ひみつのチュートリアル−1
G M:今回は、ひみつのチュートリアルということで、
特殊な能力を使った判定のチュートリアルをご案内します。
メンバーは、はるひちゃん、アキラ、ハジメで。
はるひ :ま、まだありましたのね。
ハジメ :キシシシ。美しい女王様のためでしたら、たとえ火の中水の中。
はるひ :おーっほっほっほっ。あなた、よくわかってますのね!
アキラ :……。
G M:さて、皆さん、自分の能力を紹介してください。
はるひ :わたしはアメを出せますわ。 ←えっへん
アキラ :……ミョルニルに、雷……。
ハジメ :僕は漢字が読めます。地味ですが、なかなかに便利ですよ。
G M:皆さんの持つ夜想曲(ノクターン)は、いわゆる特殊能力です。
とはいえ、必ずしも超能力であるとは限りません。
ハジメのように、大人ならば普通にできることができるだけの場合もあります。
また、武器に雷をまとわせることができるアキラの能力は、
大人がスタンガンを使えばほぼ再現できます。
アキラ :……。
G M:このように、レベル4(フォー)以下の低位能力は、
大人なら再現できるか、極めて限定的な状況でしか発揮されない超能力のどちらかです。
はるひ :あんまり役に立ちませんのね。
アキラ :……。
ハジメ :キシシシ。これは手厳しいですね。
G M:とはいえ、ピコピコハンマーがスタンガンに化けると思えば十分強力ですし、
相手の武器がプラスチックソードとかですから、十分強いんですよね。
なお、戦闘では、技登録時にレベル×10点の能力コストを支払えば、
その戦闘中ずっと、その能力を用いた攻撃について、攻撃力がレベル分上昇します。
リーズナブルに攻撃力が上がる、戦闘系能力者の特権ですね。
ハジメ :つまり、役割分担ということですね。 ←メガネの位置を直しながら
G M:早い話が、その通りです。
はるひ :なら、こうげきとおべんきょうはまかせましたわ!
アキラ :……まかせて!
ハジメ :キシシシ。お安い御用ですとも、女王様。 ←メガネの位置を直しながら
G M:なお、能力の行使には媒介が必要です。この媒介が自分自身っていう園児もいて、
例えば、はるひだと媒介は自分の手ですね。
3人とも媒介を失う状況はまずないので、普段は気にしないでいいです。
アキラの場合は『武器に雷をまとわせる能力』なので、
何らかの武器は必要ですが、まず大丈夫でしょう。
はるひ :アメは、なんこまで出せますの?
G M:常識の許す限り、です。
だからこそ、『ひじょうしき』ステータスが高いと、能力が強いわけですね。
結局、常識的に考えて出せると思った数まで、ということになります。
はるひ :ぎゃ、ぎゃくにむずかしいですわね……。
G M:はるひちゃんのアメを召喚する能力のように、大人でも物理的に不可能な能力は、
最低でもレベル5(ファイブ)。つまり、『ひじょうしき』が5以上です。
『ひじょうしき』ステータスが5のはるひちゃんは、
中位能力者の中では、一番常識があるってことですね。
まあ、召喚できる個数を気にしているうちは自然に上限が低くなります。
ぶっちゃけ、アメ召喚の能力者でなくても、アメ玉だけなら市内のコンビニから
物理的にかき集めることもできなくもありません。
能力さえ知られていなければ、アメを取り上げられても戦えますし、
残弾を気にしないでいいという強みはありますが、そこで終わってはそれまでです。
能力の特性を理解して、どう扱うかが重要になってきますね。
はるひ :む、むずかしいですわ……。
ハジメ :ふむ。つまり、使いこなすには僕のような補佐が必要ということですね。
はるひ :あなた、バカにしないでくださる!? そんなの一人でできますわ!
ハジメ :いえ、もちろん女王様にもできますが、お手を煩わせるのも忍びないのです。
部下を使った手柄は全て女王様の物ですので、どうか僕達下々の者にお任せください。
アキラ :……おまえに言われなくても!
はるひ :そこまで言うなら仕方ありませんわ。 ←えっへん
G M:では、早速ミッションをお願いします。
ここに、画面に指令が表示されたデスクトップPCがありますので、
はるひ :おーっほっほっ。どんなしれいか知りませんけど、わたしの出番ですわね!
G M:こんな文章が表示されています。
『指令 機密情報是失うまいと専ら破壊是任務成と全うし
速やかに情報漏洩防止の為、是を破壊す可し』
はるひ :うまい、とらと、うしや、かにの、おすし……おすしを探せばいいんですのね!
アキラ :……。 ←目を閉じて、うなずいている。
はるひ :トラって、おすしにして食べられますの?
ハジメ :……ッ。 ←笑いをこらえている
アキラ :(1こなのか、それとも、べつべつのおすしなのか……。)
はるひ :トラなんか一番下でいいですわよね。海の生き物のカニが一番上で。
でも、トラの下だと、ごはんがいっぱいいりますわね……。
アキラ :そのまま!?
ハジメ :……ぶっ!!! ←我慢しきれずに吹き出した
はるひ :な、なにがおかしいんですの!?
(やっぱり、読めないところもとばさずに、てきとうに読むべきでしたのね!)
ハジメ :じょ、女王様。こういった面倒な宿題は、どうか僕にお任せください。
はるひ :……ま、まかせましたわ!
ハジメ :さて。僕の能力なら、判定は不要ですよね?
G M:もちろんです。この程度なら、意味も完璧にわかりますね。
ハジメ :指令、機密情報これ失うまいと、専ら破壊活動これ任務と全うし、
速やかに情報漏洩防止のため、是を破壊すべし。
つまり、重要な秘密の情報を取られないように、壊すのが任務と
割り切って、早くこの機械を壊してくださいという指令です。
はるひ&アキラ:……。
はるひ :あなた、すごいですわ!! ごほうびに、アメをいっぱいあげますわよ!
ハジメ :ありがとうございます、女王様。
G M:はるひが合わせた掌を上向きに開くと、そこには両手いっぱいのアメが。
レベル5(ファイブ)ですので、能力を自覚すればこのくらいは造作もありません。
はるひの手がふさがっているので自分で取る必要があると判断し、
ハジメはいそいそとアメをしまいこみます。
アキラ :……。
G M:さて、今回の文章読解のように、能力がないとそもそも無理な行為もあります。
『立入禁止』やドアの『押す』とか『引く』程度なら、周囲の状況から判断したり
思い出す余地もあったりしますけど、複雑な文章は漢字を理解できないと読めません。
『リトルグラフ』の機能のうちのいくつかは漢字の読解能力が必要ですし、
漢字が読める人員は、配下に最低1人は欲しいところですね。
とはいえ、漢字が読めるレベル3(スリー)の情報系能力者のハジメには、
指令通りにパソコンを破壊することは難しいでしょう。
戦闘系能力者でなくても破壊を試みることは可能ですが、
『ちから』が1しかないハジメは、その辺の脇役園児よりも非力です。
次回のパソコン破壊こそ、アキラの出番ですね。
アキラ :……はるひちゃん、まかせて!
ハジメ :女王様、僕に作戦のご提案があります。 ←メガネの位置を直しながら
はるひ :アキラくんはいまいちたよりにならないから、あなたにおまかせしますわ!
アキラ :……!!?
G M:PCデータの破壊というこの上なく向いてそうな作業を前に、
活躍の場を取られそうなアキラ。
そう。「こいつに聞けばなんとかなりそう」という信頼感が、
世の軍師たちの権限を大きくしてきたのです。
果たして、アキラの活躍の場はあるのでしょうか!?
続きます。
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