第3話・第31節・タイトル未定
G M:どこかにある、窓のない部屋で。
生意気そうな白い髪の男の子と、メガネの女の子が会話しています。
白い髪の園児は、イスを斜めにして座り、大きな机の上に足を投げ出しています。しかも、土足で。
対するメガネの園児は、社長秘書のような落ち着いた物腰で、どこか冷たい印象を受けます。
あずさ :レオ様。雷神トール、覚醒です。しかし、覚醒したときには既に手遅れで、あやめ幼稚園に敗れました。
レオ :見てるっつーの。……その能力、オレ様の視覚は共有できねぇのが弱点だな。
あずさ :申し訳ありません。情報系高位能力といえど、いくらかの穴はありますので……。
レオ :つーか、負けた相手が小悪党でよかったなぁ、兄弟よぉ?
あずさ :あと、フレイヤが能力を自覚したようですが……。
レオ :でも、まだだろ。はるひちゃんは、中位能力者の中じゃ、しょぼいっちゃーしょぼいからな。
あずさ :ただ、アシュラ以下とはいえ、一応は戦闘系同士ですので、低位能力者のトールよりはよほど強いでしょう。
レオ :だな。所詮はレベル4(フォー)、はるひちゃんよりは格下ってことだ。
あずさ :……問題は、例の低位能力者ですが……。
レオ :……つーか、新堂ごときの右腕に成り下がるとはよぉ。
あずさ :ある意味、お似合いと考えることもできますが。
レオ :ま、せいぜいよろしくやってくれや。……で、どうしたら兄弟は目覚めてくれるのかねぇ?
あずさ :申し訳ありません。皆目検討もつきません。
レオ :何? 今の、ギャグ? ちょい面白かったけど。
あずさ :いえ。いくら私といえど、他人の思考までは奪えませんので……。
レオ :ま、目覚められても困るんだけどよぉ。(笑)
あずさ :仮に目覚めたところで、浅丘と同レベルですが……。
レオ :あーあ、やっぱり男のロマンがわかっちゃいねー。
あずさ :女性ですから。
レオ :そりゃ違いねぇな。……で、執政官は何してるよ?
あずさ :……依然として、ご自分のスペースでくつろいでおいでです。
レオ :おーおー、お偉い官僚様は優雅なこって。
あずさ :……それより、問題は彼女ですね。
レオ :ふうかか。なんせ、世界一の方向音痴だからな。アイツの進路だけは、オレにもわからねー。
あずさ :最悪の場合、そろそろ出会うことになるのではないかと……。
レオ :ま、ザコ共の犬死には歓迎するぜ。それで兄弟が目覚めてくれるんなら、な。
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