第3話・第8節・タイトル未定
G M:ゆうすけに与えられた特別製の『リトルグラフ』を起動すると、
地面と水平に持っているディスプレイの真上に、ラッパを持ったひよこの立体投影画像が出現しました。
呆気に取られるゆうすけたちに向けて、ひよこは言葉を続けます。
ラッパを持ったひよこ:ボクは、みなさんの戦いのお手伝いをするためにやってきました。
ゆうすけ :……な、なんだこれは?
ケン :あっけらカンみたいなもんっすかねぇ?
ラッパを持ったひよこ:あ、大体そんな感じです。
ゆうすけ :(そもそも、なんなんだそれは……。)
ふう :……。
ラッパを持ったひよこ:何か聞きたいこととかありますか?
ゆうすけ :お前を消す方法。
はるひ :さすがはゆうさま。男らしいですわ。
アキラ :……。
ラッパを持ったひよこ:そ、そんなこと言わないでくださいよ。ボクら、特殊能力だってあるんですから。
ケン :はぁ? 特殊能力だとぉ?
ラッパを持ったひよこ:そ、そうです。地図だって、ほら。
G M:ひよこがラッパを吹くアクションを見せます。
すると、音は聞こえませんでしたが、ひよこの頭上に地図が平面投影されました。
ちょうど、正面にいるゆうすけから見えやすい位置です。
空間への平面投影なので、真横以外からなら全員に見ることができますね。
皆さんが良く知っている町の地図が、見たことない形に区分けされています。
元々の町単位の区分と一致している部分もありますが、そうでない部分も。
ひまわり幼稚園の所在地付近の区分けを見ればわかるのですが、
各幼稚園の支配エリアを示した地図のようですね。
コンビニを示すマークもあり、それらが点滅しています。
ラッパを持ったひよこ:この南地区でコンビニを支配しているのは、ゆり幼稚園、あやめ幼稚園、
さくら幼稚園、あじさい幼稚園、れいめい幼稚園の5つです。
そのうち、ひまわり幼稚園と隣接しているのは、あやめ幼稚園、さくら幼稚園、
あじさい幼稚園の3つだけです。この3つの中から、攻めるところを選ぶのをオススメします。
はるひ :ゆうさま、どこをせめますの?
ゆうすけ :俺たちがコンビニを欲しがってるって知ってるってことは、執政官の差し金だよな?
ラッパを持ったひよこ:ボクは入力された情報を分析して、最適の道をナビゲートする人工知能なのです。
誰がどういう目的で情報を入力したのかは、わからないです。
ふう :……ゆうちゃん……使える物は、使った方がいいよね……。
ゆうすけ :ああ、言いたいことはわかる。だけど……。
はるひ :おーっほっほっ。しばはらふうのていあんも、たいしたことありませんのね。
ふう :……。
ゆうすけ :……つまり、俺らが状況もわからずにウロウロして戦わなかったら、困る奴がいるってことだな?
ふう :!
ラッパを持ったひよこ:よくわからないです。
ケン :キュゥべぇの方だったんすか。「ボクと契約して魔法少女になってよ」って。
はるひ :しってますわよ! 3分クッキングですのね!
ゆうすけ :(魔法なんとかはわからんが、それはキューピーだろ……。)レシピも出せるのか?
ラッパを持ったひよこ:ボク、戦いの役に立つ知識しか引き出せないです。
ケン :ってことは、戦うときはさぞかし役に立ってくれるんだろうなー?
ラッパを持ったひよこ:ボクらナビゲーションペットの道具には、特殊能力があります。
ボクのラッパは、先制攻撃ですね。不意打ちが得意なさくら幼稚園とかに特に強いですよ。
ゆうすけ :……つまり、他の幼稚園の情報も知ってるわけだな。さっそく教えてくれ。
ラッパを持ったひよこ:それはできません。そういうルールなので……。
はるひ :ひよこのくせに、なまいきですわね。
ゆうすけ :なら、お互いの情報が、お前を通して漏れたりはしないんだな?
ラッパを持ったひよこ:はい。そういうことになります。
ゆうすけ :誰か、これから攻める候補の幼稚園の情報を持ってるか?
ふう :……。
アキラ :……。
ケン :紙一重で知らないっすねー。
はるひ :しらなくたって、キーパーのゆうさまがいれば、どこにだって勝てますわ。
ゆうすけ :(俺は守護神か……。)そうだといいが……結局、当てずっぽうか……。
はるひ :どこがあいてでも、キーパーのゆうさまをせんとうに、せめまくるのみですわ。(えっへん)
ゆうすけ :キーパーが先頭で攻めたらやばいだろ!
はるひ :うしろでどっしりかまえるんですのね! なら、わたしが前に立ちますわ。(えっへん)
ゆうすけ :(いや、お前の方が後衛向きだろ……。)
ラッパを持ったひよこ:今からルールを説明しますので、戦う相手を決めてくださいね。
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