第2話・第1節・タイトル未定





G   M:場所は、ひまわり幼稚園のホール。
      お気に入りの最も大きな部屋でくつろぐ金髪縦ロールのお嬢様はるひと、
      はるひに付き従う長身の男の子アキラの姿があります。
      床には、おやつを入れるカゴが置かれていて、中には、両手に入りきらないほどのアメの山。
      棒つきのキャンディはひとつもなく、全てが色とりどりの紙に包まれた、小型で球形のアメ。
      このアメこそが、食糧事情の厳しいこの地域での富であり、
      はるひを支配者ならしめた武器でもあるのです。

はるひ  :おーっほっほっほっ! これでわたしがリーダーですわ!

アキラ  :……。 ←あさっての方向を向いて目を閉じ、おもむろにうなずく

G   M:そこに、血相を変えた一般園児が飛び込んできます。
      はるひの取り巻きの1人の男の子ですね。
      もっとも、取り巻きとはいえ、ほとんど常に側にいるのはアキラだけですが。

一般園児 :は、はるひちゃん!

はるひ  :なんですの? そうぞうしいですわね。

アキラ  :……。

一般園児 :ケンさんがやられました!

はるひ  :へぇ。いしけんがわたしたちいがいにまけることもあるんですわね。

アキラ  :……。

はるひ  :しばはらふうのしわざですの? それとも、2たい1ですの?

一般園児 :いえ。ゆうすけです! 1たい1です!

アキラ  :!

はるひ  :へぇ。なかなかやりますのね。

アキラ  :……もんだいない。 ←腕を組んで、あさっての方向を見ている

はるひ  :いしけんがやられたくらい、気にすることありませんわ。たった2人で何ができますの?

アキラ  :……やつは、われらの中でさいじゃく……。 ←ニヒルな笑みを浮かべながら、何かのマネをしているらしい

はるひ  :……あなた、アメをあげますから、ぜんいんあつめてきなさいな。今すぐ。

一般園児 :はい!

はるひ  :いしけんにかてるていどの力があるなら、全力でおあいてしてさしあげますわ。

アキラ  :……。 ←あさっての方向を向きつつ、目を閉じて、無言でうなずく

はるひ  :ひまわり幼稚園オールスターで、たたきつぶしてあげますわよ!
      おーっほっほっほっほっ!!


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