第3話・第30節・タイトル未定
リナ :……シェマハ、階級を変更するわ。
ゆうすけ :(ナイスだ、リナ! それに引き換え、こんなときにそんなこと考えてる俺は……。)
G M:声に応じて、床に置かれていたリナのリトルグラフから、
望遠鏡を持ち、ラッパをかついだネズミの立体映像が現れます。
シェマハ :ボス、お呼びでやんすか!?
G M:シェマハは、上下で9マスに分けられたピラミッド状の平面図を投影します。
あやめ幼稚園の園児それぞれの顔イラストが表示されていて、わかりやすいですね。
頂上の1マスには、ベレー帽をかぶった金髪の女の子、リナのイラストがあります。
上から2番目にリョウ、3番目にヒビキ、4段目と5段目がなくて、6段目にライムがいます。
段の横には、階級名が平仮名とカタカナで表示されてますね。
一番上が『ボス』、次が『アンダーボス』、次が『かんぶ』、6段目が『こうせいいん』、
最後の9段目が『じゅんこうせいいん』となっています。
ゆうすけ :これは……階級図か! マーリン、うちにはこんなのなかったが……。
G M:ゆうすけの呼びかけに、床に置かれたリトルグラフから、マーリンは姿を現しません。
きっと、リーダーでなければ呼び出せないのでしょう。
ゆうすけ :……。
リナ :ライムを幹部に昇格、ケンは構成員よ。
シェマハ :了解でやんす!
G M:すると、ピラミッドのライムの顔が、3段階上昇して、ヒビキと並びました。
ケンの顔は、上から6段目に表示されます。
ライム :……やった! ありがとう、ございます!
ケン :えーっ!? オレ幹部じゃないんすか!?
ゆうすけ :(当たり前だろ!)
リナ :準構成員がお好みかしら?
ケン :いえいえ、ボス。全然全くとんでもございませんっすよー! ←もみ手
リナ :アキラは幹部よ。
ケン :えっ!?
リナ :雷の能力者として、戦闘面であやめ幼稚園を支えてほしいわ。
アキラ :……わかった。 ←無表情を装いつつ、まんざらでもなさそう
ケン :ま、そういうことなら仕方ないっすねー。
ゆうすけ :(お前はどうこう言える立場じゃないだろ!? しかし、能力者はいきなり幹部待遇か……。)
リナ :ヒビキとリョウはそのまま。はるひはアンダーボスにするつもりだけど、2人に異議はあるかしら?
ケン :なんでそんな高いんすかー!?
ゆうすけ :(意見求められてるのはお前じゃねえよ! でも、言ってることはもっともだ。)
リョウ :ボスの決断には従うネ。
ヒビキ :美しい姫君にはぴったりの役目でござるよ! せっしゃもすいせんするでござる!
G M:古参2人の反応は、結論こそ同じものの、対象的なものですね。
アキラ :(こいつもかっ!) ←ヒビキをにらむ
はるひ :おーっほっほっほっ! もっと言ってもよくってよ!
ゆうすけ :(能力者ってだけで、古参より階級が高くなるのか……。)
リナ :ゆうすけは相談役。異議は認めないわ。
G M:ゆうすけの顔が、ピラミッドの枠外に表示されます。
高さ的には一段目と二段目の間の、横のところですね。
リョウ :……。
ゆうすけ :ボスとの約束だ。受けさせてもらおう。
リナ :んふふふ。さっそく命令よ。相談役のボス以外との日常会話を禁じるわ。
ゆうすけ :……わかった。
リナ :ほりょのふうは、しばらく警備員室の中で生活。
G M:ピラミッドの下に、ふうの顔イラストが表示されます。
ゆうすけ :(……ボスの意思は固そうだな。ふうのためにも、今は下手に逆らうのは逆効果だ。)
リナ :食糧はほりょ含め、全員で分け合うこと。
ケン :さすがボス、懐が深いっす!
リナ :相談役以外、私のことはボスと呼ぶように。以上よ。
ゆうすけ :(俺だけ会話禁止……元リーダーが警戒されるのは仕方ないか。
問題は、ふうをどうやって助けるかだな……。
しかし、この嫌われよう……何をやったんだ……?)
リナ :じゃあ、飲み物を持ってきなさい。
G M:数人の一般園児が、薄茶色の液体の入ったワイングラスを持ってきます。
ケン :うおーっ! アニキ、コーヒー牛乳っすよ! 不良だ!
ゆうすけ :(コーヒー牛乳で不良かよ! ていうか、ワイングラスにコーヒー牛乳って……。)
G M:飲み物が行き届いたところで、ワインを飲むかのようにグラスを持ったリナが号令をかけます。
リナ :んふ。皆、かんぱいよ。……新入りとあやめ幼稚園の未来に、かんぱい!
ほか一同 :かんぱ〜い!
ゆうすけ :(この幼稚園、ひょっとして、無理に悪ぶってるだけだったりしないか……?)
G M:そんなこんなで、宴は夕方まで続いたのでした。
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