第2話・第6節・タイトル未定
G M:ひまわり幼稚園の運動場には、ゆうすけ、ふう、ケンの3人が。
『ふとんかいじゅう』の異名を持つふうはいつも通り、掛け布団をかぶったままです。
ふう :……さすがに、ちょっと暑い……。
ゆうすけ :脱げよ!
ケン :おっ、さすがアニキ、エロいっすねぇ!
ゆうすけ :そういう意味じゃない!! 布団を脱げ!
ふう :……下に……何も着てなくても……?
ゆうすけ :えっ!!!?
ふう :……着てるけどね。
ケン :さすがアニキとあねさん、エロいっすねぇ!
ゆうすけ :……お前ら、いい加減にしろよ。
ケン :ひぃぃぃっ!
G M:3人が運動場で待っていると、ずざざざざざと轟音を立てながら、
一人乗りの赤いソリに乗って、金髪の女の子がやってきます。
その前では、2人の年中組の男の子が立って、必死にロープでソリを引いています。
傍らには、、三輪車をキコキコこぎながらやってきた、
ピコピコハンマーやなわとびなどを持った男の子の姿が。
そして、ゆうすけたちの少し前で乗り物は止まり、
2人とも乗り物から降ります。男の子は、年齢の割に背が高いですね。
はるひ :おーっほっほっほっ。お待たせしましたわね。
アキラ :……。
男の子A :はるひさん、やくそくのおだちんを!
男の子B :ギブミーキャンディー!
G M:肩で息をしながら、男の子たちははるひに飴を要求します。
はるひ :……そんなにゼーゼー言ってたら、わたしが重いみたいじゃありませんの。
アキラ :……。
はるひ :働きの悪いブタには、これで十分ですわ。
G M:そう言って、はるひはポケットから取り出したキャンディを、ばらまきました。
色とりどりの包み紙に入ったキャンディが、地面にばらまかれます。
男の子A :おおーっ!
男の子B :ギブミーキャンディー!
G M:男の子たちは、我先にとキャンディを拾い集めます。
はるひ :おーっほっほっほっ。ブタはブタらしく、地面にはいつくばっていればいいんですわ!
ケン :な、なんてひどい奴だ……! おら、どけ!
G M:ケンは、男の子2人を押しのけて、キャンディを拾っています。
ゆうすけ :お前も拾うのかよ!! あと、お前も十分ひどいし!
ふう :……かみやはるひ……圧倒的なカリスマで、
あっという間にひまわり幼稚園のほぼ全員をまとめあげた女……。
はるひ :あら、よくごぞんじのようですわね。もっとほめてもよくってよ?
ふう :……力が弱くて性格も悪いのに、1つの園をまとめあげた凄い統率力……。
はるひ :……あなた、ケンカ売ってますの!?
アキラ :(小声で)……はるひちゃんは、優しい。
はるひ :アキラくんはだまってて!
ふう :……彼女の統率力を語るには、アメの存在が欠かせないという……。
ゆうすけ :欠かせないっていうか、100%アメの力だろ!
はるひ :な、なんですってー!!?
アキラ :……。
ケン :へっ、オレ様がほとんど拾ってやったぜ! ←アメを拾い終えたらしい
男の子A :ひ、ひどい……。
男の子B :ギブミーキャンディー……。
ケン :あぁ? こっちにゃアニキとあねさんがいるんだ。文句あんのか?
はるひ :……そういえばあなた、なぜそちらにいるんですの? ←冷たい瞳
アキラ :……。 ←無言でケンをにらむ
ケン :ひぃぃぃっ!!!
はるひ :そうだ、いいことを思いつきましたわ。
G M:はるひは、自分の足元に大玉のキャンディを3個落とします。
とてもキレイな色の、キラキラ光る包み紙です。
はるひ :パパに買ってもらった、輸入物のトロピカルキャンディですわ。
わたしにひざまずくなら、あげてもよくってよ?
ケン :……。 ←ゴクリとつばを飲み込む
ふう :……ケンちゃん、ダメだよ。
アキラ :……。 ←無言でケンをにらむ
ケン :……あねさん、ごめんなさいっす!
G M:ケンは、はるひの足元のアメに飛びつきます。
ゆうすけ :お、お前……あっさり裏切りやがったな……。
ふう :……しかも、ゆうちゃんにはごめんなさいしてないよね……。
ケン :アニキもごめんなさいっすー! ←と言いつつ、アメを拾う
はるひ :おーっほっほっほっ。ちょろいもんですわね。
2人だけで、わたしたちに勝てると思って?
アキラ :……。 ←余裕の表情
はるひ :今のうちにこうさんしなさいな。今なら、ドレイにしてあげてもよくってよ?
おーっほっほっほっほっ。
ケン :ついでにあと2つもいただきぃ!
はるひ :いじきたないですわね……。まあいいですわ。
そこの2人、心配しなくても、キャンディならまだありますわよ?
ふう :……ケンちゃん、はるちゃんにアメの入手先吐かせたら、食べ放題だよ。
ケン :!
はるひ :なっ!?
ふう :……しかも、はるちゃんにやりたい放題だよ。
ケン :!!
アキラ :!!!?
ゆうすけ :お前、地味にえぐいな。
はるひ :なっ、なんてやつですの……!?
ケン :へっへっ、裏切ったフリして様子を見てたんだが、バレちゃあしょうがねぇな。
ゆうすけ :とりあえず、お前が信用できないのはよくわかった。
ケン :アニキー、そんなつれないこと言わないでくださいよぅ。
G M:ケンが弁解のために振り向いた隙を突いて、2人が動きます。
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