第3話・第3節・タイトル未定





G   M:アキラが突然立ち上がり、アキラが座っていた椅子は、大きな音を立てて倒れます。
      大きな音がしたので、さすがに、全員が注意をそちらに向けます。

アキラ  :……ゆうすけ……おれはおまえを、みとめないからな!

まゆみ先生:……あ、あう〜……。 ←涙目でおろおろしている

はるひ  :ちっちゃい男ですのね。リコーダーが気に入らないなら、出て行ってもいいんですのよ?

ゆうすけ :(音楽会か! ていうか、そろそろつっこむべきなのか……。)

ふう   :……ゆうちゃん……アキラくんのこと、どうする?

ゆうすけ :……そうだな。この機会に、リーダーとして、言っておきたいことがある。

はるひ  :いやですわ。リコーダーじゃありませんでしたのね。……ほ、ほんとはしってましたのよ!

ゆうすけ :その前に、みんなの目的とか、大事なものを教えて欲しい。

ケン   :大事なもの、っすか?

ゆうすけ :ひまわり幼稚園の代表になって、何をしたかったかだ。お前のは知ってるからいい。

アキラ  :……。

はるひ  :そんなの、キャンディのおうちを作りたかったに決まってますわ。 ←えっへん

ゆうすけ :……そうか。(そんなことのために……。)

はるひ  :でも、今はもっと大切なもくてきができましたのよ?

G   M:ゆうすけの方を見つつ、はるひはチャーハンを自分の口に運びます。

ゆうすけ :(そ、そのスプーンは……いや、俺が意識しすぎなのか……?)

はるひ  :いやですわ。そんなに見つめないでくださる?

G   M:と、顔を赤らめるはるひ。そして、それを見て、ゆうすけをにらむ目にさらに力がこもるアキラが。

アキラ  :……。

ゆうすけ :……アキラの目的も大体わかった。ふうは?

ふう   :……私は……いつもゆうちゃんと共にある。

G   M:ふうは、チャーハンをすくったスプーンをゆうすけに差し出します。

ゆうすけ :(食べ終わってからにするべきだったか……?) ←差し出されたチャーハンを食べながら

はるひ  :で、ベーダーのゆうさまのだいじなものって、なんですの?

ゆうすけ :(俺は暗黒卿か……。)さっき聞いたルールっていうか、ケンの言葉を借りれば、世界っていうのか。

ケン   :おっ、アニキの名演説が始まりそうっすね。オマエら、耳の穴かっぽじってよく聞けよ!

ゆうすけ :茶化すな。……で、この世界をどう思う? 暴力で人の物を取っても許されるこの世界を。

ケン   :へ? いいじゃないんすか、別に?

はるひ  :よわいブタは、じめんにはいつくばってるのがおにあいでしてよ。

アキラ  :……。

ふう   :……法律で許されてるなら……でも、それでも間違ってるってこと、なんだよね?

ゆうすけ :ちょっと待て! なんだよこの反応は!?

ケン   :アニキ、急にどうしたんすか?

G   M:周囲を見回したところ、世界のあり方に疑問を抱いている人間はとても少なそうです。
      むしろ、積極的に受け入れているような……。
      当然のことを言ったつもりが、完全にアウェーですね。ゆうすけの演説は、いきなり頓挫します。
      ふうは当然賛同すると思っていたゆうすけでしたが、
      彼女も、ゆうすけの思想に心から賛成しているわけではなさそうです。
      さて、年少組以上の全園児が揃ったこの席で、全員の顔を見回したゆうすけは
      (ころころ)2っと。アキラがゆうすけのセリフに多少動揺したのか、
      表情がかすかに変わったのに気付きます。他の園児たちはそれが悪いことだと思ってない
      といった感じですが、アキラだけはそうではなさそうですね。

ゆうすけ :(一体どうなってるんだ……。)


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