第2話・第9節・タイトル未定





G   M:隊列は、共に遠距離属性の攻撃を持ち、自身が前列にいる限り敵後列を狙えるゆうすけとケンが前列。
      はるひチームは、アキラが前列、はるひが後列に陣取ります。
      ゆうすけとケンのチームはケンのすばやさ7が最大、
      はるひとアキラのチームははるひのすばやさ8が最大ですので、はるひたちの先攻でバトルスタートです。

はるひ  :おーっほっほっほっほっ! わたしにひざまずかせてあげますわ!

G   M:攻撃技を登録していないはるひは、初手はすることがありません。
      ゆうすけとケンから見れば、回復技しか登録していないことはまだわかりませんので、
      攻撃のそぶりすらなく、いきなり高笑いをする余裕を恐ろしく感じるだけです。

アキラ  :(ころころ)7。

G   M:大きく振りかぶって放たれたアキラのピコピコハンマーは、空振りに終わります。
      しかし、腕力があるので、風圧だけでも凄いですね。
      なぜこんなふざけた武器を使ってるのかは謎ですが。

ゆうすけ :(ころころ)9か。

ケン   :(ころころ)チッ、8っすね。

G   M:ゆうすけがプラスチックソードを振るってアキラを牽制しつつ、
      ケンはけん玉でアキラにヒットアンドアウェイ戦法を仕掛けますが、
      アキラはすんでのところでかわします。続いて、2ターン目。

はるひ  :おーっほっほっほっほっ! わたしのアメは、あまくはありませんわよ!

G   M:はるひは両手をポケットに突っ込んで取り出し、両手いっぱいにアメを握っています。

アキラ  :(ころころ)4。

G   M:ケンを狙ったアキラのピコピコハンマー、ミョルニルは大きく空振り。

ゆうすけ :(ころころ)7。

ケン   :(ころころ)5っすねー。

G   M:ゆうすけは渾身の突きを狙って様子を伺い、ケンのけん玉は空振りです。
      続いて、3ターン目。

はるひ  :おーっほっほっほ……ごほごほっ!

G   M:さすがに、風が吹いたら土煙が舞うこともある夏の運動場での連続高笑いはきつかったらしく、
      はるひは少し咳き込みます。そして、アメを1つ、自分の口に入れました。

はるひ  :やっぱり、あまいキャンディーはさいこうですわね。

ゆうすけ :何がしたいんだよっ! 甘くないんじゃなかったのかよっ!

アキラ  :! (ころころ)6。

G   M:はるひを侮辱されたと感じたアキラはゆうすけを狙いますが、空振りです。

ゆうすけ :(ころころ)7。

ケン   :(ころころ)7っす!

G   M:ゆうすけの戦闘特技『連携の極意』が発動!
      ゆうすけのフェイントをかわそうと体勢を崩したアキラに、ケンはけん玉を放ちます!
      しかし、アキラはピコピコハンマー『ミョルニル』を振るい、玉を叩き落しました。
      直後、けん玉のダメージによる一瞬の硬直を狙ったゆうすけの突きは、
      ノーダメージのアキラにかわされます。

ケン   :あーっ、惜しかったっす!

ゆうすけ :ケン、その調子だ!

アキラ  :……はるひちゃん……こいつらつよい!

はるひ  :そのようですわね。でも、わたしたちのチーズケーキはくずせませんでしてよ!

ゆうすけ :(……ひょっとして、チームワークのことか?)

ふう   :(……チームワークのことだよね、多分。)

G   M:続いて、4ターン目の攻防。

はるひ  :アキラくん、そろそろ本気でいきますわよ!

アキラ  :……うん! (ころころ)10! はしれ、ミョルニル!

G   M:アキラのミョルニルが、ついにゆうすけを捉えます。ダメージは3D。

アキラ  :(ころころ)4・1・1……。

G   M:ゆうすけは後ろに跳んで衝撃を殺し、4のダメージに抑えます。

ゆうすけ :効かねーぞ。(ころころ)4。

ケン   :(ころころ)6っす。

G   M:後ろに跳んだゆうすけは反撃の機会を失い、ケンのけん玉も空振りです。
      続いて、5ターン目。

はるひ  :もう、何やってますの!? てかげんはむようでしてよ!

アキラ  :はるひちゃん、ごめん! (ころころ)9!

G   M:唸りを上げて迫るアキラのミョルニルを、ゆうすけはしゃがんで回避。

ゆうすけ :(ころころ)10。

ケン   :(ころころ)8。

G   M:ゆうすけは強力な突きを放つためのタメを作れず、ケンはまたしても空振りです。
      続いて、6ターン目。

はるひ  :……。

アキラ  :(ころころ)9! ほえろ、ミョルニル!

G   M:はるひは珍しく無言で、ゆうすけの方を見ています。
      アキラはミョルニルを放ちますが、ゆうすけはプラスチックソードを当て、ミョルニルをそらします。

ゆうすけ :(ころころ)7か。

ケン   :(ころころ)6っすね……。

G   M:ゆうすけはミョルニルをさばいただけで体勢を崩され、ケンの攻撃は普通に空振り。
      両チーム、決め手に欠けています。続いて、7ターン目。

はるひ  :もう! アキラくん、何やってますの!?

アキラ  :ご、ごめん、はるひちゃん! (ころころ)8!

G   M:アキラの攻撃は、空振り。しかし、コンスタントに当てようとしていれば当たったような攻撃です。
      それよりも、威力に重点を置いたような手の振り方ですね。前線で戦っていると、風圧を感じるほどの。

ゆうすけ :(ころころ)3!

ケン   :(ころころ)10っす! アニキ、これをっ!

G   M:ケンはアメ玉をゆうすけに投げつけます。
      そして、動体視力に優れたゆうすけは左手でアメを受け取り、一瞬で包みを開いて口へと運びます。
      ゆうすけのHPは(ころころ)出目1で、回復せず。しかし、ゆうすけの攻撃力は1アップします。

ゆうすけ :ぺっ! これ、さっき拾ったやつだろ! 土ついてたぞ!?

ケン   :へへっ。ばれちゃいやしたか……。

G   M:そして、ミョルニルを空振りしたアキラに、わずかな隙が生じています。

ゆうすけ :いや、狙いははるひちゃんだ!

G   M:空振り直後のアキラの横をすり抜け、ゆうすけは後列のはるひに向かって加速しました。
      遠距離属性の技は、使い手が前列にいるときに限り、敵後列を狙うことができます。

ゆうすけ :お前、回復役だってバレバレなんだよっ!!

アキラ  :!!!?

G   M:ゆうすけは左手を前に出し、プラスチックソード『エクスカリバー』を持つ右手を後ろへ。
      その体勢のまま、はるひに向かって突撃します。

ゆうすけ :戦場に男も女も無いよなっ!?

はるひ  :そのこうげき、わたしにはとどきませんわよ!

G   M:左手を後ろに引き、反動で渾身の突きを放つゆうすけ。
      しかし、ゆうすけの突きは、突如視界に現れたアキラの腹に受け止められます。
      ゆうすけに抜かれた直後に猛ダッシュしたアキラが、
      すんでのところで、はるひとの間に割って入ったのです。
      ダメージどうぞ。6D+1で、攻撃力上昇のボーナスが1点です。

ゆうすけ :(ころころ)3・5・2・3・6・5・プラス(ころころ)4!

G   M:はるひをかばったアキラに、30点のダメージ。アキラのHPは、残り40です。

アキラ  :……。 ←ゆうすけをギロリと睨み付ける

ゆうすけ :……なん……だと!?

はるひ  :……。

G   M:はるひは愕然とするゆうすけの足元にアメを投げつけ、ゆうすけは一旦後ろに下がります。
      右手の空いたはるひは自らの園児服の首の部分から、懐へと右手を入れます。
      しまっていた何かを取り出そうとするような仕草ですね。

はるひ  :……使うしかありませんのね、スイートテンペスト・キャンディを。

アキラ  :まだだっ! はるひちゃんっ!

はるひ  :……しかたありませんわね。あぶなくなったら使いますわよ?

アキラ  :……うんっ!

ケン   :ア、アニキ、こいつらまだ……。

ゆうすけ :……ああ。何か切り札を隠し持ってるみたいだな。
      けど、押してるのはこっちだ。このまま押し切るぞ!!

ケン   :はいっ!

G   M:ゆうすけの力強い声が運動場に響き、ケンはけん玉を構えなおしました。
      戦いは続きます。


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