第89話・



グビアナ城下町で、情報を集めるみつばたち。
ある民家の中にいた町の人に話を聞いてみる。



町の人
「今グビアナを統治しているのは、若くて美しい女王ユリシス様。
 しかし……政治に関心がなく、ワガママ放題で遊びほうけてばかりなんだよ。」



女王の名前は、ユリシスというようだ。
ひつじひつじひつじ肉〜。
この砂漠の町は、先代の王ガレイウスが築いた地下水路により、豊かになったそうだ。
だが、今の女王ユリシスは、自分のための浴場を作るなど、わがままばかり。
お陰で、町の人が使える水が減ってきているという。
みつばは、兵士詰め所へも行ってみる。



兵士
「ここは、砂漠の魔物から民を守るために作られた、兵士詰め所である。
 ……しかし、今は女王様の支援が無く、活動を停止しているのだ……。」



悪政の影響は、こんなところにまで及んでいた。
詰め所の2階にいってみると、昼間だというのに、兵士が寝ている。



兵士
「グー、グー……。……なんだい?
 仕事がねえんだ。ゆっくり寝かしてくれよ。」



民家にいたコックに話を聞くと……。



コック
「とある旅の商人が、金ピカの果物を女王様に差し上げたそうだ。
 その旅の商人なら、今ごろ、お城でもてはやされているだろうよ。」



さっそく、お城へ行ってみることに。
なお、入り口にいた兵士に話しかけてみると……。



兵士
「我が城は、女の城と言っても過言ではない。
 ゆめゆめ、変な気は起こさぬようにな。」



女同士なんですが……。



兵士
「……と、そなたは、よく見れば女。これは失礼をした。」



女の城……。
先程の、事業仕分けのあおりを受けた兵士詰め所は、男ばかり。
そして、ニートといいマキナといい、この世界には、名は体を表す的な人が多い。

まさか、ユリシス女王って……百合?

城に入ると、いきなり入り口には女戦士が2人。
男もいるが、女性の方が圧倒的に多い。



侍女
「女王様は今、沐浴の真っ最中です。覗いたりしてはいけませんよ。」



いや、女同士でその発想は……。

さて、商人に話を聞いたところ、黄金の果実は、すでに女王様にあげてしまったという。
入浴中の女王に会うために沐浴場の前に行くと、女戦士が扉の前にたちはだかっていて、通れない。
なお、「たちはだかっている」というのは、「はだかでたっている」という意味ではないので、注意されたし。

そうこうするうちに、扉の向こうから声が聞こえてきた。



「……まあ、女王様ったら、またおムネが一段と大きくなられて。おうらやましいわ。」

女戦士
「……と、このように、女王様は侍女と沐浴を楽しんでいらっしゃる。
 中に入ることはまかりならん。」



女王専用浴場という話だったはずだが、女の子といちゃいちゃしながら入ってるのか。
再び扉の前で女戦士と話していると、また、扉の向こうから声が聞こえてきた。



「……キャッ! 女王様ったら、どこをおさわりになるのですっ。
 おたわむれがすぎますわっ。」



ど、どこを触ったんだ!?
ていうか、やっぱり百合か!




その後、女戦士と話すたびに、沐浴場の中では同じやりとりが繰り返されていた。
どこを触ったのかは知らないが、何回も触りまくってるのか……。
その後、女王様が少なくとも10回お触りしたのを確認したが、沐浴場から出てくる気配は無い。


この国も長くねーな……。


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