成功判定のチュートリアル−2



G   M:部屋の中央の高いところには天井からひもで吊るされた一房のバナナ。
      部屋の隅にはわりと大きな木箱。そして、バナナの下には棒切れが。
      ひもに向かってアメを投げてはみたものの、命中したけれどひもは切れませんでした。

はるひ  :……ヒ、ヒントとかはありませんの?

G   M:成功判定には、そういった使い方もできます。
      かしこさを基準能力値として成功判定してください。
      成功度によって、GMはアドバイスを送ります。

はるひ  :(ころころ)おーっほっほっほっ! 6ですわ!
      回しますわよ! (ころころ)5ですわ!

G   M:そ、そんなバカな……。合計が13ですね。
      さて、この判定では、難易度を決定していませんでした。
      こういう、自力で気づく可能性があることにヒントが与えられるかどうかの判定などでは、
      そういうこともありえます。
      本来自力で気づいてもいいことですので、気づかなかったペナルティとして
      難易度は高めになるんですが、仮に難易度13だと、一般園児では成功率10%を切り、
      平均的な名のある園児では10%を少し超える程度の成功率です。
      ここまで高い成功値を出せたので、方法については全て教えることにします。
      まず、棒切れをジャンプしながら振り回せば、なんとかバナナに当たるでしょう。
      でも、それだと、バナナがバラバラになるまで叩かない限り、取れません。
      あと、部屋の隅の大きな木箱をバナナの下に持ってくれば、
      バナナのところまで背が届きそうです。
      とはいえ、木箱は重くて、力が弱いと運ぶのは大変かもしれません。
      そして、部屋の隅にあるので、押すことはできません。
      引っ張るにしても、押すよりも力の入れ方が難しいですし。
      あと、バナナを吊るしているひもが、天井や壁を這っているのにも気づきました。
      天井や壁と同じ色が塗られててわかりにくいですが、手の届く壁にも続いています。
      このひもを切ることができれば、バナナは落ちてくるでしょう。

はるひ  :おーっほっほっほっほっ! わたしのかしこさにかかればらくしょうですわ!
      さっそく、かべのひもを引っぱりましてよ!

G   M:成功判定は不要です。
      はるひちゃんがひもを引っぱると、バナナは上に上がりました。

はるひ  :……なら、ひもをぎゃくに引っぱりますわ。

G   M:バナナは元の位置に戻り、それ以上は下がりません。

はるひ  :……わかりましたわ。ひっかけもんだいでしたのね。
      ↑ひもを逆方向に動かせば、バナナが床まで降りてくると思ってたらしい。

G   M:……。

はるひ  :はこを動かしますわ。

G   M:位置的に、押すことはできません。引っぱりますか?

はるひ  :なら、そうするしかありませんわね。

G   M:ところが、引っぱってもびくともしません。
      ちからが2しかない非力な女の子1人では、どうしようもないみたいですね。
      このように、サイコロを振らず、能力値だけで判断することもできます。

はるひ  :これを動かさないと取れないんですわよね。……どうすればいいんですの?

G   M:そこに、扉を開けて、1人の男の子の園児が入ってきます。
      どうやら、一般園児のようです。

はるひ  :わかりましたわ! アメをバナナの下に投げますわ!

G   M:男の子はかがんでアメを拾います。

はるひ  :せなかにのって、ジャンプですわ!

G   M:(この子、色々な意味で酷い……。)
      では、すばやさで判定を。
      成功判定の中には、難易度が不明な判定もありますが、今回もそれですね。
      とりあえず、成功度を出してみてください。

はるひ  :(ころころ)1ですわね。

G   M:出目1は無条件で失敗ですが、致命的失敗ではありません。
      とはいえ、足場が悪いので、転んでしまいますね。
      男の子は、踏まれた瞬間に、落ちてくるはるひを回避する行動に入っています。
      さて、しぶとさを基準に、難易度3の成功判定を行ってください。
      失敗した場合、体が痛くてしばらく動けなくなります。

はるひ  :1が出なければだいじょうぶですのね。(ころころ)6ですわ。
      さすがに止めましてよ。

G   M:では、無事に立ち上がることができます。
      いきなり踏みつけられてジャンプされた男の子は、かなりムッとしている様子ですが。

はるひ  :なんですのその目は。……そうだ、あなた、あのはこを動かしてくださる?
      バナナの下まで動かせたら、アメをあげますわ。

G   M:ちょっと働くだけでアメがもらえるという、魅力的な提案です。
      しかし、いきなり踏みつけられてジャンプされてますので、
      本来の難易度9に、マイナス2のペナルティを与えることにしましょう。
      難易度11と同じになりますが、2人以上いて片方にしかペナルティがかからない場合に、
      こういった個別のマイナス処理が意味を持ってきます。
      基準能力値は、もちろんみりょく。
      一般的な能力だと難易度9でも難しいんですが、はるひちゃんはみりょくが8もあるので、
      難易度11でも楽勝ですね。

はるひ  :(ころころ)2ですわ……。

G   M:いきなり踏みつけたのが悪かったのか、男の子は、言うことを聞いてくれません。
      男の子は、扉を開けて帰って行きました。

はるひ  :役に立たないブタですのね……。

G   M:今回は特別に、助っ人を1人だけ呼んでもいいですよ。
      アキラ、ケン、ふう、ハジメの4人から選択できます。
      似たような能力値構成のふうはあまり役に立たないと思われます。
      やらなきゃいけないことがはっきりしている場合には特化型園児を揃えるという作戦も
      ありますが、1人で打開できない場合に、同じ能力値タイプの園児を呼ぶのは賭けですね。
      ケンはすばやさとしぶとさ特化タイプで、しぶとさは最高値、かしこさもそこそこ。
      とはいえ、すばやさが高いのはかぶってますし、
      しぶとさは、スタミナを使わない場面ではムダになりやすい能力値です。
      アキラはちからが高く、すばやさ、しぶとさ、みりょく、しゅうちゅうもそこそこ。
      反面、かしこさが低いですので、もし彼の力でも箱を動かせなかった場合は、
      次の行動に困ることになるでしょう。
      ハジメは、ひまわり幼稚園の全メンバーを上回るかしこさを持つ、知略タイプの園児です。
      しかも、集中力はなんと最高値で、地道な作業の適性もあります。しぶとさもやや高め。
      反面、ちからとすばやさが最低値で、運動には向かないキャラです。

はるひ  :はんだんがむずかしいから、2人にしぼってくださいませんこと?

G   M:今回は認めましょう。
      ふうは論外、ケンのしぶとさを使う機会があるとは考えにくいので、
      アキラかハジメの2択です。

はるひ  :アキラくんはいまいちたよりになりませんから、ハジメって人ですわね。

G   M:では、特別に呼び寄せますね。
      入り口のドアを開いて、不敵な笑みを浮かべた黒髪おかっぱ頭のメガネ男子園児が、
      メガネの位置を直しながら現れます。
      なお、ハジメの能力値は、ひとまず以下の通りです。
      ちから:1 すばやさ:1 かしこさ:7 しぶとさ:6 みりょく:3 しゅうちゅう:9

ハジメ  :キシシシ。これはこれは、女王様。ご機嫌うるわしゅう。

はるひ  :おーっほっほっほっ。よくわかってますわね!
      あなた、アメをあげますから、あのバナナを取ってくださいませんこと?

G   M:なお、一般園児のようなNPCならともかく、
      みりょくを使った判定で、名のある園児に言うことを聞かせることはできません。
      とはいえ、みりょくの高さ自体がなくなったわけでないことは覚えておいてください。
      みりょくの高い異性には、好感を持つ名のある園児もいるでしょう。
      もちろん、状況にもよるんですけどね。

ハジメ  :……ふむ。僕にかかればお安い御用です。
      箱は動かしてみましたか?

はるひ  :それが、重くて動かせませんの。

ハジメ  :ふむ。まずは、箱の罠を調べましょうか。
      (ころころ)1ですか……まずいですね。

G   M:致命的失敗ではないので、仮に罠があったとして、発動したりはしません。
      もっとも、調べようとして近づくだけで発動する罠の場合は別ですが。

ハジメ  :女王様、まだ調べていないなら、罠の調査をお願いします。

はるひ  :しょうがないですわね……(ころころ)3ですわ。合わせて5ですわね。

G   M:わかりませんね。
      このように、あるかないかわからない物を探す場合には、
      難易度すらわからないことがほとんどです。
      何か見つかれば成功したことはわかりますが、
      見つからなかった場合は、失敗したのか、最初から何もないのかわかりません。

ハジメ  :仕方がありませんね。箱を引いてみましょうか。

G   M:ハジメのちからは1。びくともしません。
      2人で力を合わせたところで、3。
      単純に力を合わせる場合は、能力値の合計で判断することができますが、
      サイコロを振れる場合でも、1回しか振ることができません。
      今回は単純に能力値判断ですので、2人合わせて1人分の力では、どう考えても無理ですね。      

ハジメ  :ここは、頭を使うことにしましょうか。(ころころ)3、合計10です。

G   M:では、ハジメは名案を思いつきました。

ハジメ  :キシシシ。女王様、思い浮かびましたよ。 ←メガネの位置を直しながら

はるひ  :まあ! なんですの!?



はるひの最大の弱点であるかしこさがカバーされたものの、
ちからはとんでもなく弱い2人組です。
さて、はるひたちは無事にバナナを入手することができるんでしょうか!?


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