第4話・第7節・タイトル未定
G M:5人が見守る中、黒い園児服の女の子は、素直に名乗りますね。
女の子 :はじめまして。私は、みやながあずさです。
はるひ :で、何の用ですの? あと、そのせいふく、どこの幼稚園ですの?
G M:相手はこれだけの人数を前にして、萎縮する様子が全くありません。
あやめ幼稚園の前列にはヒビキとアキラ、後列にははるひとライムとケンが控えています。
あずさ :この黒い色は、てんま幼稚園の制服です。
てんま幼稚園では、私は『ガープ』と呼ばれています。
G M:(ころころ)クリティカルで成功値13に達したはるひは知っています。
『ガープ』というのは悪魔の名前ですね。
そして、セリーグに所属する強いプロ野球チームの名前でもあります。
プロ野球にはチームのシンボルとなるマスコットがつきものなわけですが、
『ガープ』の場合は悪魔がマスコットなわけですね。
ちなみに、昨年はセリーグ首位。悪魔のように強いチームと恐れられています。
はるひ :……ガ、ガープファンが何の用ですの?
あずさ :ひとでが足りなくて、フレイヤの手も借りたい、といったところでしょうか。
はるひ :ヒトデならわたしの家にいっぱいありますけど……あなた、何を言ってますの?
G M:さて、(ころころ)ライムがクリティカルで16、あとはダメですね。
ライムは気がつきました。かつてあやめ幼稚園を訪れた、白い髪の執政官代理の男の子。
マイクを通していて声が変わっていたので気付かなくても不思議ではありませんが、
ライムにはわかります。彼が現れる前に園内放送でアナウンスしていた女の子と同じ声です。
ライム :! (……ということは、あの執政官の使い!)
あずさ :……その顔は、気付かれたようですねぇ。
仕方がないので正体を明かします。私は、田崎執政官代理の使いです。
アキラ :執政官!!
ヒビキ :(懐に手を入れながら)むぅ。これはどう判断すべきでござろう……?
ケン :ひぃっ! アニキ、逆らったら公務執行妨害っすよ!
ヒビキ :……まずは、話を聞きたいでござる。
はるひ :ゆうさまにはわたしからつたえますわ。わたしにつたわるまで、
かんたんに何回でも話しなさいな。
アキラ :……。
ケン :はるひさん、かんべんしてくださいっす!
ヒビキ :しかし、ゆうすけどのとの会話はきんじられているでござるよ。
はるひ :そ、そうでしたわね……。
あずさ :これから話すことは、一度しか言わないので、よく聞いて理解してください。
はるひ :あなた、いいどきょうしてますわね。
ライム :はるひちゃん、おさえて。この人本物だから。
はるひ :……仕方ないですわね……。
G M:周囲が静まったのを見て、あずさが話し始めます。
あずさ :今回は、救済措置を提案させてもらうために来ました。
はるひ :きゅうさいそち、ですの?
あずさ :カードが残り0枚になった場合、大変なことになるでしょう?
ケン :確かにそうっすねー。ま、今は今で楽しいっすけど。
あずさ :でも、次に戦う相手が酷い人で、負けた相手の服を脱がせるとしたら?
はるひ :そんなことされたら、およめにいけませんわ……。
アキラ :そんなことさせない!!!
ヒビキ :当然でござる。
ケン :で、助っ人でもしてくれるんすか?
あずさ :いえ、ある種のボーナスステージで、チャンスは他の幼稚園にもあります。
ケン :ボーナスステージ、っすか?
はるひ :あなたたち、何を言ってますの?
あずさ :街中(まちじゅう)を使った運動会というか、レクリエーションというかですね。
そういうのをやりたがっている人がいるのです。あなたたちの中にも、ね。
はるひ :で、そのレボリューションって、何ですの?
ヒビキ :姫君、全然違うでござるよ……。
はるひ :?
あずさ :1種目しかない運動会のようなものと考えてください。もちろんチーム戦です。
種目は当日にランダムで決定され、勝者には、例のカードが与えられます。
はるひ :運動会のしゅもくを、ガンダムで決めますの!?
ヒビキ :……は、はるひどの? ←さすがにちょっと引いた
ライム :(ちんもくは金、だね……。)
ケン :つまり、勝ったら有利になるんすね?
あずさ :その通りです。参加するかしないかは自由ですが、負けてもカードは失いません。
ただし、参加しない場合や参加しても負けてしまった場合、
次の対戦相手のカードの枚数が多くなっているかもしれませんね。
ケン :相手のライフが多くなるかも、ってことっすか……。
はるひ :つまり、どういうことですの?
ヒビキ :参加しなければソン、でござるな!
ケン :アニキの言う通りっす!
あずさ :私はあなたたちの返事を持ち帰らなければいけません。参加しますか?
アキラ :おう!! ←戦隊風に
あずさ :わかりました。そのように伝えておきます。では、健闘を祈ります。
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