第4話・第5節・タイトル未定





G   M:民家の浴室でぬるま湯に浸かった状態で、2人の作戦会議が始まります。
      と、その前に、リナが脱衣所に自分の『リトルグラフ』を取りに行きます。
      扉を開けたまま行ったので、リナが黒いプラスチックの『リトルグラフ』を手に取ったとき、
      その下に白い下着のようなものが置かれていたのがゆうすけには見えます。

ゆうすけ :目をそらすっ!

G   M:リナは、ゆうすけの挙動の意味には気がつかないまま、
      『リトルグラフ』のスイッチをオンにした上で浴室の床に起きます。

ゆうすけ :そうか、防水なんだよな……。

G   M:もちろん、防水加工が常識だからといって、
      常識的に考えて水の多い場所で使う人は少ないんですけどね。
      とはいえ、音声認識機能を持つ『リトルグラフ』があれば、
      片方が収集したデータを視覚的に共有できて便利です。
      狭い場所で身を寄せ合って見るにはおあつらえ向きなわけですね。
      こういう点からも、リナがかなりの合理主義者であることがうかがえます。
      さて、リナが再びゆうすけの隣に座ったところで、黒い石版状の物体の情報の空間に、
      起動音とともに、望遠鏡とラッパを持ったネズミが現れますね。
      投影画像との間に湿度の高い湯気があるせいか、姿は少し霞んで見えますが。

シェマハ :ボス、お呼びでやんすか!?

リナ   :シェマハ、全員のステータスを。

シェマハ :がってん承知でやんす!

G   M:シェマハが『リトルグラフ』に潜り込むと同時に、虚空に以下のデータが浮かび上がります。
      少し霞んで見える上に字が小さいので、少々読みにくいですね。

リナ   :シェマハ、文字もっと大きく!

シェマハ :がってんでやんす!

G   M:リナの命令により、シェマハが文字を大きくしたようです。
      ゆうすけたちは、以下のデータを見ることができます。



リナ   ちから:1 すばやさ:5 かしこさ:4 しぶとさ:6 みりょく:6 しゅうちゅう:6 ひじょうしき:2
リョウ  ちから:5 すばやさ:4 かしこさ:4 しぶとさ:8 みりょく:1 しゅうちゅう:2 ひじょうしき:6
ヒビキ  ちから:3 すばやさ:9 かしこさ:2 しぶとさ:6 みりょく:2 しゅうちゅう:2 ひじょうしき:6
ライム  ちから:1 すばやさ:6 かしこさ:6 しぶとさ:2 みりょく:5 しゅうちゅう:5 ひじょうしき:5
ゆうすけ ちから:4 すばやさ:4 かしこさ:6 しぶとさ:5 みりょく:5 しゅうちゅう:5 ひじょうしき:1
ケン   ちから:3 すばやさ:7 かしこさ:5 しぶとさ:9 みりょく:1 しゅうちゅう:1 ひじょうしき:4
はるひ  ちから:2 すばやさ:8 かしこさ:2 しぶとさ:3 みりょく:8 しゅうちゅう:2 ひじょうしき:5
アキラ  ちから:7 すばやさ:4 かしこさ:2 しぶとさ:5 みりょく:4 しゅうちゅう:4 ひじょうしき:4



ゆうすけ :な、なんだこれは!?

リナ   :んふふ。うちの子たちのデータかしら。

ゆうすけ :俺らのときは、こんなもんなかったぞ!?

リナ   :色々触ってみてたら見つけたの。君たちは、統一が遅かったし。

ゆうすけ :とにかく、これで傘下全員のデータが見られるわけか。ふうはいないみたいだが……。

リナ   :ボスの特権だけど、ステータスと今わかってる能力以外は見られないっぽいわ。

ゆうすけ :今わかってる能力?

リナ   :例えば……そうね。はるひは確実にアメの能力者よね?

ゆうすけ :言われてみれば、アメの出所は謎だし、残弾が意外に尽きなかったりしたな。

リナ   :でも、はるひの能力は表示できないの。シェマハ、はるひの能力!

シェマハ :ボス〜、データがないでやんす〜。

リナ   :少なくとも、発動時に技名が出る状態じゃないと見られないみたいなの。

ゆうすけ :ということは、アキラのは表示できたってことだな。

リナ   :さすがね。ライムはああ見えて内気なとこあるから、頼りになるわ!

ゆうすけ :任せてくれ。(ていうか、あいつは見た目が派手なだけで、どう見ても内気だと思うが……。)

リナ   :じゃ、シェマハ、アキラの能力! あと、残り全員のわかってる能力も追加で。

G   M:「がってん承知でやんす」の掛け声と共に、能力が表示されます。



アキラの夜想曲(ノクターン):雷神衝(ライジン・インパクト)
せんとうけい:レベル4
じぶんの ぶきに かみなりを まとわせる

リョウの夜想曲(ノクターン):罪人隠し(ハイドアウト・クライマー)
けっかいけい:レベル6
ひみつきちを つくって かくれる

ヒビキの夜想曲(ノクターン):姿隠し(カメレオン・ベール)
じょうほうけい:レベル6
はいけいに どうかする

ライムの夜想曲(ノクターン):静寂(サイレンス)
じょうほうけい:レベル5
おとを けす



G   M:2人とも漢字は読めませんが、読み仮名があれば、
      かっこの中のカタカナが漢字の意味を示してそうなことは大体わかりますね。
      さて、ここで、かしこさ基準で成功判定をどうぞ。
      ひそかに、かなり重要な判定です。

ゆうすけ :(ころころ)6、回した方がいいのか?

リナ   :(ころころ)合計8かしら。

G   M:リナにはわかりますね。というか、前にデータを見たときに気付いていました。
      能力にくっついてるレベルの数値と、各人の『ひじょうしき』ステータスの数値が完全に一致します。

ゆうすけ :回すぞ! (ころころ)4だ! 合計16!

G   M:ゆうすけも、リナと同じことに気付きます。一応口に出しますか?

ゆうすけ :当然だ。信頼を得るのも大事だからな。

リナ   :んふ。さすがかしら。

G   M:あとは、読めませんが同じ『隠し』に対応しそうな部分のカタカナが全く違うことから、
      読みは意訳の類だろうなというのもゆうすけにはわかります。
      しかし、どこかわかりませんが、何か変だなという感じはしますね。

ゆうすけ :……!?

リナ   :ヒビキとライムの能力は実際に受けて知ってるはずよ。
      あとは、リョウの能力だけど、常に発動させてあるわ。これも受けてる筈かしら。

ゆうすけ :なに!?(ていうか、秘密基地って、小学生かよ!?)

リナ   :リョウの『罪人隠し(ハイドアウト・クライマー)』は、うちの隠れ家を見つけにくくする能力なの。
      ただし、味方は除かれるわ。

ゆうすけ :それで結界、か……。(そして、もしあの時ひまわり幼稚園が人質のはるひを無視して突入してたら、
      最悪、喫茶店を見つけられずにタイムアップになってたわけか……。)

G   M:4人全員の能力を知ったゆうすけが再び先程の表示を見ると、
      やはり、表示されたデータに違和感を感じます。
      表示された4人のデータのうち、どこかが間違っているような気がします。
      何が間違っているのか、どこがどう間違っているのかはわかりませんが……。

ゆうすけ :(成功値16でわからないって、相当なことだよな。何なんだ……?)

リナ   :つまり、私が目覚めてもレベル2だし、ゆうすけだとレベル1ってことになるかしら。

ゆうすけ :……ああ。能力が弱いってことになるのか?

リナ   :そうかもしれないわね。

ゆうすけ :だとしても、だ。それだけ常識あるってことみたいだからな。俺らは作戦がんばるぞ。

リナ   :んふふ。当然よ。

G   M:謎を残したまま、作戦会議は続くのでした。


第4話・第4節 へ
第4話・第6節 へ

トップページへ