第4話・第1節





G   M:昼なお薄暗い黒点領の建物内部。2階へと続く広めの階段に座る、
      吸血鬼のような黒いマントをまとった2人の園児が。
      園児は、男の子と女の子が1人ずつ。2人の口からは、長い八重歯がはみ出ています。
      さて、男の子はおもむろに立ち上がり、たたんでいた腕を広げてマントを翻しつつ、口を開きました。

男の子  :ククク……。何も知らないあわれな旅人たちが、さわぎ出したようであるな。

女の子  :我らのオモチャをうばうとは、勇気があることだ。

男の子  :ボールをうばった者共がまた来るようであれば……。

女の子  :奴らの大事なものをうばい返してやろう。

男の子  :それが罪なき旅人でも、我らの安息の地、吸血鬼の館にまよいこむようであれば……。

女の子  :全てをうばい取って、我輩(わがはい)のオモチャに。

G   M:黒マントの女の子は、手元のなわとびに視線を落としながらつぶやきました。

男の子  :ククク。我らの棺の中で、永遠の眠りにつくがよい!


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