やるきねぇこの逆襲
G M:自由な時間が1週間以上ありますので、他にしたいことがある人はどうぞ。
レイディア:今後もマリアを回復させるには、魔晶石の供給ルートが必要になるわね。
マリア :我が死んだら困るのか?
レイディア:困るわ。私はマリアの保護者だからね。
マリア :(真剣な顔になって)そうか。ならば、我は命を大事にしようぞ。
レイディア:(頭をなでながら)いい子ね。
マリア :……き、気安くなでるでないぞ! ←やっぱり嬉しい
レイディア:子供が2人になっちゃったわね。
フィーエル:あうー。1人目、誰?
ディース :お前だよお前。
マリア :レイディアは我のじゃからな。取ったら、美形でも容赦はせぬぞ。
フィーエル:あうー。
フアナ :……やっぱり、モテ……。
レイディア:トゥエリの槍を借りて、学院に行くわ。念のため、マリアはお留守番ね。
マリア :我を子ども扱いするなというに!
レイディア:言うこと聞かない仲間とは、一緒に寝てあげない。
マリア :仕方ないのう。夕方までには帰るのだぞ。
ディース :やっぱり子供だよな……げふっ!!
マリア :なんか言うたか?
ディース :いてててて。何も言ってねえよ!
トゥエリ :ゆ、指1本でこの威力とは……。
フアナ :……お前はもう……死んでいる……。
ディース :うわらば!!
オルフ :『ひでぶ』や『あべし』でない辺り、渋い選択ですね。
フアナ :……さすが……天才……。
マリア :ぬしらは、何を言っておるのじゃ?
G M:持っていく槍はこんな槍ですね。
名称:ストーミング・パーティー
宝物鑑定の目標値:15
魔力付与者:「人形使い」ハルシュタット
形状:槍
必要筋力10、+2の魔法の槍です。移動攻撃(大抵は最初の一撃でしょう)
に関しては、攻撃力と追加ダメージがさらに+1されます。
取引価格:9万3千ガメル
レイディア:授業が終わったら、私を馬鹿にしてたディケイとマッコイを呼び出すわ。
G M:2人とも負けると思ってないので、すぐ来ますね。
2人とも商家の息子で、未だに魔法が使えませんし、成績も平均以下。
だからこそ、泣かず飛ばずの特待生をからかう暇があったわけですが。
ディケイ :特待のレイディアが泣きつきに来たか?
マッコイ :うやむやにしたまま、なかったことにすると思ったけどな。
レイディア:ふん。槍を見せるわ。
ディケイ :こんなん知らねーよ。本当に宝物か?
マッコイ :同じく。なんかボロいし。
G M:鑑定の目標値は15です。並の学生には到底わかりません。
レイディア:しまったぁーっ! ←orz
G M:そこに、上級生の男女2人が通りかかります。
所詮は見習いの中での話ですが、2人とも有名な実力派ですね。
2人ともソーサラーで、成績も優秀です。
特に、フィーナはレイディアの1年上の特待生ですし、同じ3階なので、
凄い人だという噂もよく聞きますね。
クーン :ふん、中立な判断役が必要のようだな。見せろ。
フィーナ :私にも見せてくださいな〜。
クーン :センス・マジックには反応するようだな。
フィーナ :こ、これは、もしかするともしかしちゃったり……。
クーン :鑑定は失敗だ。俺にわからんとなると、凄いぞ。
フィーナ :これ、奇行の目立つ、あのハルシュタットの作った槍ですよ! +2の!
クーン :……伝説のゴーレム使いか!? つーか、プラス2って何だよ!!
ディケイ :な、何ですか、それは?
マッコイ :馬鹿、ハルシュタットの名前なら俺でもわかるって!
クーン :具体的にはどのくらい凄いんだ?
フィーナ :少なく見積もっても、これ1本で一般生の学費複数年分ですかね。
マッコイ :じょ、冗談ですよね!?
ディケイ :ほ、ほんものっすか?
クーン :俺のセンスマジックに反応した。偽物の可能性は極めて低い。
フィーナ :あらあら。私の鑑定は信用がないみたいですね〜。
クーン :そんなことはないが……。
マッコイ :……えーと、土下座っすか?
レイディア:今更そんな心の狭いことは言わないわ。(本当なら土下座するの私だしね。)
放課後電磁波クラブの格好で昼の大通りを練り歩けとも言わないし。
クーン :き、鬼畜か、おのれは。
フィーナ :それは楽しそうですよね。見る分には。
ディケイ :レイディアさん、嘘つきじゃなかっただけでなく、心が広いっすね。
マッコイ :疑ってしまってすみませんでしたっ!
レイディア:その代わり、お願いがあるの。
ディケイ :お願いっすか?
マッコイ :な、何でしょう?
レイディア:ギルド内に、失われた魔法を研究したりする学生サークルを立ち上げるわ。
ディケイ :……お、大きく出たっすね。で、僕らは何を?
レイディア:2人とも入って勧誘して。メンバーへの見返りは、有料の古文書等販売と、
無料の鑑定と、私主催でやる、失われた魔法の研究会の参加権。
2人は栄えある会員ナンバー2と3を授けるわ。今なら番号一桁よ。
マッコイ :僕ら自身はそんなにお金ないんですけど、会費とか要りますか?
レイディア:一切不要。ただ、冒険に必要な品、特に、残り精神点の少ない魔晶石を
供出してほしい。必要な物は市場価格で買い取るわ。
あと、やっかいごとの相談は、直接の相談だけなら無料よ。
秘密は守るし、相談だけなら損はしないわ。
ディケイ :レイディアさんには失礼ですけど、話がおいしすぎる気がするっす。
レイディア:早い話が、メインは物品の有料交換で、研究会はオマケよ。
販売についても、正直、持ちつ持たれつなんだけどね。
レベルが上がってくると、精神点1点や2点で唱えられる魔法が増えてくるし。
フィーナ :その1点や2点が冒険では、ときに致命傷になるわけですよね〜。
レイディア:その通りっす。
フィーナ :学生は寝れば回復しますから、魔晶石はさほど必要ではないですからね。
クーン :面白い話してるな。俺も入れろ、っていうか入れてください。
レイディア:クーン先輩ですね、よろしくお願いします!
マッコイ :(いきなり凄い人が入ったなー。)
ディケイ :魔法使えなくても、馬鹿にされないですか?
レイディア:大歓迎。むしろ、魔法使えるのに馬鹿にされてた私よりマシよ。
フィーナ :私も入れてくださいます?
レイディア:超大歓迎っすよ!
ディケイ :レイディアさんの目の色が変わったっす。
マッコイ :ディケイ。先輩方の目の色も変わってるぞ!
ディケイ :そうだな。これは入らないと損みたいだ。
マッコイ :じゃあ、入れてください!
ディケイ :お願いします!
レイディア:歓迎するわ。2人は新規メンバーの勧誘よろしくね。
クーン :早速だけど、古文書今持ってるか? ……いや、持ってますか?
レイディア:こんなのでよろしければ。
クーン :どれどれ? 内容はそうでもないが、本物だな。いくらですか?
G M:市場価格は、普通に売れば400程度です。市場で買えば800ですね。
レイディア:それは200です。
フィーナ :200とは……年代物とは思えない安さですね。
クーン :その程度なら即金で払えるぞ。では、これでよろしく。
レイディア:ありがとうございます。(まあ、最初のは宣伝も狙ってるし。)
フィーナ :危険なお仕事だと思いますが、そんな値段でいいんですか?
レイディア:この程度ならたくさん持ってるんで。レアなのは相応に高いですが。
フィーナ :今度私にも見せてくださいな〜。現金の奨学金も相応にありますから。
レイディア:はい。よろしくお願いします。
マッコイ :凄い……あの横暴で知られるクーン先輩が。
ディケイ :あのガリ勉のフィーナ様に至っては、4年目の特待だしな。
レイディア:(忘れられがちだけど、私も3年目の特待っすよ……。)
フィーナ :小声で陰口叩いてる暇があったら勉強したらどうかしら、先輩?
ディケイ :き、聞こえてるし! ……って、せ、先輩?
フィーナ :あなたは会員ナンバー2でしょう? 先輩だと思いますよ。
クーン :……。←夢中で古文書を読んでいる
ディケイ :……信じられん。あのガリ勉のフィーナ様の先輩か。
マッコイ :早速、入ってよかったんじゃないか?
レイディア:じゃ、部長として、2人に勧誘をお願い。経過と結果の報告お願いね。
ディケイ :了解っす。
マッコイ :お安い御用です。
レイディア:最初だから申し込みの大体の時間と順番、メモしといてね。
クーン :レイディア、さん。俺の友達にあんたの同期の特待いるんだけど……。
レイディア:ええと、その方にもどうぞよろしくお伝えください。
クーン :わかった。つたえと……きます。
フィーナ :レイディアさん。今持ってる古文書は先に私に見せてくださいね〜。
クーン :お前、堂々と抜け駆けする気か。
フィーナ :あらあら、また私の勉強の邪魔をするんですか?
クーン :わ、悪かった。譲るから譲るから!
レイディア:ええと、大半は仲間に預けてるんで、また持ってきます。
フィーナ :よろしくお願いしますね。他の特待生を追い抜くチャンスですし。
レイディア:了解しました。
ディケイ :(さすがフィーナ様……向上心もハンパないっす!)
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