カルテット!
G M:かくして、鳩が廊下を飛び回ってるわけですが。
フアナ :……後始末は、嫌い。
トゥエリ :だったら、最初からやめときましょうヨ。
ディース :俺もいちぬーけたっ。
レイディア:あんた、やりなさいよ。ちゃんとやったら肩もましてあげるから。
トゥエリ :はぁ。(嘆息) わかりましたヨ。
ディース :すげーな、お前。もみまくりか!
トゥエリ :は、はぁ……。
ディース :どんな感触? デブの男と同じって本当?
レイディア:肩だから! 肩の話だからっ!
フアナ :……うふふ。
G M:そして、騒ぎを聞きつけたのか、ローディスの部屋の扉が開きます。
ローディス:……この集団と、あの鳩はなんなのさ?
レイディア:安心して。不審者の件は解決したわ。
ローディス:そう。……悪いけど、あの鳩の件もお願いね。
レイディア:私に任せておくといいわ。
ディース :じゃ、さっさと片付けてさっさと行こうぜ。
レイディア:待って。師匠がいる人間は、話通しとかないと。
ディース :仕方ねーな。とっとと行ってくるよ。(と言いつつダッシュ)
トゥエリ :あ、行っちゃいましたネ。
レイディア:見習い一般生の癖に、師匠いるわけ? けっこう優秀?
フアナ :……ディース・ブリガンディス……コーウェルんとこのハズレくじ。
レイディア:コーウェル……顔が出てこないんだけど。
トゥエリ :今期一緒に取ってる、四大魔法(T)の教授デスよ。
レイディア:そ、そのくらい知ってるわよ! 試しただけなんだから!
フアナ :……ディースは、精神年齢の低さで有名……。
レイディア:エス■ークスの文具一揃いでも持って来てるのかしらね。
トゥエリ :それは逆におっさんだと思いますヨ。
レイディア:とにかく、今のうちにレンに話通しとくから。
トゥエリ :なら、私も一緒に。
レイディア:あんたはいらないから、フアナ見てて。
トゥエリ :わかりましたヨ。私は後で挨拶だけしておきます。
G M:場面は学院。レイディアの師匠であるレンドルフ導師の部屋へ。
レンドルフ:話はわかりました。学籍は残したままにしておきましょう。
レイディア:あとトゥエリも連れて行きます。フアナとディースも。
レンドルフ:君自身がそうしたいのであれば、構いませんよ。(にっこり)
トゥエリ君は、彼が望むならそれでいいでしょう。
ディース君は元々そういう生き方を希望していましたし、
コーウェル師も覚悟はしていると思います。
ただ、フアナ君はギルティア師が期待していましたから、
反対されるかもしれませんね。
(ふと何かに気付いて)……あ。もちろん私は君やトゥエリ君にも
大変期待していましたし、それなりに結果を残してくれていると思っていますよ。
レイディア:(師匠、あいかわらずフォロー下手っすね……。(泣))
レンドルフ:他の連中は君が全く使えないと言うけど、私はそこまで思いませんよ。
レイディア:すみません。もういいっす。(泣)
レンドルフ:そういえば、しばらく前に『例の』フィーエル君がですね……。
レイディア:フィーエルというと、『あの』…………ですか?
レンドルフ:多分『その』フィーエル君ですが、冒険に出たいと言い出してですね。
レイディア:……い、行ったんっすかっ!?
レンドルフ:いや、1人じゃ絶対無理だってステュワード師の許可が下りなかったんだけど、
『彼』はあれでなかなか頑固らしくてね。
レイディア:……もしかして、噂の『アレ』を連れて行けと?
レンドルフ:同じ危険なら、人数がいた方がお互いのためでしょうしね。
レイディア:でも、戦力になるんっすかね?
レンドルフ:ええと、成績そのものは君とそう変わらないよ。
(ふと何かに気付いて)……あ、まあ、君の場合はかなり手を抜いてるから、
別に君に才能がないというわけでは……。
レイディア:(師匠、そんなに私が嫌いっすか……?(泣))
レンドルフ:……あ、と、とにかく、人数が決まったらまた来てください。
私は冒険者の店への紹介状書いておきますから。
レイディア:お願いします。
G M:さて、トゥエリとフアナも寮を出て学院の建物に移ったわけですが。
フアナは退屈なのか、また錠前をかちゃかちゃやっています。
そこにディースが出くわします。
ディース :おー。こっちは終わったぞ。
トゥエリ :早っ!
G M:そこに、偶然ギルティア師が通りかかります。フアナの師匠です。
ギルティア:フアナ、そんなところにいたのか。
フアナ :こんにちは、ギルティア師。(かちゃかちゃ)
ギルティア:フアナに頼んどいた論文の校正のことなんだが……。
フアナ :……56ページの4行目、72ページの下から4行目、
103ページの19行目にスペルミス……。
190ページ前後は字が汚くて読みにくかった……半分寝てた?
……多分いろいろ間違ってるから、書き直したほうがいいかも……。
以上、いつもの外よりの右の上から2番目の引き出しにメモ……
(かちゃかちゃ)213ページ……いや、212ページより先は、
わたしの知識では理解不能……申し訳ない、みたいな……。(かちゃかちゃ)
ギルティア:ありがとう。フアナのような優秀な学生に恵まれて、
私は幸せだよ。(満面の笑顔)
ところで、さっきから鍵で遊んでるが、また暇つぶしかね?
フアナ :……マイブーム……何秒でできるか挑戦中……。
ギルティア:そうか。フアナは『非』実用的な技術にも興味があるんだね。
フアナ :……さっき、学院を出て冒険者になるって決めたから……実用的……。
ギルティア:そうかね。頑張ってくれたまえ。君にはきた……って……え?
フアナ :……休学して冒険者になる……今まで、ありがとう……。
G M:……ギルティア師、ショックで仰向けに昏倒しました。白目むいてます。
フアナ :……師匠……無理しすぎ……かわいそうに……。
ディース :(いや、いくらなんでも俺にもわかるぞ。お前のせいだ……。)
トゥエリ :(ギルティア師、そんなにショックだったんですか……。)
ディース :(エルフは賢いもんなー。こいつはおっぱいでかいし。)
フアナ :こんなところで寝たら……風邪ひく……。
師匠の足を持って、仮眠室に運ぶ。
ディース :おい! 頭こすってるぞ、頭!
フアナ :……気にせず、淡々と進む。
トゥエリ :ギルティア師の髪が減りそうなので、慌てて上半身を持ち上げますヨ。
ディース :それは俺にやらせろ。ぴーぽーぴーぽー……って、懐かしいな。
トゥエリ :何デスか、その『ぴーぽー』というのは?
ディース :やんなかった? こうやって2人で運んで、最後は女子トイレに投げ込む!
もがいて脱出しようにも空中だからな。下手したら頭打つし。くししし。(笑)
トゥエリ :何という恐ろしいことを……。
フアナ :……それ、面白そう。(にやり)
トゥエリ :投げ込んじゃ駄目デスからね!
G M:かくして、ギルティア師は2人に運ばれていくのでした……。
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