第4話・第9節・タイトル未定





G   M:夜。作戦会議と称するリナに連れられて、ゆうすけは昼間も訪れた民家へやってきました。
      ちなみに、その周辺はボス専用区画で、ボスの許可がない限り、
      近づくことすら許されないそうです。
      さて、二人ともパジャマに着替え、寝る前の作戦タイムです。

リナ   :さっきの、さすがの統率力ね。

ゆうすけ :いや、あやめ幼稚園はリナで持ってる。俺も含めて。

リナ   :んふふ。嬉しいこと言ってくれるわね。

ゆうすけ :……頼みがある。例の運動会で、カードが取れたらでいい。

リナ   :ふうのことなら、お断りかしら。

ゆうすけ :今はふうの話じゃない。

リナ   :(こんな真剣な顔して、もしかして……。)な、何の話かしら? ←赤面

ゆうすけ :もう我慢するのも限界だ。カードが取れたら、つっこませて欲しいんだ。

リナ   :誰にっ!!!?

ゆうすけ :(何でそんな凄い反応なんだ!? まあ、はるひも一緒に寝ることより
      『あ〜ん』の方に気合入ってたりとか、女の子はよくわからないんだが……。)
      そりゃ、一番ははるひだろ……。

リナ   :はるひにつっこみたいぃぃぃ!!!?

ゆうすけ :(なんかまずったか? ……そういや、お笑いを通したコミュニケーションは大事だって、
       誰かが言ってた気がするな……。)もちろん、リナにもつっこみたい!

リナ   :!!! 両方にっ!?

ゆうすけ :ああ。もちろんだ。ヒビキとライムにも、たまに。

リナ   :ヒビキとライムにもたまにぃぃぃっ!?

ゆうすけ :え? あいつらも結構あるよな、つっこみどころ。(まさか、気付いてないのか?)

リナ   :つっこみどころが結構あるぅぅぅ!!!?

ゆうすけ :あるだろ! ヒビキの方が多いけど。

リナ   :ヒビキの方が多いのっ!!!? どこが違うのっ!!?

ゆうすけ :ちょっと待て! なんか、話がかみ合ってない気がする。
      まさか、リナの方がつっこまれてたのか!?

リナ   :ちょっと!! 私のことどう思ってたのよ!!?

ゆうすけ :どっちかというと、リナはつっこむ方だと思ってたんだが……。

リナ   :な、何考えてるのっ!? 大体、どこにどうやってつっこむのよっ!!?

ゆうすけ :え? 忍者服とか、普通に手で……。

リナ   :私は変態じゃないわよ!!!

ゆうすけ :……は?

リナ   :……え? …………。

ゆうすけ :!!  ←気付いて顔が赤くなる

リナ   :……。 ←気付いて顔がもっと赤くなる

ゆうすけ :……で、例の作戦の続きなんだが……。

リナ   :流さないでよ!!!

ゆうすけ :……女の子もエロくないと子供ができなくて人類滅亡するから、リナは正常だ。うん。

リナ   :まだ作れないでしょ!!!

ゆうすけ :……すまん。

リナ   :謝らないでよ!!

ゆうすけ :……どうしたらいいんだよっ!?

リナ   :………………最初は、はるひだったの。

ゆうすけ :……?

リナ   :「ゆうさまがすぐに助けに来てくれますわ!」って。捕まってるときに……。

ゆうすけ :ああ、あの時か……。

リナ   :どんな子か、ずっと気になってたのよ。まさか1人で来るとは思わなかったけどね。

ゆうすけ :かっこ悪いのはわかってるけど、他に思いつかなかった。完敗だった。

リナ   :ううん。かっこよかった。気がついたら、好きになってた。

ゆうすけ :……。

リナ   :ゆうすけのこと考えると、心と体がおかしいの。おかしくなるの。
      はるひの気持ち、よくわかっちゃった……。

ゆうすけ :……。

リナ   :だから、ゆうすけには、他の子としゃべってほしくなくて……。

ゆうすけ :ちょ、そんなことのために!?

リナ   :そんなことって何よ!!?

ゆうすけ :いや、悪い。反乱を疑われてるのかと思ってて……。

リナ   :そうか……そうよね……。

ゆうすけ :話し合ってみないと、わからないもんだな。

リナ   :そうね。……はるひはかわいいし、いい能力持ってる。私じゃ勝てないから……。

ゆうすけ :……客観的に考えると、はるひの能力はあやめ幼稚園にとっては必須じゃない。
      はるひを閉じ込めることだってできただろ?

リナ   :うん。でも、はるひの気持ち、わかっちゃってるから……。

ゆうすけ :いいリーダーだよな。……負けた相手がリナでよかった。

リナ   :……ありがと。どっちの立場でも、頼りにしてるわ。

ゆうすけ :ああ。俺も、気持ちは嬉しいけど、まだそういうのは……。

リナ   :私も、そういうのは早いと思ってる。

ゆうすけ :だよな。普通はそうだよな……。(女の子の中で、リナが一番まとも……だよな?)

リナ   :急ぎすぎて、後からうまくいかなくなるのが怖いし。

ゆうすけ :(お前は大人か!!)

リナ   :ゆうすけが言ってた世界の正常化も、どこまで協力できるかわからないわ。
      (あやめ幼稚園がまとまったって、きっとそれは、とても難しいこと……。)
      でも、私がボスでいる限り、一緒にいられる。……ゆうすけがよかったら、だけど。

ゆうすけ :十分だ。一回死んだ身だからな。

リナ   :こら。滅多なこと言うもんじゃないわ。

ゆうすけ :たまに、リーダーの顔が出てくるよな。

リナ   :そうね。職業病かしら。

ゆうすけ :俺も似たようなもんだ。もんだった、かな?

リナ   :光栄ね。

ゆうすけ :お互い様だ。

リナ   :……2人で一緒に、ゆっくり大きくなるわよ。で、いろんな世界を見る。

ゆうすけ :ああ。

リナ   :こういう話は、2人っきりのときだけよ。

ゆうすけ :わかってる。

リナ   :で、作戦の続きがあるのかしら?

ゆうすけ :……あ、ああ。……能力のことだ。競技に能力を使うか、使わないか。

リナ   :なるほどね。負けてもカードは取られないから、温存する作戦もあるのね。

ゆうすけ :特にうちは、隠れたり隠したりの能力者が多い。
      能力の正体がわかってたら、本番の戦いで対策されやすいからな。

リナ   :ふむ……。どっちがいいと思う?

ゆうすけ :意見は言うけど、最終的な決断はリナに頼む。他の仲間の前では特に、だ。

リナ   :わかったわ。状況次第ってのはアリかしら?

ゆうすけ :もちろんアリだ。ただ、最初から使わない分、不利になる覚悟がいるけどな。

リナ   :んふふ。判断力なら、ゆうすけの方が上じゃないの?

ゆうすけ :いや。これから先も、最終的な決断はリナが頼む。迷ったときに多数決採ったりは絶対駄目だ。
      あと、各自の判断に任せるのもよくない。全部俺の言う通りにするのは一番駄目だ。

リナ   :わかってるわ。リーダーとしてと、個人としての私は別よ。

ゆうすけ :(俺が仲間としゃべれないようにするのは公私混同だろ!
       まあ、はるひも幽閉するよりはかわいいもんだが……。)

リナ   :君のことだって見捨てるかもしれないから、覚悟しといてね。

ゆうすけ :ああ。それでこそ、俺が見込んだリーダーだ!

リナ   :んふふ。頼りにしてるわよ。

ゆうすけ :お互い様だ、ボス。


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