第2話・第3節・タイトル未定





G   M:さて、暫定リーダー状態のはるひに、運動場に呼び出されたゆうすけとふうですが、行きますか?

ゆうすけ :……3人対、残り全部か……。

ケン   :アニキ、ザコはオレに任せといてください! (小声で)ただし、1対1で。

ふう   :……アキラくんさえやってくれれば……最悪、はるちゃんは私が……。

ゆうすけ :あの2人は、強いんだよな?

ケン   :強いっすよ! 紙一重でオレより強いっす!

ゆうすけ :自信がありそうなのを逆手に取って、2対2の決闘に持ち込むしかないか……。

ふう   :……人選は……。

ゆうすけ :さっそくお前の力が必要だ。情報を頼む。

ケン   :はるひさんはアメ使いっす。回復が得意で、攻撃もできるっす。
      で、アキラさんは『ミョルニル』ってピコピコハンマー。凄い攻撃力っす!

ゆうすけ :凄い名前のピコピコハンマーだな。

ふう   :……ゆうちゃん、作戦を……。

ゆうすけ :運動場でその布団は動きにくいだろう。俺とケンで行く。

ケン   :へっ、任せといてくださいよ!

G   M:では、運動場に行きますね?

ゆうすけ :ああ。もちろんだ!

G   M:ひまわり幼稚園の運動場には、はるひとアキラを先頭に、
      戦えそうな年齢の園児たちが大集合していました。その数、約20名。
      そして、いつも以上にオドオドした様子の、まゆみ先生の姿もありますね。

ケン   :(戦力全部つぎ込んで来るのかよ! 聞いてねーし!)

はるひ  :おーっほっほっほっ。おそかったじゃありませんの。さては、おじけづきましたの?

ゆうすけ :ちょっと色々あってな。

G   M:大軍勢をバックに余裕のはるひ。
      対して、ゆうすけは平静を装いつつも、
      ここから2対2の決闘に持ち込む方法を必死に考えます。
      そんな中、まゆみ先生はノートを開きます。
      執政官代理に渡された、ルールブックというやつですね。
      そして、小動物のようにオドオドしつつ、独特の間延びした震える声で話し始めます。

まゆみ先生:みなさ〜ん……今から、支配権を賭けた戦いのルールを、説明しま〜す……。

はるひ  :おーっほっほっ。よくわかりませんけど、なんでもよろしくってよ!

アキラ  :……もんだいない。 ←腕を組んで目を閉じ、何かのマネをしているらしい

ゆうすけ :「今から殺し合いをしてもらいます」ってのは、無しにしてもらいたいが……。

ふう   :……。

まゆみ先生:もぅ。そんなこと言っちゃダメですよ〜、ゆうすけくん。

ゆうすけ :(ガキ扱いか!)

ケン   :へっへっ。怒られちゃいやしたね。

まゆみ先生:支配権を賭けた戦いは、リーダーを決めて行ってくださ〜い。
      これは、他の幼稚園との戦いのことみたいです〜。ですから、みなさんで……

はるひ  :そんなの、わたしに決まってるじゃありませんの! 多数決で決定ですわね!

一般園児A:そうだそうだ!

一般園児B:はるひちゃんがリーダーだ!

まゆみ先生:ええと……リーダーは〜、このリストに名前が載ってるメンバーが、決めないといけないみたいです〜。

ふう   :……?

はるひ  :どういうことですの?

まゆみ先生:5人載ってるので、読み上げますね〜。まず、いしいけんくん。

ケン   :ま、当然っすね。

まゆみ先生:かみやはるひちゃん。

はるひ  :2ばんめによばれるのも、きらいじゃありませんでしてよ。

まゆみ先生:さとうゆうすけくん。

ゆうすけ :俺か……。

まゆみ先生:しばはらふうちゃん。

ふう   :……。

まゆみ先生:最後に、たかぎあきらくん。

アキラ  :……もんだいない。

まゆみ先生:ええと、全員の意見が合わないときは……こんなこと言いたくはありませんけど……
      た……戦って決めてくださ〜い……。

G   M:まゆみ先生は、最後はほとんど泣きそうな声です。
      お上公認とはいえ、園児たちのケンカを促す立場になっちゃいましたので、
      普段おっとりしたまゆみ先生がそうなるのも、無理もないことかもしれません。

はるひ  :よくわかりませんけど、むだなちがながれないのもわるくありませんわね。

アキラ  :おれは……はるひちゃん!

ケン   :やっぱ、はるひさんで決まりっすよね〜!

ゆうすけ :おいっ!?

はるひ  :とうぜんですわね。それで、しばはらふうはだれをしめいしますの?

G   M:余裕の表情で、はるひはふうを見つめます。そして……。

ふう   :……ゆうちゃん。

はるひ  :……はぁ?

ふう   :……リーダーにふさわしいのは……さとうゆうすけくんだよ!

ゆうすけ :ああ。俺がリーダーだ。

アキラ  :……!?

はるひ  :あなたたち、わたしにたてつく気ですの!?

ふう   :……。

ゆうすけ :どうせ強くなきゃ生き残れないんだ。
      強い奴がリーダー、それで文句ないだろ?

はるひ  :……あなたたち、なまいきですわね。あなたたちがまけたら、そうですわね……
      ブタとして、わたしのソリを引くやくめにしてあげますわよ! おーっほっほっほっ!


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