第4話・第4節・タイトル未定





リナ   :ど、どうなのよ!? 答えなさいよ! リーダー命令よ!

ゆうすけ :(職権乱用だ!)いねえよ! いない!

G   M:リナは、寂しいようなほっとしたような表情を見せます。

リナ   :そうなの。いないのね。

ゆうすけ :まさか、お前……

リナ   :バカ! なに言ってんのよ!? そんなわけないでしょ!!

ゆうすけ :(まだ何も言ってないんだが……。)

リナ   :順番つけて、順番! 女の子だけで、気になる順に!

ゆうすけ :(順番か……この判断を間違うと、大変なことになるな。)一番下からでいいか?

リナ   :いいわよ。早く言って。

G   M:1つの湯船の中で見つめあう2人。
      片方は水着着用、片方は腰にタオルという妙な組み合わせですが……。

ゆうすけ :……一番下は……ふうだ。

リナ   :なんでふうの名前が出てくるのよ!?

ゆうすけ :待て、誤解だ! 順番つけろって言ったのリナだろ。一番下だし!

リナ   :……。←ほっぺたをほんの少しふくらませる

ゆうすけ :あいつ、風呂とかは入れてるのか?

リナ   :なんであんな子のこと気にするのよ!? 負けたんだから何されても当然でしょ!?

ゆうすけ :(むしろ、考え方はふうに近いのか。なのに、なんでこんなに仲が悪いんだ……?)
      ……もし、この先俺が別の幼稚園に監禁されて会えなくなっても、同じこと言えるか?

リナ   :それは仕方ないけど……でも、やっぱり気になると思うわ。ごめんなさい。

ゆうすけ :(本人を目の前にして「仕方ない」ときたか。状況にもよるだろうけど、
      リナの冷静に判断できるところは見習わないといけないな。)

リナ   :あの部屋、シャワーとトイレはついてるから。

ゆうすけ :そうか。せっけんは?

リナ   :無いわ。

ゆうすけ :(汗を流すだけか。だとすると、ふうのふとんの
       あのなんとなく落ち着くいい匂いが汗でさらに濃く……じゃないだろっ!
       何考えてるんだ、俺は!? 最近変だぞ!?)

リナ   :……あの子のこと考えてたのかしら? ←ほっぺたを少しふくらませる

ゆうすけ :……い、いや。2番目は……はるひだ。一番目は……

リナ   :……ちょ、ゆうすけ、それって……。

ゆうすけ :照れくさいんだけど、言わなきゃ駄目か?

リナ   :のぼせた。上がるわ!

G   M:リナは急に顔を背けながら立ち上がり、ぬるま湯のしぶきがゆうすけの顔にも飛んできます。
      ゆうすけの目の前には、起伏に乏しいリナの胴体と、
      ぬらぬらと水に濡れて黒光りするスクール水着の生地。
      新品なのか、前部についた白いゼッケンには何も書かれていません。
      それ意外は何の変哲もないスクール水着ですが、風呂場で見ると、意外に艶かしいですね。
      (ころころ)何もなし、と。

リナ   :……や、やっぱりやめる。もうちょっと入るわ。

G   M:何かを思い立ったのか、あるいは決心がついたのか、
      リナは再び湯船の中に座ります。
      そして、隣のゆうすけの目をじっと見つめます。

リナ   :ゆうすけは、何かしたいことある? 自分のためだけにしたいこと。

ゆうすけ :(ケンの女子高生的なアレか……。)いや、別に……。

リナ   :私がしたいのは、いろんなものを知ること。いろんなものを見ること。
      …あのカメラと一緒に。

ゆうすけ :それでずっと持ってたのか。武器としてだけじゃないんだな。

リナ   :新聞とか、作りたい。一面には、ゆうすけと私の写真で。

ゆうすけ :ああ。(ほとんど告白だろ、それ!)

リナ   :……ゆうすけは、いなくならないでね。

ゆうすけ :……わかった、約束する。(……誰がいなくなったんだ? 最初は5人いたのか?)

リナ   :でも、こういう話はスキャンダルの元よ。2人きりのときだけだからね!?

ゆうすけ :わかった。(お前は芸能人か! ていうか、記者の側か……。)

G   M:その後はお互いが口を開かず、少し経ちます。そして、リナが口を開きました。

リナ   :あやめ幼稚園のボスとしてお願いよ。私に力を貸して。

ゆうすけ :当然だ! ……正直、負けたのがお前でよかった。

リナ   :んふふ。私のみりょくを知るのはこれからかしら。

ゆうすけ :楽しみにしてるぞ。

リナ   :早速作戦会議よ! 元からいた子たちの能力を教えるわ!


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