第2話・第7節・タイトル未定





G   M:ケンが弁解のために振り向いた隙を突いて、2人が動きます。

はるひ  :キャンディ・レイン!

G   M:はるひは、一握りのキャンディを両手で空高く放り投げます。

アキラ  :ほえろ、ミョルニル!

G   M:素早く動いたアキラのピコピコハンマーが、ケンの両肘を捉えます。
      そして、アキラはすぐさま離脱。

ケン   :ほげぇ!! で、電気が……。

ゆうすけ :ひじを打ったらビリビリするアレか!

ふう   :……ケンちゃん、上!!

ケン   :え? ←上を向く

G   M:そこに、はるひが先程放り投げた飴玉が落下してきます。

ケン   :おばばばばば!!! 痛い!! これ地味に痛いっ!!

はるひ  :おーっほっほっほっ。『アメ』のお味はどうですの?

アキラ  :ほくおうせんたい、オーディンジャー!! ← かっこつけてポーズをとる

ゆうすけ :戦隊モノだったのかよ!

はるひ  :わたしは違いますわよ!

アキラ  :……はるひちゃんは、フレイヤレンジャー……。

はるひ  :あんなのといっしょにしないでくださる!?

アキラ  :(小声で)……だって、かわいいから……。

はるひ  :おーっほっほっほっ、もっと大声で言ってもよくってよ!

アキラ  :…………。 ← 照れているらしい

ゆうすけ :ていうか、どんな戦隊だよ……。

ケン   :アニキ、聞いたことありやすぜ。
      史上初、仲間のロキレンジャーがマジで裏切って悪モンになった凄い戦隊っす!
      最後に正義の戦隊の1人と戦って、両方死ぬんす!

ゆうすけ :んなもん子供に見せるな!

アキラ  :……。

ケン   :しかも、レンジャーのほとんどが敵の幹部と相打ちになって死んじゃうんす!

ゆうすけ :ますます子供に見せるな!

アキラ  :…………。

はるひ  :……もう止められませんわね。あなたたち、タンバリンを持ってきなさいな。

男の子たち:はいっ!

アキラ  :…………おまえら、今、オーディンジャーをバカにしたな?

ケン   :ひぃぃぃぃぃっ! ほんとはオーディンジャーが乗ってるフェンリルが大好きっす!!

アキラ  :……そいつはてきだ。オーディンジャーのメカはスレイプニル……。 ←静かに怒る

ケン   :違う違うよ違いますっ! ほら、ヨルムンガンド最高っす!!

アキラ  :……ほう……おれのしゅくてき、ヨルムンガンドが好きか……。 ←静かに怒る

ケン   :ひいぃぃぃぃぃいぃっ!! ア、アニキ、こんな奴やっちゃって下さいよぅ!

G   M:ケンは、ゆうすけの後ろに隠れます。

ケン   :やーい! バーカバーカ! アホバカマヌケー! おしーりぺーんぺーん!

ゆうすけ :お前……。

G   M:そこに、先程の男の子たちが、2台目の三輪車を持ってきます。

男の子A :はるひさん、タンバリンもってきたっす!

男の子B :これで2つのタンバリンがそろったっす!

はるひ  :タンバリンとタンブリンじゃありませんこと?

G   M:どう見ても楽器のタンバリンではなく、三輪車です。

ゆうすけ :……タンバリン?

ケン   :多分、あの2台の三輪車は、トールレンジャーが乗ってるヤギ型のメカっすね。
      たしかに2台ともタンバリンみたいな名前だったっす。
      あいつ、雷神のトールレンジャーになりきってるつもりっすよ。まさに電波っす!

アキラ  :……。 ←ギロリとにらむ

ケン   :ひぃぃぃぃぃぃいいいいいいっ!!!

ゆうすけ :いちいち煽るな!! しかも、そんなにうまくないし!

はるひ  :アキラくん、タンバリンとタンブリンでしたわよね?

アキラ  :…………名前は、そんなに重要じゃない……。

はるひ  :あら、そうですの?

ケン   :! アニキ、あいつ、自分のメカの名前覚えてないんじゃないっすか!?

アキラ  :……!!?

ゆうすけ :どうせお前も覚えてないだろ。ほっといてやれ。

はるひ  :アキラくんをあなたたちといっしょにしないでくださる!? 

アキラ  :えっ!?

ふう   :……なら……言えるよね……。

ケン   :ほら、言ってみろよ。

アキラ  :…………タング(ごにょごにょ)と、タング(ゴホンゴホン)だ……。

ゆうすけ :ごまかしたー!!?

ケン   :うおぉぉぉっ! あのアキラに思いっきりツッコミ入れたー!
      アニキかっけー!!

ふう   :……ゆうちゃんは……ツッコミぐせがあるから……。

アキラ  :……おまえら、もうゆるさん……すりつぶす……。

ゆうすけ :ピコピコハンマーでか?

ケン   :ぷっ。

アキラ  :……ミョルニルだ!!

はるひ  :仕方ないですわね、とっとと始めますわよ。

ふう   :……2対2でいいから……勝った方が、カードと支配権ゲット……。

はるひ  :のぞむところですわ!! アキラくん、いきますわよ!!!

アキラ  :おう!!! ←戦隊風に

G   M:かくして、ひまわり幼稚園の支配権を賭けた戦いが、幕を開けます。


第2話・第6節 へ
第2話・第8節 へ

トップページへ