第3話・第23節・タイトル未定
G M:剣を預け、『リトルグラフ』だけを持って、
ゆうすけはたった1人であやめ幼稚園の領土に入ります。
そして、少し進んだところで、桃色と緑色の園児服の園児たちと遭遇しました。
それぞれ3人ずつ、計6人ですね。
ゆうすけ :水面下での同盟か!? マーリン、どっちがあやめ幼稚園だ!?
マーリン :あやめ幼稚園の制服は濃い青色です。あれは、みどり幼稚園とさくら幼稚園の制服ですね。
ゆうすけ :なに!? でも、あやめが1人もいないのは妙だな……。
G M:対する園児たちは、ゆうすけの顔を見てうろたえています。
リーダーの証として『リトルグラフ』を持ってくる必要もなく、
既にゆうすけの顔と、リーダーであることを知っていたようです。
一般園児A:な、なんでリーダーがひとりでくるんだ!?
ゆうすけ :戦う気はない。武器も持ってない。そっちのリーダーと話がしたい。
一般園児A:きいてないぞ……。
一般園児B:とりあえず、ボスにほうこくしてきます!
G M:桃色の制服を着た園児は、あやめ幼稚園の建物のある方向へ走っていきます。
どうやら、制服だけを変えていたようですね。
ゆうすけ :(1時以降にここを通っても、第三者を装って攻撃されるわけか……。)
G M:一般園児たちになわとびで後ろ手に縛られたゆうすけは、
あやめ幼稚園の建物の近くにある喫茶店へと連行されてきました。
昼でもカーテンが引かれて薄暗い店内では、濃い青色の制服の園児たちがたむろしています。
そして、大きなソファーに腰掛けた金髪に赤いベレー帽の女の子。
その前に、ゆうすけと同じように縛られたはるひと、もう1人の女の子が転がされています。
はるひ :ゆうさま! 助けに来てくれたんですのね!
ゆうすけ :ああ。(ていうか、そう見えるんなら大したもんだ。意外と大物なのか? それとも……。)
一般園児 :……ゆうすけくんも、つかまっちゃったんですか?
ゆうすけ :(普通はそうだよな……。)いや。先生は無事か?
はるひ :みんなだいじょうぶですわよ!
ゆうすけ :みんなを返してもらうために、話し合いをしにきた。
リナ :んふっ。物分りのいいリーダーで助かるわ。カードをもらおうかしら?
ゆうすけ :持ってない。
リナ :……?
リョウ :ハッタリよくないネ。体を調べればわかることヨ。
G M:室内でも帽子にサングラスの奇妙な口調の園児が、ゆうすけの体に手を伸ばします。
リョウ :……カードは持ってないネ。武器も。
リナ :そう。……じゃあ、何しに来たの?
ゆうすけ :さっき言った通り、うちの仲間を返してもらいに来た。
リナ :んふふ。返すと思う?
ゆうすけ :俺たちの目的は、この世界の正常化だ。法律を元に戻して、平和な世界を作りたい。
はるひ :(ゆうさま……しばられててもかっこいいですわ……。)
ライム :……!
ヒビキ :せっしゃたち日陰の者には、生きにくい世界でござるな。
リナ :で、協力しろって?
ゆうすけ :それもある。俺たちが勝ったら、ここの皆とも食糧を分け合うつもりだ。
リョウ :食べ物、元々うちの物ネ。
リナ :んふふ。3対4で勝てるつもりなの?
ゆうすけ :……?
リナ :あんたらと違って、こっちは4人しかいなかったの。
ゆうすけ :……なん……だと!?
リナ :カードが手に入らないなら、そこのかわいいお嬢さんの恥ずかしい写真撮っちゃおうかしら?
ゆうすけ :やめろ! ていうか、やめた方がいいぞ?
リナ :……何?
ゆうすけ :俺らが無事に帰らなかったら、カードは捨てられることになってる。
ほか一同 :!!!?
はるひ :ちょっと、ゆうさま!?
ゆうすけ :カードを捨てちゃいけないってルールはどこにも無い。支配権にさえ構わなきゃな。
ライム :……しょうどさくせん……!
リナ :黙ってて!
ライム :……!
ゆうすけ :1回戦いに勝ったところは2枚以上のカードを持ってる。
そんな強いとこと、今持ってるカード1枚で戦えるのか?
リナ :……。
ゆうすけ :その場合、3人は他の幼稚園の傘下に入って、あやめ幼稚園と戦うことになってる。
シェマハ :他のところの人数が増えるのはまずいでやんすよ!
リナ :シェマハ、黙りなさい!
G M:望遠鏡を持ったネズミが突如空中に現れ、一喝されます。
ゆうすけ :幸い酷いことはされてないみたいだし、はるひたちをさらったことは水に流す。
ライム :(この状況でそんな強気に出られるなんて……。)
リナ :……で?
ゆうすけ :こっちも譲歩する気はある。4対4で戦って決着をつけないか?
リナ :3対4、じゃないのかしら?
ゆうすけ :解放するのは、俺とはるひのどっちかでいい。その代わり、ちゃんとカードも賭ける。
リナ :ふーん。そんなことが言える立場だとでも? ヒビキ、その女を連れて行って、例のを……。
ヒビキ :…………主君の命とあらば、しかたないでござるな。
はるひ :や、やめてくださいます!? ゆうさま、助けて!!
ゆうすけ :戦って負けたんだ。覚悟はできてるだろ?
はるひ :そ、そんなのできてませんわ!! そんなことされたら、もう……助けてくださいっ!!!
ゆうすけ :何する気かは知らないが、お前らも、負けたら同じことされる覚悟はできてるんだろうな?
リナ :……。 ←一瞬、険しい表情に
ゆうすけ :(何する気なんだ……!?)俺らは優しいが、あいつらは怖いぞ?
G M:ここで、ゆうすけとはるひは、かしこさを基準に判定してください。
はるひ :(ころころ)4ですわね。
ゆうすけ :(ころころ)6(ころころ)次も6。十分だったら止めるが……。
G M:それで合計18になるので、十分です。
ゆうすけのハッタリ、「あいつらは怖いぞ?」の部分に、敵の幹部と思しき4人全員が反応しました。
何か思い当たる節があるように思われます。もっとも、ゆうすけには心当たりがないんですが……。
ゆうすけ :(……? 怖い奴が2人以上だったら、2人で潜入なんかしないよな?)
わかった。4対4、外れる奴はそっちが決めるのでどうだ? これ以上は譲歩しない。
リナ :……こっちが勝ったら、カードを渡して、5人ともあやめ幼稚園の下につくの?
ゆうすけ :(当たりか!)もちろんだ。年中以下の面倒もセットで頼むが。
リナ :仕方ないわね。ただし、君には相談役として働いてもらうわ。
ゆうすけ :よくわからないが、参謀みたいなもんか? えらく評価されたもんだな。
リナ :当然よ。……誰を指名しようと、絶対に従ってもらうわよ? そいつが手を出した時点で反則負けよ?
ゆうすけ :(アキラか……。そんなに怖いならはるひをさらうなよ……。)ああ。俺を外してもいいぞ。
リョウ :ボス、外れるの……
リナ :わかってる! あの布団女を外してもらう。
ヒビキ :さすがはボスでござるな。
ライム :……。 ←ほっとした表情
ゆうすけ :(ふう、お前はこいつらに何をしたんだ……?)マーリン、これで契約は成立だな?
マーリン :契約は有効です。
シェマハ :問題ないでやんす!
G M:2匹のナビゲーションペットが答えました。
リナ :ひまわり幼稚園に伝令を送ればいいの?
ゆうすけ :いや、話がついたら、俺が指定の時間に、そっちの4人を戦う場所に案内することになってる。
ライム :……でも、それだと結局5対4になっちゃうんじゃ?
シェマハ :問題ないでやんす! 成立した契約を破ると、厳しく罰せられるでやんす!
ゆうすけ :(……この状況で、誰に罰せられるんだ?)
リナ :んふっ。
ゆうすけ :(今は目の前の問題だ。こいつら、自分たちが負けた後の扱いを確認しようともしてない!)
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