜ。

レイディア:ルーンロープ!(ころころ)14。

ディース :へっ。(ころころ)19で抵抗!

レイディア:マリアの精神力で、ルーンロープ! (ころころ)15。

ディース :へっ。(ころころ)19で抵抗!

レイディア:マリアの精神力で、ルーンロープ! (ころころ)13。

ディース :へっ(ころころ)17で抵抗だ!

マリア  :さすがに強いのう。

アクトゥス:これほどまでに高等な魔法を連発する余力があったとは……。

フアナ  :……こうなったら、力押し……。

フィーナ :お止まりなさい! ←パラライズ (ころころ)18!

ディース :……17……。

G   M:フィーナの魔法に縛られ、ディースは立ったまま麻痺します。

ディース :うぐっ!?

フィーナ :……仕方ありません。大人しく集中します。

レイディア:さすが先輩っす。みんな、先輩の視界を遮らないように攻撃よ。

フアナ  :(小声で)……■■女……なかなかいかす……。

レイディア:過去の遺恨は今日限りだから、今のうちにあいつに全部ぶつけるのよ!

マリア  :体のいいスケープゴートじゃな。

G   M:熱狂的な人は、既にマリアの発言が聞こえない位置にいるわけですが。

フアナ  :……査察部に代わって……お仕置きよ……。

マリア  :貴族の情けじゃ。軽く殴るぞ。

レミィ  :私には必ず命中するキックがあるです!(ころころ)×4 6ゾロ!

ミケー  :なら、私も(ころころ)低い、11か。

アリエル :ルコ、頼んだよ。

ルコ   :男なんか、嫌いだーっ! (ころころ)12。

リコリス :(ディースの周辺を歩き回りながら)どっちがいいかなー?

G   M:(ころころ)成功です。ディースの死角がなんとなくわかります。

リコリス :攻撃するならこっちからだよー!

ローディス:なら、そっちから行くよ、全力攻撃! (ころころ)12。

アリエル :回避できないんだよね。(ころころ)12か。
      サブミッション技能で、腕を取ったから。

G   M:(ころころ)マリアの攻撃は回避できず。ダメージ止まります。
      レミィの攻撃は顔面に命中するもダメージがゼロ。
      ミケーとルコの攻撃は冒険者レベルでダメージが止まります。
      そして、ローディスの全力パンチは、6ゾロでクリティカル。
      ダメージは1点だけ通ります。
      アリエルの関節技には抵抗しましたが、他の攻撃が次々飛んでくるせいで、
      まず振りほどけません。毎ターン抵抗で、失敗すると腕をやられます。

ディース :(ぐ……。)

フアナ  :セイラー技能のロープワークで、縛る。(ころころ)11。

G   M:回避できないので、腕の関節を軽く縛られます。
      ほぼ全ての肉体行動に−1の修正です。

ディース :(何をするだーっ!?)

G   M:やがて、関節が極まって左腕の自由を完全に失い、
      フアナのロープで全身の自由をほとんど奪われます。
      パラライズはいつの間にか解け、
      今度は右腕に関節技を仕掛けていたアリエルも振りほどかれます。

フィーナ :ズボンを下ろして、傷の具合を見せてくださいな。

G   M:いつの間にかパラライズの集中を解いていたフィーナが、
      ディースの服を破ろうとします。

ディース :ひぃぃぃっ!

クーン  :そういう優しいところも好きだ!

キルシュ :(こいつ、女を見る目がまるでないかしら。) ←人のこと言えない

レイディア:ディース、いい加減に自分の非を認めて降参しなさい。

ディース :俺対残り全部か……ふっ、これに勝ったらすげーよな……って、勝てるか!!

レイディア:今、ノリツッコミしたわね、こいつ。

マリア  :大物じゃのう。

ディース :……ギブアップだ。

レイディア:やり遂げたわ!! 私たちの団結の勝利よ!!

G   M:一同、口々に快哉を叫びます。

ディース :団結っつーか、マリア1人いた時点でほとんど互角なんだけどよ。

レイディア:空気読め! 殴る。(ころころ)7。

G   M:全身を縛られているディースは、回避にペナルティー−6です。

ディース :へっ。(ころころ)13。軽く避けたぜ。

フアナ  :……強い……。

マリア  :こやつ、我が十発ほど本気で殴っても死なぬのではないか?

ディース :死ぬわっ!!!

レイディア:とにかく、これで全ての階が統一されたわ。
      5階の空室いくつか開放してもらってるから、みんなで騒ぐわよ。

一同   :おおーっ!!

ウィット :なっ、何ぃっ!?

アリエル :何か異存でも?

ウィット :(小声で)ないです。






初めて1つにまとまった寮の姿を見て、イカーグは満足そうに微笑み、
そして去っていきます。なお、仮面騎士の姿は、いつの間にか消えていました。



時は新王国歴521年。
寮の創始以来初めて、全ての階が1つにまとまりました。
真の統一にはまだ遠いでしょうが、これが大きな一歩となることでしょう。






レイディア:でもさ、なんか忘れてる気がするのよね。

フアナ  :……言うべきことは……全部言ってる……。

マリア  :重要なことであれば、忘れたりはせんであろう?

レイディア:それもそうね。さあ、今日は飲むぞーっ!






G   M:その頃、寮1階にある一室。

トゥエリ :ひょっとして、忘れられてたりしませんよネ?

G   M:スパイ容疑で拘束されたトゥエリは、縛られたままなのでした。





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