第3話・第22節・





G   M:全ての園児が注目する中、ゆうすけの演説が始まります。

ゆうすけ :今から、はるひを助けに行く!

アキラ  :よし、行くぞ!

ゆうすけ :その前に、聞いてくれ。人質を取ったということは、攻めて来る気はないと考えてまず間違いない。

ケン   :まあ、そうっすよね。

ゆうすけ :だから、攻めるのはこっちからだ。相手が1時になるのを待つつもりかもしれないが、今から動く。

アキラ  :ゆうすけ、早くしてくれ!

ゆうすけ :一番怖いのは、はるひの身柄と引き換えに、カードを要求されることだ。

アキラ  :はるひちゃんのがだいじだろっ!

ゆうすけ :カードが向こうに渡れば、実質全員が人質にされることになる。
      助ける手段がなくなって、状況はもっと悪くなるんだ。

ふう   :……。

ゆうすけ :だけど、はるひの安全は確認しないといけない。

アキラ  :あたりまえだ!

ケン   :でも、相手はワルっすよ? 会っても身代金とか要求されかねないっしょ?

ゆうすけ :これから、敵を刺激しないように、1人だけが交渉に行く。

アキラ  :こうしょう!? たたかうんじゃないのか!?

ケン   :(ちょ……交渉できそうなのって、オレしかいないんじゃ……!?)

ゆうすけ :交渉には、俺1人で行く。

ほか一同 :!!?

ふう   :何考えてるの!? ゆうちゃんがリーダーなんだよ!?

ゆうすけ :マーリン、省電力モード解除! ……可能だな?

マーリン :はい。リーダーがやられたり捕まったら負けというルールはありません。

G   M:いつの間にかマーリンと名づけられていた、ラッパを持ったひよこが
      床に上向きで置かれていた『リトルグラフ』の上に姿を現し、答えます。

ゆうすけ :剣は置いていく。

ケン   :で、でも、人質取ってくる犯罪者集団と話し合いとか無理っしょ?

ゆうすけ :……勝算はある。

ケン   :いや、無理っしょ……。

ふう   :……リーダーが、そんなんでいいの!?

ゆうすけ :……こうするしかないんだ。わかってくれ……。

アキラ  :……。

ゆうすけ :カードはふうに預ける。留守は頼んだぞ!

ふう   :……リーダーとしての命令なら、従うよ……。

G   M:ふうは、諦めたようにうなだれます。そして……。

アキラ  :たのむ! はるひちゃんをたすけてくれ!

ゆうすけ :任せろ!!!


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