才女様をいいなりにするゲーム








G   M:さて、仕事がない間の話を。場所は、冒険者の店。

ディース :さあ、今日もこの時間がやってきたぜっ!

マリア  :ぬしは暇人なのか?

フアナ  :……訊くだけ……野暮……。

ディース :みんなを呼んだのは他でもない。さあ、ゲームしようぜっ!!

レイディア:最初に言っとくけど、エロいの禁止ね。

ディース :ああ。今回は、王子様ゲームだ!

フアナ  :■■王子?

トゥエリ :いや、それ絶対ピー音入りますから!

フィーエル:あう。■■■■ー♪

オルフ  :わたくしには、嬉しそうに言っているように聞こえるのですが……。

マリア  :レイディアになら、されてもよいぞ。

レイディア:やめなさい。……で、どんなゲームなの?

ディース :サイコロで決定された王子様が、何でも1つ命令できる。

レイディア:待てよ!! そんなん絶対エロに走るだろ!!

トゥエリ :レイディアさん、声が大きいデスよ。

ディース :へぇ。逃げんの?

レイディア:逃げないけど、ぜーったいにやらない。エロいの禁止なら、やる。

ディース :そんなん意味ねーだろ!!

レイディア:やっぱりそういう目的か!! 誰がやるか!

ディース :……わかったよ。エロいのは無しだ。

フアナ  :(あっさり認めたよ。策ありってことだよね。)

トゥエリ :しかし、エロい、という定義が問題になりますネ。

レイディア:全裸、半裸、下着がかかわるのは一切禁止。キスも禁止。

フアナ  :……■■■■は?

レイディア:死ねよお前!!! 禁止に決まってんだろうが!!!

トゥエリ :なら、異性との身体的接触は禁止ということで。

マリア  :

オルフ  :それだと男性が不利になりませんか?

ディース :そうだな。なら、男女間と男同士は禁止で。

マリア  :〜♪

レイディア:……はっ!? 女同士も禁止だろ!!

マリア  :我は別に構わぬぞ。

レイディア:マリアは、フアナとしたいの?

マリア  :げ……嫌じゃ……。

フアナ  :……堪忍して……。

ディース :なら、性別関係なく身体への接触禁止な。制限は以上。

レイディア:狙い撃ちはアリ?(こっちにはマリアとトゥエリとフィーエルがいるしね。)

ディース :いや。王子様が命令を文章にする。
      命令の中の人を指す部分は、必ず記号で指定する。
      で、その記号が誰を指すかは、サイコロで決定する。

オルフ  :ほうほう。

トゥエリ :文章は、たとえば「Aが学院まで走ってくる」とかデスかね。

ディース :ああ。用紙に収まれば、2人以上に対する命令も可能だ。

レイディア:でも、7人参加だから、王子様は安全圏から命令できるわけよね?

ディース :いや、今回は、十面体のミスリルサイコロを使う。

オルフ  :6面体でないということは、王子様も安全ではないということですか?

ディース :ああ。まあ、聞いてくれ。これがルールブックだ。

レイディア:ずいぶん用意周到ね……。

フィーエル:あう。シュートー! ←何かを蹴る動作






■ルール
王子様になった者は、文章で参加者に命令を1つ発することができる。
命令には絶対に従うこと。命令を達成できない者は、永久にその王子様の奴隷となる。
命令で人が対象になるときは、必ず記号で指定しなければならない。
人であるのに記号で指定されていない部分は、文章内で未出の記号とみなされる。
継続的な命令の場合、持続時間は日没まで。ただし、永久奴隷は永久に命令に服する。
王子様は次の王子様の決定により、交代する。
永久奴隷は奴隷になった時点での王子様に従い、自動的に解放されない。



■禁則事項(ルールとは別紙)

全裸・半裸・下着が関わるもの禁止。
キスその他1点禁止。
性別関係なく、身体への接触禁止。



■決定について(ルールとは別紙)

十面体ダイスの目は、便宜上、次の番号とする。

1.レイディア 2.フアナ 3.トゥエリ 4.オルフ 5.ディース
6.フィーエル 7.マリア 8.王子様 9.王子様 0.王子様の任意






レイディア:つまり、王子様の自爆率は10分の3なわけね。

トゥエリ :そして、ダイレクトに目標を達成できる率が10分の2デスか。

ディース :自分が何かやりたがるかもしれないから、自爆とも限らねーぞ。

トゥエリ :それなら、自分を狙って当たる確率は、10分の4……高いデスね。

オルフ  :王子様は王様ほどの権力は持たないとは、奥が深いものですね。

フィーエル:あうー。ちょっと、むずかしい。

ディース :あと、「王子様に」とか「王子様が」とかも使えない。

エート  :にゃー。

フィーエル:あう。人だけど、記号じゃないから。

ディース :その通り。間違って書いても、そこはサイコロで決定される。

レイディア:ていうか、達成しなかったら一撃で人生終わりじゃないのよ!

ディース :そりゃお互い様だろ?

オルフ  :これは、王子様がかえって不利なのではないでしょうか?

ディース :ああ。そこがミソだ。王子様も大変なんだろうよ、きっと。

レイディア:王子様になっても、攻めるか守るかの判断が難しいわね。

ディース :これは部屋を1つ借りてるから、そこでやるぞ。

レイディア:え? ここじゃだめなの?

トゥエリ :周りの迷惑もありますしネ。

レイディア:ふん。まあいいわ。

ディース :勝負は10戦だ。行くぞ!

G   M:全員が宿の一室に移動し、ゲームが始まります。






■第1戦
G   M:王子様決定(ころころ)0。振りなおしです。
      (ころころ)6。フィーエルです。

フィーエル:あう!

レイディア:よく考えなさい。変なの書いたら怒るから。

フィーエル:あうー。エートと相談する。……わかった。

G   M:では、フィーエルによって羊皮紙に書かれた命令が発表されます。






・AがBを笑わせる。






フアナ  :……考えたね……。

レイディア:これ、もし失敗したら、従わなかったことになるわけ?

ディース :命令が「笑わせようとする」じゃなくて「笑わせる」だからな。なる。

トゥエリ :くすぐるという手も……あ、接触禁止でしたネ。

レイディア:これ、当たったらやばいんじゃない!? 一撃?

オルフ  :おお、神よ!

G   M:対象を決定します。A=(ころころ)5で、ディース。

ディース :おい!!

G   M:B=(ころころ)6で、フィーエル。

フィーエル:あう?






●ディースがフィーエルを笑わせる。






G   M:では、ギャグメーカー技能+知力ボーナスで。

ディース :そんな技能持ってねえよ!

G   M:体を張る場合は、ギャグメーカー技能+生命力ボーナスで。

ディース :ねえよ!!

G   M:笑わないようにするには、精神抵抗で。

ディース :こいつ、6もあるじゃねえかよ!

レイディア:ふふーん。永久奴隷の誕生も近いわね。

ディース :ちくしょう……。

フアナ  :……妙案が……。

ディース :頼む!

フアナ  :……声が小さくて……聞こえない……。

トゥエリ :いや、明らかに聞こえてますよネ?

ディース :フアナ様、お願いしますっ!

レイディア:プライドないわね。

フアナ  :……500ガメル……。

ディース :金取るのかよ!! しかも、たけーよ!!

フアナ  :……嫌なら、いい……。

ディース :わかったよ! 払うから!






ディースとフアナは、いったん部屋の外に出ます。しばらくして帰ってくると……。






G   M:ディースの顔は落書きだらけです。ほっぺに渦巻き、異様に太い眉毛、
      まぶたの上にも目、変なひげ等、ひどい有様です。

レイディア:あはははははははっ!

オルフ  :ぷぷっ。

トゥエリ :そんなに奴隷が嫌でしたカ。

マリア  :アホがおるのう。

G   M:シーフ技能の変装の応用で、絶妙にリアルで変な顔になっています。
      落書きの分、変装の基準値である6をプラスして、
      2Dを振ってください。フィーエルは精神力で抵抗。

ディース :(ころころ)出目3で、合計9。

フィーエル:(ころころ)13。あはは。(棒読み)

レイディア:明らかに不自然な笑いね。

ディース :……こいつ、今わざと……ありがとよ!

トゥエリ :やさしい人でよかったデスね。

オルフ  :ふむ。心から笑わせるという命令ではありませんでしたからね。

G   M:命令は達成されました。本職用のメイクなので、簡単には落ちませんが。

ディース :けっ、背に腹は代えられねーぜ。

フアナ  :……ぷっ……本当にやったし……。

ディース :くそっ、むかつく! お前、金返せよ!

フアナ  :……いやっぷー……。

ディース :くそっ!






・ディースが変な顔になりました!






■第2戦

G   M:王子様決定(ころころ)2=フアナ。

フアナ  :……いかした、展開……。

レイディア:言っとくけど、シャレにならないのは無しだからね?

フアナ  :……最初から、考えてたし。

G   M:では、フアナによって羊皮紙に書かれた命令が発表されます。







・Aがこの場で■■■■する。






レイディア:ぶち殺すぞお前!!!

ディース :知ってるんだな。

レイディア:……っ!!?

マリア  :あほう。そういう時は、知らないふりをするのが貴族のたしなみじゃ。

フアナ  :……禁止事項に……入ってないけど?

ディース :確かに、入ってねーな。

オルフ  :他者との身体的接触も伴いませんねー。はっはっはっ。

トゥエリ :これはいくらなんでもまずすぎるのでは?

フアナ  :……わたしに当たる確率も、あるけど……。

フィーエル:あう、見たい!

レイディア:なっ、何言ってんのよ!!?

オルフ  :フィーエル君は正直ですね。

フアナ  :……このゲームは……奴隷を作るゲーム……。

ディース :ほう。気付いてたか。

フィーエル:あう。

フアナ  :……本当にやるとは思ってない……拒否して、奴隷になるといい。

レイディア:あんたが負けたら…………あんたがあんたの奴隷!!?

ディース :くそっ。ルールに穴があったか。

フアナ  :……したふりしたら……ばれないって……。

レイディア:それが嫌なんだよ!!!

フアナ  :とにかく……今回は従ってもらうから。

G   M:対象決定。A=(ころころ)9で、王子様。フアナです。






●フアナがこの場で■■■■する。






フィーエル:…………。

ディース :…………。

トゥエリ :…………。

オルフ  :…………。

レイディア:うわ、変なもん想像しちゃったし。うっわー。

マリア  :自業自得じゃのう。

フアナ  :……、…………。

レイディア:赤くなるくらいだったら書くなよ!!!

ディース :まさか……や、やるのかっ!!!?

フアナ  :し、し、しないっ!!!






・フアナはフアナの永久奴隷になりました。(意味なし)






レイディア:ルール変更よ!!

ディース :たりめーだ!!

フアナ  :……あたぼうよ……。

レイディア:……て、てめぇ……。






・合議によってルールが改正され、王子様が命令を拒否したときは、
 ランダムで自分以外の誰かの永久奴隷になることが決定されました。





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