馬鹿−Baka−








G   M:レイディアはフィーエルを連れて行く許可を得るため、
      ブリュワー師の研究室へ。
      ちょうど、ブリュワー師と話すフィーエルの姿もあります。

フィーエル:ですから、学問、学ぶため、実際、実地、したい、です。

レイディア:失礼します。レンドルフ導師門下レイディアと申します。

ブリュワー:ああ、レンとこのか。……あー、思い出した。
      特待の癖にサボり魔の奴だ。もうちょっと真面目に講義出ろよ。
      ……して、今日は何の用かね?

レイディア:かくかくしかじかで、レン師にフィーエルさんのことを頼まれた次第です。
      そのことについてブリュワー師のご意見を伺いたく参上しました。

ブリュワー:フィーエルならこいつだが……。

レイディア:(うわ……ほんとに賢そうな顔してる……。負けたどころの話じゃねえ。
      うわぁ……すげぇ…………こりゃあほんとに綺麗だわ……。)

フィーエル:(レイディアに向き直って)こんばんは。ブリューエル師門下、
      フィリュワー、申します。(ぺこり)…………あ、あうー??

ブリュワー:正しくは、ブリュワー門下のフィーエルね。
      あと、少なくとも昼の挨拶は「こんばんは」じゃないよ。
      …………君、何泣いてるの?

レイディア:いえ、目にゴミが。(……こんな奴に抜かれかけてるの、私は!?(泣))

ブリュワー:見てのとおりの有様だよ。こう見えて勤勉だし魔法も使えるんだが……
      そうか、君も使えるよな……ハハハ……。
      君ら、足して2で割りゃあいいのになあ……ハハ……うまくいかんもんだ。

フィーエル:それ、名案!
      早速、その足して2で割る、やり方、ご教授、願います!

レイディア:……頭が痛いので退出させていただいてよろしいでしょうか?(泣)

ブリュワー:いや、気持ちはわかるが待ってくれ。
      フィーエルもしゃべりさえしなければ最高の魔術師なんだよ。
      な、わかるだろ!? こんな賢そうな顔見たことないだろ!?

レイディア:は、はぁ……。(……なんすか、それ……(泣))

ブリュワー:正直言って、こいつが共通語すら読めないと知ったときには
      目の前が真っ暗になった。でも、頑張って覚えたんだよ。
      そいつが今や外の世界に出たいと。
      そんなこと言うようになったのは嬉しいが、
      入学時から面倒を見てきたワシとしては、心配で心配で。

フィーエル:先生、いい人。

レイディア:彼のご家族はどのように……?

ブリュワー:一切特別扱いするなと、入学時に。
      本人が出て行きたいって言ったら出しても出さないでもいいし、
      才能がなかったら放り出していいって。

レイディア:……彼に才能が……?
      まさか……知らなかったとかじゃ……ありませんよね?

ブリュワー:そのまさかだという説が、導師連中の間では有力だよ……ハハハ……。

フィーエル:???

ブリュワー:そこで首をかしげるのはやめてくれ。
      わからないときはできる限り無表情でいるようにと教えたろう?
      そして、周りの大人が何をしゃべってるか
      わからないときは、君はしゃべらない。いいね?

フィーエル:(口を結んで……「こくん」とうなずく。)

ブリュワー:……わかったらしゃべっていいんだがね……ハハ……。
      (レイディアに向き直って)
      ……で、一緒に行くのは誰と誰だったかね?

レイディア:私と、フアナ、トゥエリ、ディースあたりになる予定です。

ブリュワー:(小声で)ディース……って誰だ? 聞いたことはある気が……。
      ま、覚えてないということはその程度か。
      トゥエリは……まだいいとして、フアナはものすごく痛いな。
      こりゃ、ギルティア泣くなぁ……。
      (レイディアに向き直って)フアナのことなんだけど、
      ギルティア師の許可は得たのかい?

レイディア:いえ、まだですが……。(……私は痛くないんすね……(泣)。)

ブリュワー:……まあ、フアナもあれで変なとこあるしなあ。エルフだし。
      トゥエリあたりがいれば多分大丈夫だろうけど……。
      (しばらく「うーん」と考え込んで)
      ……ワシがフィーエルを抑えとくのも限界だし、彼のことをよろしく頼むよ。
      彼の金銭の管理は君に任せよう。
      ここに彼の母親が入学時に持たせてた2200ガメルがあるので預けておこうか。

レイディア:(に、にせんにひゃくぅ!? お小遣いってレベルじゃねーぞ!)
      ……必ずブリュワー師のご期待に添えるよう、全力を尽くします!
      (だ、だいじょうぶかなぁ……。すごいの背負わされた気が……。(汗))

ブリュワー:頼んだよ、レイリア君。

レイディア:(レイディアっす……。(泣))





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