第1話・第8節・タイトル未定
G M:路上での第2回戦は、ゆうすけの勝利で幕を閉じました。
ケンは倒れ、ふうはゆうすけの元へと駆け寄ります。
ふう :……ゆうちゃん、勝ったね!
ゆうすけ :ふ、ふうちゃん……さっきのは……。
ふう :……ふうでいいよ……ふうじゃなきゃヤダ……。
ゆうすけ :……な、なんで? えっと、そ、その、さっきのって……。
ふう :……ゆうちゃんには、うちの組を率いる資質があるから。
G M:先程のほっぺにちゅーを思い出し、照れるゆうすけ。
対照的に、ふうは冷静なように見えます。
ふう :……お父さんと一緒で……人間を見る目は、あるつもりだから……。
ケン :……誰がうちの組を率いるだぁ?
ゆうすけ&ふう:!?
G M:驚く2人の視線の先には、先程まで倒れていた筈のケンの姿が。
いつの間にか起き上がっていて、落としたけん玉も拾い上げています。
ゆうすけは慌ててプラスチックソードを拾いましたが、体に激痛が走ります。
それ以上のダメージを受けた筈のケンが早くも戦闘態勢に入っているのは、
にわかには信じられないことです。
ゆうすけ :……なん……だと……!?
ケン :けっ。調子乗ってんじゃねーぞ。まだ1対1だろ!
ふう :……こっちは2人賭けてたから……もう勝ちなんじゃ……?
ケン :うっせー! 勝手に決めんな!
ゆうすけ :……暴力は好きじゃないが、避けられない戦いなら仕方ない。
ふう :……どうしても、もう1回やるの?
ケン :……その前に、テメー、何が目的だ?
ゆうすけ :目的か……お前はどうなんだ?
ケン :へっ。女子高生のお姉さんに囲まれた楽園に決まってんだろ!
ゆうすけ :気持ちはわからないでもないが……。
ふう :……。 ←凄く冷たい目。
ゆうすけ :いや、違う! ふうちゃ……じゃんなくて、ふう! 違うんだ!
ケン :……呼び捨て……だと……!?
ゆうすけ :その話は後にしてくれ。ややこしいから。あと、お前は最初から呼び捨てしてただろ!
ケン :くそっ、これからエロいことしまくる気か……。
ゆうすけ :するかっ!!
ふう :……しないの?
ゆうすけ :うん。しない……って、何で意外そうにするんだ!?
ケン :けっ。この世界は、勝った奴が好き放題できるんだよ。いい子ぶってんじゃねーよ。
ゆうすけ :……仮にそういう世界だとしてだ。お前はそれで満足か?
ケン :満足に決まってんだろ? ジャマすんじゃねーよ。
ふう :……負けたら、まゆみ先生も……何されるか……。
ケン :!!?
ゆうすけ :満足なんだな?
ケン :…………い、いや……。
ふう :……ケンちゃん……。
ゆうすけ :戦いのルールとかはよくわからないけど、とにかく力が必要だ。
支配権を賭けて戦えってことは、やばい奴に負けたら、ふうの言う通り地獄だぞ。
ケン :守るための戦い、ってことか?
ゆうすけ :いや、違う。そもそも、この世界が間違ってる。
ふう&ケン:……?
ゆうすけ :テレビ、見たよな? 国会占拠するどっかの園児。
ケン :ああ、見たけど……あれから、こんな世界になったんだよな。
ふう :……うん……みんな見てたし……。
ゆうすけ :あれをもう1回俺らがやる。変な法律なんか無くせばいい。
……こんな世界、俺らがぶち壊してやるんだ!!
G M:ゆうすけの叫びは、2人の心を揺さぶります。
それがなぜなのか、2人にはわかりませんが……。
ふう :……器だね……。
ケン :……でけぇ……。
ゆうすけ :暴力に頼るのは不本意だが、力がないと、攻められたときに押し潰されるだけだ。
まずは、園内をまとめたい。……ケン、力を貸してくれ!
ふう :……ケンちゃん、お願い……。
ケン :……でっけぇな……オレが勝てねーわけだ……。
ゆうすけ :戦ってみてわかった。お前は強い。だから、頼む!
ケン :はい! アニキって呼ばせてくだせぇ!
ゆうすけ :きゅ、急になんだ!?
ケン :いやー。アニキの考えがわかって、感動しました!
ふう :……器だね……。
ゆうすけ :……そ、そうか?
ケン :国会占拠したら、女子高1つでいいんで、オレのもんにしてもらえれば……。
ゆうすけ :全然わかってないだろ!
ふう :……一件落着、だね。
ゆうすけ :落着、なのか?
ケン :アニキ! オレたちの冒険は、まだ始まったばかりっす! 〜第一部・完〜
ゆうすけ :打ち切りみたいに言うなよっ!
かくして、ケンが仲間に加わりました。
ひまわり幼稚園を統一すべく、3人の戦いが始まります。
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