第2話・第4節・タイトル未定





はるひ  :けっとうですわ! けっとうをもうしこみますわよ!

ゆうすけ :……仕方ない……。

はるひ  :でも、いきなりたたきつぶすのもゆうがじゃありませんわね。1時間だけ待ってさしあげますわ。
      それまでせいぜい、さいごのにそくほこうをたのしむといいですわ!

ゆうすけ :マジでブタ扱いする気かよ!?

ふう   :……受けて立つよ!

G   M:1時間の猶予を宣告し、はるひ一派は、ぞろぞろと運動場から引き上げていきました。
      まゆみ先生もいなくなり、運動場に残ったのは、ゆうすけ、ふう、ケンの3人です。

ゆうすけ :気のせいかもしれないんだが……お前、さっきあっち側につこうとしなかったか?

ケン   :や、やだなぁアニキ。ちょっと腹が痛かっただけっすよ。

ゆうすけ :……どの辺が痛いんだ?

ケン   :ええと、こっちかな? こっちかな? この辺だったかも……。

ふう   :……ケンちゃん……そこ、背中だよ……。

ゆうすけ :まあいい。せっかく数の上では逆転したことだし……。

ふう   :……でも、2対2で勝たないと……認めてもらえないと思う。

ゆうすけ :そうか。そうだよな。

ふう   :……3対2もアリだと、チーム移りそうな人がいるしね。

ケン   :や、やだなぁ、あねさん。そんな奴どこにもいないっすよぉ。

ふう   :……ゆうちゃんとケンちゃんが戦うんだよね?

ゆうすけ :ああ。

ケン   :もちろんっすよ!

ふう   :……でも、今のゆうちゃんとケンちゃんじゃ……あの2人には勝てないよ。

ゆうすけ :……なん……だと!?

ケン   :いやー、申し訳ないっすねー。やっぱ、はるひさんとアキラさんめっちゃ強いっすから。

ふう   :……その前に、本気の私が相手になるから……勝ってみて。

G   M:ふうは、常に羽織っている布団をがさごそと探り、中から1本の黄色い曲がった棒のようなものを
      取り出しました。よく見ると、紛れもなくバナナですね。しかも、丸いシールが貼ってあります。
      布団の中で揺られていたらしく、形こそ崩れていませんが、皮には圧迫痕などもみられます。
      唖然とするゆうすけに対し、ふうは冷静そのものでバナナを右手に握り、拳銃のような構えを取りました。
      そして、照準をゆうすけに合わせます。

ゆうすけ :お、落ち着け、ふう!

ケン   :あ、あれは……!

ゆうすけ :な、なんかあるのか、あの構えに!?

ケン   :シール貼ってるバナナっすよ! 激レアっすよ!

ゆうすけ :(こ、こいつらは……。)

ふう   :……胸に照準を合わせて……「バン」って言ったらアウト。

ゆうすけ :……なるほど。実戦練習ってことか。

ケン   :修行っすね!

ふう   :……2回アウトで……死亡……。

ゆうすけ :面白そうだな。どっちと戦うんだ?

ふう   :……2人同時でいいよ。……本気で来て……。

ケン   :あねさーん、いくらなんでも、そりゃ無茶っすよ。

ゆうすけ :いや、実質俺らは時間制限付きだ。早く倒す修行にしろってことだな。

ケン   :へっへっ。オレとアニキが組んだら、そりゃーもう無敵っすよ!

ふう   :……バン……。

G   M:ふうは、ケンの胸に照準を合わせ、「バン」と宣言しました。

ふう   :……ケンちゃん……1回アウト。

ケン   :……え?

ゆうすけ :……なん……だと!?

ふう   :……本気でやって。……2人がかりで私に勝てなきゃ……いつか誰かに殺されるよ!

ゆうすけ :……やるしかないか。いくぞ、ケン!

ケン   :へっ。残り1個のライフ、アニキに預けるっすよ!

G   M:かくして、ひまわり幼稚園の運動場で、ゆうすけ+ケン対ふうの戦いが幕を開けます。


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