能力の媒介・制約・限界



今回は、能力の制限について解説しましょう。

能力の媒介



夜想曲(ノクターン)は、媒介がないと発現できません。
童話の魔法使いが、杖なしに魔法を使えないのと同じです。
とはいえ、能力の発現なしに媒介を世界のどこからでも召喚できたり、
媒介が自身の体という術者すらいます。
愛用の道具を奪われれば能力を使えなくなる能力者もいますが、例外も多々あるということですね。



能力の制約



夜想曲(ノクターン)には、能力の発現に制約を持つものもあります。
例えば、呪文を唱えないといけない代わりに、強い魔法が使えるといったものです。
媒介と違い、能力固有の制限というよりは、能力レベルの低さを補うための
理由付けに近い部分があります。
例えば、能力の種類にもよりますが、レベル7の能力者が詠唱してやっと使える能力でも、
仮にその能力者がレベル8なら、無詠唱でそれを上回る威力で使えることもありえます。



能力の限界



他者の固有領域は絶対防御領域であり、たとえレベル9の能力者であろうとも、
能力の発現のみで否定することはできません。
最もわかりやすい固有領域は、術者からみた、他人の生命です。
例えば、致死性の毒ガスを発生させる能力の場合、その能力だけで他人を即死させることはできません。
それどころか、能力者が致死量を吸い込んだ場合、自分だけが死んでしまうことになります。
もっとも、よほどのバカでもない限り、通常は解毒剤やガスマスク、
あるいは能力に付随する解毒能力などを使用するものですが。

とはいえ、魔法使いの杖と同じで、能力に説得力を与えることはできます。
例えば、死神の鎌を召喚する能力の場合、それに切られた者が死ぬこともあります。
切られたという事実が、能力に裏づけを与えるからです。
もちろん、切った者を即死させる鎌の能力単体で、即死させることはできません。
とてもよく切れるので殺しやすい鎌を召喚することは可能ですけどね。



                    ――ある虚言者の記録


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