第3話・第20節・タイトル未定





G   M:はるひたちがさらわれ、ゆうすけが下した決断は……。

ゆうすけ :アキラ、はるひは危なくなっても助けを呼ばないってことはあるか?

アキラ  :……本当にあぶなくなったら……よぶと思う。

ゆうすけ :あの部屋で戦った跡があったよな?

アキラ  :……ああ。

ゆうすけ :なら、何で助けを呼ばなかったんだ?

アキラ  :……わからない。

ふう   :……カギをかけても……叫んだら、聞こえるはず……。

ケン   :まさか、裏切っ……。

アキラ  :おまえっ!!

G   M:アキラがケンの胸倉をつかみます。

ケン   :ア、アニキ、助け……。

ゆうすけ :……百歩譲ってそうだとしてもだ。
      5対5の戦いが始まってから裏切ればいいだけだし、戦いの跡を偽装する必要もないだろ?

ケン   :そうっすね、すいやせんでした。気が動転してて、つい……。

ゆうすけ :謝ったんだから、離してやれ。ケン抜きで5人倒すのは無理だ。

アキラ  :ふん!

G   M:アキラはケンを離します。

ふう   :……こんなこと言いたくないけど……まゆみ先生はどうなの?

ケン   :……え? あねさん、そりゃないですって。まさか、先生に限って、そんな……。

ふう   :……自分から歩いてついていかないと、無理だよね?

アキラ  :……!?

ゆうすけ :いや、その可能性も低い。あの部屋には3人しかいなかった。
      倒してしまえば、園児2人は2人でなんとか運べるから、
      本当に裏切ってるとしたら、わざわざついていく必要は無い。
      その辺のなわとびで縛られてれば、疑われもしないだろうし。

ケン   :なるほど! さすがアニキっす!

ゆうすけ :まずは、襲われた3人を手当てしよう。何か見てるかもしれないし。

G   M:では、みりょく基準で判定を行います。
      重傷を追っているわけでもないのでいずれは目覚めますが、
      タイムロスなく重要な情報を引き出せるかどうかが分かれ目になってきます。
      (ころころ)ゆうすけ9、ふう12、ケン5、アキラがクリティカルで12、と。
      目標値が10と高かったんですが、2人も成功しました。
      ふうとアキラの看護により、一般園児の1人が目を覚まします。

ふう   :……大丈夫? 何があったの? ……落ち着いたらでいいからね。

G   M:ふうは倒れていた一般園児にふとんを羽織ったままでひざまくらをしつつ、語りかけます。

一般園児 :……きがついたら、そいつがたおれてて……めのまえににんじゃと、もうひとり……。

G   M:一般園児は、視界内で倒れている園児を指差しながら答えます。

ケン   :どうせ、よそ見してたんだろ?

一般園児 :……し、してないです……くうちゅうから、きゅうにめのまえにでてきて……。

アキラ  :!?

ゆうすけ :……?

ケン   :あれっしょ、アニキ。テレポーテーション!

ゆうすけ :そんなことできるわけないし、できるとしても、見張りを倒す必要ないだろ。

ケン   :あ、そっすね。だったら、忍法っすよ!

ゆうすけ :敵は2人か……。2対2だと、1人が助けを呼びに行くのも難しいな……。

ケン   :遠慮せずにオレら呼んだらよかったんだよ。弱ぇくせに意地はらなくてもいいだろ。

一般園児 :……こえが、でなくて……。

アキラ  :……よんでくれてたら、おれが……っ!

ゆうすけ :気持ちはわかるが、よせ。

一般園児 :……さけんだけど、こえが……。

ふう   :……待って! 呼んでくれようとしたの!?

ゆうすけ :……叫んだと思ったけど、声が出なかったのか!?

一般園児 :は、はい……。

ゆうすけ :(一体どうなってるんだ? 考えろ。よく考えるんだ……。)


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