対番長








G   M:まず、マリアから。寮3階にあるローディスの部屋。

レイディア:(扉をコンコン)邪魔するわよー。

ローディス:いいよ。入って。

マリア  :邪魔するぞ。

ローディス:……ああ、レイディアが連れ込んでる子か。私はローディス、よろしくね。

マリア  :うむ。我はマリアンヌ・ローラ・ハルシュタットである。苦しゅうないぞ。

G   M:(ころころ)一般生では無理ですか。聞き覚えのない名前ですね。
      父親が歴史上の大人物でも、無名な娘の名前までは難しいでしょう。

ローディス:あんまり言いたくないけど、一応部外者扱いってことになるからね?

レイディア:大丈夫よ。いい子だから。

マリア  :我を子ども扱いするでない!

ローディス:はぁ(嘆息)……くれぐれも、これ以上寮の風紀を乱さないようにね。

レイディア:で、頼みがあるんだけどさ。

ローディス:今度は何?

レイディア:この子が、言いたいことがあるってさ。

ローディス:(嫌な予感が……)な、何さ?

マリア  :我はぬしが好きじゃ。我と付き合え。

ローディス:…………。レイディア?

レイディア:ごめん。この子にはよく言って聞かせとくから。じゃ、そういうことで。

マリア  :うむ、そういうことじゃ。

G   M:2人は、脱兎の如く部屋から去っていきます。

ローディス:…………ま、また女の子に告白された……そんなに男らしいかな、私……。






G   M:続いて、飲み屋のオルフ。付き添いはトゥエリです。

オルフ  :なんと気の重い……。

トゥエリ :やっちゃったことにしといてもいいんデスけど。

オルフ  :いえ、こういったことは誠実にしなければ。

トゥエリ :やってることは不誠実極まりないと思いますガ。

G   M:そうこうしているうちに、男性の店員が料理を運んできますが。

オルフ  :ええ、実行に移しましょう。

トゥエリ :どうなっても知りませんヨ。

オルフ  :ふむ、いいお皿の置き方をしていますね。

店員   :ど、どうも?

オルフ  :これまたかわいい人ですね。私の恋人になってはいただけませんか?

店員   :ひ、ひぃぃぃ……。

G   M:店員が逃げ去り、入れ替わりに、髭面の店長がやってきます。

店長   :すみませんねぇ。店の子が怖がっちゃってるんで、勘弁してもらえますか?

G   M:結局、オルフとトゥエリは、出入り禁止になりました。

オルフ  :あの人には申し訳ないことをしましたね。

トゥエリ :なんで私まで……。






G   M:続いて、ディース。

ディース :ホモが嫌いな奴にやらねーと、本気にされたらえらいことだぜ。

フィーエル:あうー。ホモ、多い……。

ディース :お前は女だと思われてたからな。そんなには……いや、どうだろ?

フィーエル:あうー。ディースさん、大変……。

ディース :よし、確実にホモが嫌いな奴にするぜ。

G   M:ホモ嫌いで有名なのというと、ランランしか知りませんが。
      2階のフィーエルは、彼のことをよく知りません。
      ディースにとっては、かつて喧嘩で引き分けた因縁の相手ですね。
      1階の三派閥の長の1人、武闘派の不良です。
      鷹のような鋭い目と、かつて世界を目指していたという高速の拳で、
      荒くれ者の派閥をまとめるボスです。
      3階の雄のローディスと、殴り合いで互角に渡り合ったという噂も。
      ファイター技能は推定3レベルです。

ディース :ま、後腐れなしで平穏に終わりゃいいだろ。

フィーエル:あう!

ディース :へっ。逆上して襲ってきたら、俺が勝ちゃいいんだよ。

フィーエル:あ、あうー。喧嘩、よくない。

ディース :大丈夫だ。俺に任せとけって。

G   M:では、自室にいたリクラン・ランドロード、
      通称ランランを呼び出すことにします。場所はどうしますか?

ディース :……こ、告白っつったら、校舎裏に決まってんだろ?

G   M:校舎裏というか、寮の建物の横側の壁がそれにあたります。
      表門や建物の入り口から裏庭に回る2つの道の1つなのですが、
      そちら側は遠回りなので、滅多に人が通りません。
      ともあれ、その場所なら、あっさり着いてきますね。

ランラン :やっぱここか……廊下でやんのが怖ぇーのか?

ディース :ああ。こえーな。(ホモ疑惑が一気に伝わるからな。)

ランラン :チッ……俺様の見込み違いだったか。チキンが……。

ディース :俺のブレイブハートはこれから見せてやるっつーの。

ランラン :ハァ? 特待とつるんでるくれーで調子乗ってんじゃねーぞ? あぁ!?

フィーエル:あうー。僕、一般。

ランラン :わぁっとるわボケェ!!

フィーエル:あ、あうー。

ディース :じゃ、始めるぞ……。

ランラン :ハッ、てめぇのパンチごとき、ハエが止まって見えるぜ。

ディース :ずっと前から好きでした!!!

ランラン :……ハ、ハァ〜〜〜?

ディース :俺、ランランのこと、好きだったんだよ!

ランラン :じょ、冗談はよせ! お前のエロ本、そっち系じゃねぇだろ!?

ディース :冗談じゃねぇよ。どっちも好きなんだ!

ランラン :……ストラに付いたか、新手の嫌がらせか……? どっちみち死ねぇ!!

G   M:では、問答無用で戦闘に突入します。
      敏捷度が高いランランの先攻です。

ランラン :死ねやッ!!(ころころ)16!

ディース :うおっ!? (ころころ)6ゾロなんて出るかっ!?

ランラン :(ころころ)8点。

ディース :(ころころ)いきなり4点も通るのかよ……。

G   M:ディースの生命力は、残り18点。

フィーエル:あうー。止めないと……。

ディース :手出しすんな!! これは俺の喧嘩だっ!!!

フィーエル:あ、あうー。

ディース :正当防衛だかんな!? (ころころ)出目10で13!

ランラン :(ころころ)16。……ケッ、2対1でくるかァ?

ディース :へっ。やるじゃねぇか、先輩。(あれを避けるのかよ……。)

G   M:2ラウンド目。

ランラン :掘られてたまるかッ! (ころころ)15!

ディース :言い訳はしねー。俺の道は、俺の拳で切り拓く!! (ころころ)9……。

ランラン :(ころころ)ダメージ6点。

ディース :(ころころ)2点通ったぜ……。

G   M:ディースの生命力は、残り16点。

ディース :俺よりゃ打たれ弱ぇーだろ! (ころころ)6……。

ランラン :(ころころ)16だ。……てめぇ、頭いかれてねぇか?

G   M:3ラウンド目。

ランラン :食らえッ! (ころころ)14。

ディース :(ころころ)12かよ……。

ランラン :(ころころ)ダメージ8点。

ディース :(ころころ)また2点通ったぜ……。

G   M:ディースの生命力は、残り14点。

ディース :ヤンキーに負けるかよ……(ころころ)9……。

ランラン :(ころころ)9だが、回避だな。……ちったぁやるじゃねぇか。

G   M:4ラウンド目。

ランラン :(ころころ)14で左フック!

ディース :(ころころ)10しかねぇ……。

ランラン :(ころころ)6点だ。

ディース :(ころころ)3点通っちまったぜ……。

G   M:ディースの生命力は、残り11点。

ディース :牛よりゃ弱ぇだろ! 急所に当ててやるぜ! (ころころ)11。

ランラン :(ころころ)12だ。

G   M:5ラウンド目。

ランラン :そろそろ倒れやがれ! (ころころ)チッ、11か。

ディース :(ころころ)9しかねぇ……。

ランラン :わざと当たってんのか!? アァ!? (ころころ)4点。

ディース :(ころころ)おっしゃ、全部止めたぜ。カウンター! (ころころ)7……。

ランラン :(ころころ)10。真面目にやれやッ!

G   M:6ラウンド目。

ランラン :(ころころ)14。

ディース :(ころころ)10。

ランラン :(ころころ)っしゃ回ったァッ。(ころころ)12点。

ディース :(ころころ)8点も通っちまったぜ……。

G   M:視界の端から迫ってきた高速のフックが、ディースの側頭部をとらえます。
      ディースの生命力は、残り3点。

ランラン :やべ……今度こそ殺っちま……な、なんで起きてるんだよっ!!!?

ディース :へっ。これが俺の生き様だっ!!! (ころころ)12!

ランラン :(ころころ)14。

G   M:7ラウンド目。

ランラン :あの時といい……お前はゾンビかッ!? (ころころ)12。

ディース :来いやぁ!! (ころころ)10だ……。

ランラン :(ころころ)6点。

ディース :(ころころ)2点通った。

G   M:ディースの生命力は、残り1点。
      殴られて21点も減ってるので、かなり出血してて、さすがにふらつきます。
      普通の人間ならとっくに死んでるダメージですからね。

ディース :……ちっ……まだだっ!!!

ランラン :……そ、そんなにたまってたのか……。

フィーエル:あうー。勝負、ついた!

ランラン :……こ、今度も引き分けでいいだろ!? 次殴ったら死ぬぞ!?

ディース :へっ。一方的にやられたまま終われるかよっ!!!?

ランラン :気絶したら、ストラの部屋に捨てるぞ!!!?

ディース :じゃ、引き分けってことで!! ←しゅたっ!

G   M:かくして、決着はつきました。
      フィーエルの肩を借り、ディースは去っていきました。

ランラン :思わず口走っちまったが、ホモ同士だよな……ホモにも好み、あるのか?





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