第4話・第2節・タイトル未定
G M:ひまわり幼稚園とあやめ幼稚園の支配権を賭けた戦いから一夜。
8月9日火曜日の今日は、特にスケジュールはありません。
なお、次に支配権を賭けた戦いを行えるのは8月11日の木曜日です。
各自の『リトルグラフ』が映し出す2050年8月のカレンダーには、
月曜日と木曜日にバトルっぽいマークがずらりと並んでいます。
ルールにのっとった戦いは、月曜日と木曜日限定のようですね。
あとは、カレンダーの8月10日水曜日をはじめ、
水曜日と土曜日にいわくありげな『?』のマークが。
今日のような火曜日と金曜日、そして日曜日には何も表示が無く、
どうやら自由に過ごしていいとのことのようです。
なお、敗れたひまわり幼稚園は一般園児も含めてあやめ幼稚園に併合され、
あやめ幼稚園ひまわり組として存続します。
唯一の例外は、捕虜として捕われたままのふう。
食事こそ差し入れられているものの、隣室にトイレとシャワーが備え付けられた警備員室に
閉じ込められ、外出が許されない状態です。
さて、能力者を重視するあやめ幼稚園のボスのリナの方針により、
ふうとケン以外の名のある園児は全員幹部待遇に取り立てられました。
ただし、敗軍の将であるゆうすけは、ひまわり組のメンバーはもちろん、
ボス以外の他のメンバーとの会話も禁じられています。
ゆうすけ :(すまん。俺が情けないばっかりに……。)
G M:なお、あやめ幼稚園の本拠地は、あやめ幼稚園の近くにある喫茶店です。
あやめ幼稚園の建物は半ば放棄されていて、数人が喫茶店から出入りするほかは、
あやめ幼稚園の園児に見捨てられた男の先生が、一人で生活しているようです。
ひまわり組のメンバーは、その辺の経緯とかよくわからないんですけどね。
あとは、幼稚園の警備員室に捕われたふうがいるのみ。
さて、例の薄暗い喫茶店で思い思いに過ごしていたわけですが、
相談役のゆうすけは、作戦会議と称してボスのリナに外へ誘われます。
既にトイレと入浴と寝室以外は常に側にいる状態ですが。
リナ :ゆうすけ、外で作戦会議よ。2人だけで。
ゆうすけ :行くぞ。(ひまわり組のみんなのためにも、あやめ幼稚園の一員として生き残るしかないな……。)
G M:ゆうすけはリナに連れられて喫茶店の外へ。
実質トップの2人がそうしていると、止められる立場の人間はいません。
その間に何かやりたいことある人はいますか?
はるひ :ヒビキくんに勝負をもうしこみますわ! わたしより足がはやいなんてありえませんもの!
ヒビキ :……せっしゃ、受けて立つでござる。
ケン :ヒビキのアニキ、オレもいいっすか?
はるひ :な、なんでいしけんが……。
ヒビキ :仕方ないでござるな。2人とも、あやめ幼稚園の運動場でお相手するでござる。
はるひ :し、仕方ありませんわね……。アキラくんにはしんぱんをおねがいしますわ。
アキラ :……わかった。
ライム :……。(……面白そうだから、見に行こう。) ←フーセンガムをふくらませつつ
G M:かくして、たまり場となっている喫茶店から5人がぞろぞろと出て行きました。
なお、まゆみ先生は園児数人を連れて、今なお商品の搬入が途絶えていない
あやめ幼稚園領内のコンビニへと食糧調達に出かけています。
ですので、一般園児のほかには、名のある園児のリョウが残されているのみ。
相変わらず、室内でもマフィア気取りの丸いサングラスと帽子をつけて麻雀をしています。
しかし、実際はどこを見ているのかすらもよくわかりません。
そんなリョウですが、元々、階級は上から2番目のアンダーボス。
敵将だったゆうすけに実質追い抜かれ、戦闘に使える能力者のはるひに追いつかれた形ですが、
依然として古株の中ではボスに次ぐ順位です。
そのリョウが、一緒に麻雀をしていたあやめ幼稚園の園児たちにささやきます。
リョウ :お外はあぶないから、ボディーガード必要ネ。
3人とも、今すぐ5人を追いかけるアル。
一般園児 :……はい。
G M:3人が指示通りに喫茶店を出るのを確認した後、
事も無くゲームが終えたかの装いで、リョウはおもむろに麻雀の牌をかき混ぜます。
そして、すっと立ち上がって喫茶店の外へと出たのでした。
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