汗だく接待 汗だらけの服








G   M:3年前、ルコとアリエルが仲良くなる前の話。
      アリエルの部屋のベッドに腰掛けて、2人が話しています。

アリエル :そうかい。それは大変だったね。

レイディア:まったく、失礼にも程があるわ。これだから一般生の男は……。

アリエル :僕も一応、一般生なんだけどね。

レイディア:……あ! 違う、アリエルは違うのよ! 貴族だし、綺麗だし!

アリエル :ふふ、ありがと。

レイディア:……私も、アリエルみたいになりたいなぁ……。

アリエル :どうして?

レイディア:だって、貴族だし、綺麗だし、胸大きいし、勉強できるし、強いし……。

アリエル :ありがとう。でも、レイディアも充分素敵だよ。

レイディア:もう。やめてよ。アリエルに言われたら、惨めになっちゃうから。

アリエル :そんなことないよ。……あ、話は変わるけど、その服……。

レイディア:私の服? ごめんね、こんなボロいのしかなくて。

アリエル :素敵な服だな、って思って。

レイディア:え? やめてよ、これ、自分で縫ったのに……。

アリエル :自分で!!!?

レイディア:ああ、うちって、お母さんいないから。

アリエル :そうだったよね。でも、普通の服に見えるけど。

レイディア:私不器用だから、毎日ちょっとずつやって、1ヶ月かかったけど……。

アリエル :そ、それは凄いね。よかったら、昔僕が着てた服と交換してもらえないかい?

レイディア:……な……う、嬉しいけど、何で?

アリエル :ああ、遠縁に、平民の手作りの服をほしがっている子がいてね。

レイディア:……?

アリエル :僕は体が大きくなるのが早かったから、あの服はもう着られないし。

レイディア:……でも、もらえるのって貴族の服でしょ? 私なんかのでいいの?

アリエル :ああ、もちろんさ。

レイディア:……ありがとう!! 大事にする!!

アリエル :もう1着ある?

レイディア:うん。あと1着だけ。

アリエル :そっちもお願いしていい?

レイディア:うん。本当にいいの?

アリエル :ああ。

レイディア:じゃ、部屋行って洗って……。

アリエル :待った!!!

レイディア:な、なに!?

アリエル :今ここで着てみてほしいな。服はここにあるからさ。

レイディア:わかったわ。

G   M:無事、着ることができます。もちろん、胸がかなり余りますが。

レイディア:こ、高級すぎて似合わないような……。

アリエル :そんなことないよ。早速、ローディスに見せてくるといい。

レイディア:そ、そう?

アリエル :今までの服と似たようなのも、別にこちらで用意しておくから。

レイディア:そう? じゃ、これは持って帰って洗濯……。

アリエル :しないでいいよ。そのまま置いていってくれれば。

レイディア:……ここだけの話、それ、3日目なんだけど……。

アリエル :ああ、雨が続いたからね。仕方ないさ。晴れたらメイドに洗わせるから。

レイディア:でも、そろそろ止みそうだから。さすがに、洗濯しないと悪いし。

アリエル :じ、実は! とても高級なワインを仕入れててね!

レイディア:!!!

アリエル :すぐに持ってこさせるから、それ、もう1着に着替えてきてくれるかい?

レイディア:でも、まだ雨が……。

アリエル :湿度が高いほうが、香りがわかりやすいさ。

レイディア:それもそうね。じゃ、着替えてくるわ。

G   M:レイディアは、あっという間に部屋を出ました。

アリエル :こ、高級なワインをなんとかしないと……。





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