お嬢様はレズ
G M:レイディアとトゥエリは仲間を探します。
トゥエリ :で、もちろん当てはあるんデスよね?
レイディア:むさいのもアレだし、女の子がいいわ。
トゥエリ :……。でも、女性の学生自体がそれほど多くないデスよ。
レイディア:見習いなら女も多いわよ。あと、理由にはツッコミないわけ?
トゥエリ :さっきからツッコミどころ満載で、もういっぱいいっぱいデス。
レイディア:ふん、悪かったわね。で、そっちは何人知ってるの?
トゥエリ :学生で私が知ってる戦える女性となると、アリエルとローディスしか。
レイディア:それじゃ私が知ってるのと変わらないじゃないのよ。
トゥエリ :寮がレイディアさんと同じのデスからね。交友関係も自然と。
レイディア:それもそうね……寮はアリエルが5階、ローディスが3階か。
トゥエリ :その辺りの人とは仲良くしてるんデスよね。
レイディア:当たり前よ。3階は男子入れないから、最初にアリエル仲間に入れて、
アリエルと2人でローディスの説得にあたるわ。
トゥエリ :アリエルが仲間になるのは前提なんデスか?
レイディア:男嫌いっぽいところもあるけど、アリエルは女の子には優しいから。
トゥエリ :……レイディアさんが言うんなら、確かなんでしょうネ。
レイディア:じゃ、行くわよ。
G M:では、寮の5階、アリエルの部屋にやってきました。
アリエル :ああ。いらっしゃい、レイディア。
レイディア:この前は世話になったわね。
アリエル :ああ。わからないことがあったら、僕が何でも教えてあげるよ。
レイディア:……あのね。今日はアリエルにお願いがあってきたの。
アリエル :古代王国の遺跡の件だね?
レイディア:なっ、なんで知ってるのよ!!?
アリエル :次の講義まで時間あるよね。中でゆっくり話そうよ。
レイディア:そ、そうね。トゥエリも来なさい。
アリエル :あいにく、男性は立入禁止なんだ。悪いね。(きっぱり)
トゥエリ :いえ、普通はそうでしょうし……。
アリエル :(部屋から本を5冊ほど取り出して)キミは好きなのを読んでいてくれないか。
なかなかに興味深い発見があるかもしれないよ。
トゥエリ :ふむふむ。魔力的側面からみた創世ですか……これは素晴らしい本デス!
アリエル :なんなら、部屋に持って帰ってもらっても構わないよ。
明日の昼に返してくれればいいから。
トゥエリ :ありがたい。是非そうさせてもらいますヨ!
レイディア:あー、呼びに行くのめんどいから、ここで読みなさい。
トゥエリ :わかりました。
アリエル :仕方ないね。レイディア、入って。
G M:では、部屋にレイディアが入り、3重の扉が全て閉められます。
レイディア:……さっすが5階。警備が違う。
アリエル :貴族の子弟用のフロアだからね。それに、5階だけは男女とも入れるから。
レイディア:男と同じ階って、嫌じゃない?
アリエル :それを言うなら、男と同じ寮なのがおかしくないかい。
レイディア:女の学生が少ないから、仕方ないじゃない。
アリエル :いつかきっと、女子だけの寮ができる世の中になると思うよ。
レイディア:私たちの時代になってくれなきゃ意味ないけど。
アリエル :ははっ。違いないね。
G M:ここで、レイディアは、冒険者レベル+知力ボーナスでチェックを。
レイディア:え? え? (ころころ)10ね。
G M:広いベッドや衣装ケースまである部屋です。
広さは一般寮生の2倍程度でしょうか。
床には、今しがた脱ぎ捨てられたばかりであろう服もあります。
レイディア:だらしなー。私も人のこと言えないけど。
アリエル :ははっ。お客さんが座る場所が無いから、ベッドにでも腰掛けてくれないか。
レイディア:なら、座る。
G M:大変座り心地のよいベッドです。おそらく一級品でしょう。
そして、アリエルも横に座ります。
アリエル :僕も今夜は空いてるから、一緒にお酒でも飲むかい?
レイディア:うん! たまには人と飲むのも悪くないかも。どこで飲む?
アリエル :ここ。家のワインセラーから、いいのを持ってこさせるよ。
レイディア:!! 持ってきて持ってきていいの持ってきてっ!!!
アリエル :ははっ。お酒はほどほどにしなよ。
レイディア:あんたが誘ったんだろうが。
G M:その言葉を聞いて、アリエルはレイディアをやさしく抱きしめます。
レイディア:ちょ、ちょっ……。
アリエル :いい香りだ。僕はこれに誘われたのかもしれない。
G M:優しく押し倒されたくなければ、冒険者レベル+筋力ボーナスで抵抗を。
レイディア:ちょっと、女同士なんだけど!?
アリエル :女同士の方が美しいと、僕は思うな。
レイディア:あんたの好みは聞いてない!
アリエル :少し手加減して、あくまで優雅にいこうか。(ころころ)11だ。
レイディア:(ころころ)7。……ちょ、ちょっと、待ちなさいよ!?
G M:ベッドの上に押し倒されました。
アリエルの端正な顔と、ごく普通の天井が見えます。
アリエル :嫌なら大声を出せばいい。部屋の外までは聞こえないけど、
僕は嫌がっている子に手を出す趣味はないから。
G M:ここまで来ると、先程床に落ちていた服が、
『脱ぎ捨てられたばかり』だったことを思い出しますね。
レイディア:ああっ、私としたことがなんてミスを……!!?
と、とにかく、抵抗の意思を示せばいいのね!?
G M:アリエルの赤い瞳を見ながら彼女の言葉を聞いていると、
次第に体が言うことをきかなくなってきます。
まるで、彼女の言葉が魅了の魔法であるかのように。
言葉を発することもできません。
鼓動が早まり、瞳は潤み、体の力も抜けていきます。
あたかも、体はそれを求めているように。
アリエル :悪くないだろう?
レイディア:(悪くないわけないし! ていうか、それは反則だろ!)
アリエル :大丈夫。僕に任せて。
レイディア:(まっ、任せられるかーっ!!)
G M:これは魔法ではなく彼女の魅力の発現ですので、この段階で抵抗できます。
抵抗できれば動けますが、抵抗できなければ効果が持続します。
レイディア:(いきなりこの展開はシャレにならんだろ!)
G M:アリエルの達成値は(ころころ)1ゾロですね。失敗です。
ふと気付くと、ひきつった笑いを浮かべるアリエルの目線の先に、
クローゼット。
クローゼットの中には、体にシーツを巻きつけた女性が仁王立ちです。
おそらくは、先程の服の持ち主でしょう。
アリエル :……や、やあ。
ルコ :私のこと忘れてたんじゃないでしょうね!!?
アリエル :わ、忘れるわけなんてないじゃないか。
G M:ちなみに、集中が乱されたので、レイディアの呪縛は解けました。
レイディア:危なかった……。
ルコ :私の他に4人もいるのよ! これ以上増やす気!?
アリエル :僕はみんなが好きだ。でも、ルコのことは一番好きだ。
ルコ :シエナにも同じこと言ってるでしょ! この前聞いたんだから!
アリエル :違うよ。シエナには、大大大好きって言ったんだ。
ルコ :やっぱり同じようなこと言ってるんじゃないのよ!
アリエル :(ルコを抱きしめながら)僕の腕は2本だけさ。この腕は嘘をつかないよ。
ルコ :……うん。
レイディア:納得するのかよ!!
ルコ :(向き直りつつ)特待生のレイディアね。アリエルは渡さないから。
レイディア:そんな趣味ねーよ!!
アリエル :じゃ、続きをしようか。
ルコ :……うん。
レイディア:何やってたんだよ、お前ら。
アリエル :ふふっ。愛ゆえに人は……。
レイディア:……じゃあね。お酒の話はなかったことで。
アリエル :ま、待って。紹介するよ。こちらルコ・ウェ……。
レイディア:せんでいいっ!!!
レイディア:……もう3年いるけど、身近にあんな魔境があったとは。
トゥエリ :あ、早かったデスね。交渉はどうなりましたカ?
レイディア:……ま、まあまあ、かな?
トゥエリ :それより見てくださいよ、この本!
ここですよ、ここ。『神々が世界を創り、そのときに』……。
レイディア:(サソリ固め食らわされたいのか、ああ?)
トゥエリ :そ、そ、そのときに……?
レイディア:?
トゥエリ :あの……言いにくいんデスが……胸のボタンが……。
レイディア:あぁ? ……ぎゃあぁぁぁーっ! いつの間に外したぁーっ!?
トゥエリ :わ、私じゃないデスよ!!
レイディア:誰がお前に外さすか! アリエルに外された!
トゥエリ :や、やっぱりそういうことやってたんデスか!
レイディア:誰がやるか!! ……ん? やっぱりって、何?
トゥエリ :アリエルといえば、日替わりで女生徒を部屋に連れ込んで……。
レイディア:(殴りながら)そういう大事なことは先に言えよ!
トゥエリ :(殴り飛ばされながら)ぐはっ!
レイディア:ついでにサソリ固めを。
トゥエリ :うぎゃーっ!
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