No Side








レイディア:よっしゃー!! 私最高!!

ディース :ちっくしょー!!

オルフ  :両チームとも、健闘しましたねー。

フアナ  :……あそこで、もっと近くに飛んでたら……。

トゥエリ :リノが邪魔でしたカ?

フアナ  :……それと……服がボロ屋にひっかかって破れるのも、嫌だった……。

トゥエリ :そういえば、綺麗な服着てますね。

フアナ  :……おニューだから……。

レイディア:今頃気付いたのかよ。

トゥエリ :すみません。

レイディア:捕まるときにジタバタしなかったのも、そのせい?

フアナ  :……うん……発動体の指輪、隠し持ってたし……。

レイディア:げっ!!?

トゥエリ :あそこで身包み剥ぐわけにもいけませんでしたからネ。

レイディア:真面目な顔して何言ってんだよ!

フィーエル:あう。トゥエリさん、すけべ。

トゥエリ :な、なんで私ガ……。

レイディア:窓に飛び込もうとするのは予想してたけどね。まさか、糸が出るとは。

トゥエリ :そのために用意してたんデスか?

フアナ  :……いや……丈夫な紐を通すと、いろんなことができるから……。

トゥエリ :なるほど。

ディース :真実はいつも一つだからな。

レイディア:でも、最後に本気出されたら、負けてたわ。

マリア  :手加減はしておらぬ。邪魔が入るのが嫌だっただけじゃ。

フアナ  :……あれは……ルールの不備……。

ディース :そうだな。至近距離から捕虜に魔法撃たれたら、簡単に突破されるよな。

レイディア:下着の中まで調べるわけにもいかないしね。

マリア  :レイディアが調べるのであれば……。

レイディア:しないからっ!

フアナ  :……。

オルフ  :しかし、魔法の使い方は見事でしたね。

レイディア:各個撃破が許されたからね。団結されてたら負けてたわ。

オルフ  :はっはっはっ。これは手厳しい。

フアナ  :……この4人で……1つにまとまるわけがない……。

ディース :違いねえな。ま、そのほうが楽しかったけどよ。

マリア  :うむ。

トゥエリ :しかし、よく勝てましたネ。

レイディア:スピードで負けてるからね。どうしても、数か作戦で押さないと勝てないし。

オルフ  :作戦も見事でしたよ。

レイディア:基本的に、筋力と生命力は関係ないから。

トゥエリ :確かに、そうデスね。となると、一番の脅威はフアナになりますよネ。

レイディア:守る捕虜がいないうちに、何でもできるフアナを総力で潰す。

フアナ  :……ばたんきゅー……。

レイディア:あそこで逃げられても、リノが張り付いてるから。←それはこの人の計算外

トゥエリ :どこまでも追いかけて、最初に捕まえるわけデスね。

オルフ  :最後には最初に捕まるというわけですか。上手いこと言いますね。

フアナ  :……ちょこざいな……。

レイディア:あとは状況次第だったけど。

トゥエリ :最初に篭城されたときは焦りましたネ。

ディース :ああ。アンロックの性質を利用したトリックだ。

オルフ  :成功すると強制的に開こうとしますから、扉を押さえているとわかりますね。

トゥエリ :そちらの方が敏捷度と精神力が高いデスからね。

ディース :何回だって掛けなおせるんだよな。地味だけど。

レイディア:似合わないことするのね。

ディース :振り切れねー見張りがついてくるんなら、脱出する意味あんまねーし。

トゥエリ :なるほど。一応合理的なんデスね。

ディース :お前、俺のこと馬鹿だと思ってね?

レイディア:思ってない人のほうが少ないんじゃないかしら?

ディース :おー。じゃあ、多数決とってやろうじゃねーか!

レイディア:ディースが馬鹿じゃないと思う人、手ぇ挙げてー?

G   M:オルフが手を上げ、フィーエルは状況を理解できず。他は冷たい目線ですね。

レイディア:現実は受け止めなきゃ、ね? (にっこり)

ディース :へっ、いつか俺のデンジャラスクレバーさを見せてやるぜ。

トゥエリ :中途半端にアレなのはよくわかりましたヨ。

ディース :おい! アレって何だよ!? お前、最近生意気じゃねーか!?

オルフ  :こちらは他の場所の状況がほとんどわからないのが、非常に痛かったですね。

レイディア:そうよね。安全だって自負がある分、余計に動きづらいし。

オルフ  :そちらの作戦に気付いたときには、もう手遅れでした。

ディース :思い出した! お前ら、扉弁償しろよ!

レイディア:内側だけでしょ? しばらくごまかせるって。

ディース :あー、それもそうか。

レイディア:(納得するのかよ!)

フアナ  :……派手に、やったみたいだね……。

トゥエリ :学院にバレたら、まずいデスね。

フアナ  :……凄い音が聞こえてから、ギャラリー増えたし。

トゥエリ :授業ない人もいますからネ。(出てないだけの人もいますけど。)

レイディア:それにしても、最後はギリギリだったわ。

マリア  :主役は最後に登場するものじゃ。

レイディア:実は、マリアの順番は、それほど考えてなかったのよね。

フィーエル:あうー。そうなの?

レイディア:3対1でやっと勝ち目が出てくるのはわかってたけどさ。

トゥエリ :最初に3人で捕まえるべきだった、ということデスか?

レイディア:いや、この子、追い詰められたら窓破って逃げかねないから。

マリア  :ぬしは、我の心の中が読めるのか?

レイディア:やっぱり……。(嘆息)

トゥエリ :私たち、そのうち退学になりかねないデスよ。(嘆息)

ディース :大丈夫だって。うちの親がもみ消すから。

レイディア:ろくな親子じゃねーな。

ディース :へっ。

レイディア:ほめてねーよ。

マリア  :安心せい。余裕があれば、開けてから飛び出すつもりじゃった。

レイディア:そうじゃないでしょ。飛び降りたらマリアが怪我するから。

マリア  :我を、心配してくれるのか……?

レイディア:当たり前じゃないの。

マリア  :わかった。ぬしの心がけに免じて、飛び降りるのは控えようぞ。

レイディア:(マリアに抱きつきながら)ありがとう。

マリア  :よ、よさぬか、人前で!?

ディース :こいつら、絶対できてるよな……。

フアナ  :……ひゅーひゅー……。

フィーエル:あうっ! 思い出した。罰ゲーム!

レイディア:(獲物を狙う目)そういや、そんなのもあったわねぇ。

ディース :き、記憶にございません。(棒読み)

トゥエリ :最初に捕まった人だけ、相手指定でしたよネ。

レイディア:さて、美少女のフアナさん。

フアナ  :……なんか用? ……バストとウエスト同じサイズの美少女さん。

ディース :……そっ、そこまで酷かったのか……。

レイディア:んなわけねえだろっ!! 信じるなよ!!

ディース :いや、詰め物って可能性もあるし。

レイディア:ねーよ!!

トゥエリ :(むしろ、詰め物してこんだけだったら、どんだけなんですか。)

マリア  :ふむ。我が直に触って確かめてやろうぞ。

レイディア:触らせないから!

マリア  :ぬぅ。心の狭い奴じゃ。

レイディア:ていうか、あんたはお風呂で見てるでしょ!

トゥエリ :声が大きいデスよ。

ディース :あーあ、今のはギャラリーに聞こえたぞ。

レイディア:……とりあえず、フアナ……泣かす!

フアナ  :……めんごめんご……。

レイディア:あんた、私がアリエルに言い寄られたとき、めちゃくちゃ笑ってたわね?

フアナ  :……アリエルに……告白させる気?

レイディア:イエス、イエス、イエース!!

フアナ  :……わたしが、レイディアにやらせるつもりだったのに……。

レイディア:お前は鬼か!?

ディース :どっちもどっちだろ!

マリア  :我はレイディアが好きじゃ!

レイディア:マリア。私たち以外の人に言わないとだめなのよ。

マリア  :嫌じゃ。

レイディア:だめ。冒険者の世界では、約束は守らないといけないのよ。

ディース :鬼ー! 悪魔ー!

レイディア:ローディスならそっちのケはないから。

フアナ  :……彼女の発言は……決して変な意味ではない……。

レイディア:お前は黙ってろよ!!

オルフ  :わたくし、職場にいられなくなりそうなのですが。

ディース :おっさん、人生いろいろって、いっつも自分が言ってるだろ。

オルフ  :そ、それとこれとはっ!

ディース :おー、おっさんが慌ててる。

レイディア:マリア。大丈夫だからね。私が見てるから。

マリア  :わかった。ぬしを信じようぞ。

トゥエリ :いいセリフですけど、やらせてることは鬼畜デスよね。

ディース :だよな。

レイディア:お前ら、余計なこと言うなよ!





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