光使い





「もっと光を」
ドイツの文豪ゲーテが最期に遺した言葉です。
その意味には諸説ありますが、幾多の名言を後世に遺した彼が、
人生の終わりに光を求めたのは確かなのです。



人間は、根源的に闇を恐れます。
火のない時代、暗闇から襲い来る獣に追われていた恐怖が遺伝子に深く刻み込まれているのか、
現代ですら、真っ暗闇の中では眠れないという人も存在します。
部屋の電灯についている小さな明かりは、そういった人たちのためのものという側面もあるのです。



『魔法の光(マジックライト)』



しんどうりなが使用する、生活系レベル2の夜想曲(ノクターン)です。
愛用のカメラから生じる光の持続時間や量など、物理法則に多少の影響を与えます。
能力そのものは超常現象を起こしているのでレベル5以上とも思えますが、
フラッシュの持続時間などはその気になれば機械での調整が可能ですし、
全ての光を操れるわけではないので、レベルは2にとどまります。
そして、所詮はレベル2の低位能力。
光を持続させるといっても1秒未満にとどまりますし、
フラッシュボタンを押しっぱなしにして懐中電灯代わりにすることすらできません。
もっとも、素直に懐中電灯を使えばいいだけの話ですけどね。



とはいえ、カメラのフラッシュは、暗闇の中ですら写真が撮れるというただでさえ強力なものです。
ですから、一瞬の持続時間が一瞬の数倍になるだけであっても、牽制に使うには十分です。
それどころか、視覚に異常をきたした相手であれば、フラッシュの閃光を浴びせることにより、
その回復を遅らせることすら可能でしょう。
特に、幻覚系の能力と組み合わせると、とんでもない力を発揮します。
単体では弱いけれど、手を組む相手によっては強力な力を発揮する。
実に彼女らしい能力であるといえるでしょう。


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