第90話・



グビアナ城の中で、ユリシス女王に会おうとしたみつばたち。
しかし、沐浴場の中で侍女の体を触りまくっている女王は、いっこうに出てくる気配が無い。
なお、廊下では、女王様の大切なペットを逃がしてしまったという侍女が慌てて走り回っていた。
2階に上がり、別の侍女に話を聞くと……。



侍女
「ジーラお姉さまが逃がしてしまったトカゲを探してるんですけどぉ……。」



お姉さまって……やっぱ、この国は危ない。



さて、大臣に話を聞いたところ、やはり、女王様はただの旅人には会ってくれないという。
と、そこで、大臣は何かを思いついたようだ!



大臣
「……っと、そうじゃ! 旅の者よ。実は今、このグビアナ城では、困ったことがあってな。
 それを解決してくれれば、おぬしを女王様にお目にかかれるよう、計らってやろうではないか。
 どうじゃ、ワシの頼みを聞いてくれるか?」
みつば
「いいえ」
大臣
「なんじゃい。ツレないのう……。」



結局、受ける。
女王様のペットの、アノンという金色のトカゲが逃げ出して、探しているのだという。



大臣
「金色のトカゲは、女王様の心の友とも呼べる、大切なペット……。
 よろしく頼んだぞ!」



心の友よ〜。

その後、女王様の寝室にあったタンスから、踊り子の服とサンダルを手に入れた。
女王様は、踊り子の服なんてまず着ないだろうな。やっぱり、誰かに着せるのか。
この前はこのタンスでニーソックスを見つけたことだし。


さて、トカゲを逃がしたジーラに聞くと、大きな音が苦手だから、近くで拍手をすると出てくるだろうという。
他の人は、トカゲは暑さに弱くて、日陰にいるだろうと言っていた。
それらの情報を総合し、城の左手奥の木の前で拍手。すると、驚いたアノンが出てきた!
みつばは金色のトカゲを捕まえた!
トカゲを捕まえたことをジーラに報告。
大臣に話してもったいぶりたかったのだが、強制的に渡してしまった。

そして、大臣とジーラとともに、女王様に会うことになったみつばたち。
しかし、女王は、アノンを逃がしてしまったジーラをクビにしてしまう。
なおも、ユリシスは衝撃の事実を告げた。



ユリシス
「そう……。私に、黄金の果実を譲れとおっしゃるのね?
 それはムリな話だわ。なぜって……?
 今、私の手元に、黄金の果実がないんですもの。
 お風呂から出たら、果実がなくなっていたの。
 どうせ、どこかのドロボーネコが盗んで食べたんでしょうけど……。」



そこに、別の侍女が駆けてきた。
アノンが見つかった草むらに、黄金の果実があったという。



ユリシス
「どう? この果実、あなたに差し上げてもよくてよ?」
みつば
「いいえ」
ユリシス
「アハハハハ! やだ、本気になさったの? あなたにあげるわけないじゃない!」



いや、いらないって言いましたが……。



ユリシス
「私、この果実をスライスして、一切れ残らず沐浴場に浮かべようと計画しておりましたの。
 黄金果実のお風呂に入れば、おハダがもっとスベスベになるに違いありませんもの。
 嬉しいでしょう? あなたの探している果実は、こんな名誉な使い方されるのよ。
 それでは、アノンちゃん? ばっちい旅人さんに触られたから、さっそくお風呂に行きましょうねー。」



ユリシスは、アノンをつれて去っていった。



サンディ
「なによ、あれー!? 超カンジ悪いんですケド! ホントに女王さま!?
 ねえ、みつば、今の聞いた?
 アイツ、女神の果実をスライスするとか言ってたよネ!?
 女神の果実をスライスなんかしたら、なにが起きるかわかんないヨ! マジ ヤバいって!!
 すぐに追っかけて、止めなきゃ。女王たちが向かった沐浴場まで、ダッシュで行くヨ!」



クビになったジーラは、それでも女王のことを案じていた。
むしろ、他の侍女のほうが、ショックを受けている。



侍女
「ジ…ジーラお姉さまがクビだなんて……。ふぇぇ〜ん! そんなのないよぅ!」



だめだこの百合王国、早くなんとかしないと……。


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