第18話・とあるイロホンの禁書目録



気を取り直して、みつばたちはセントシュタイン城内を探索する。
庭にある井戸の中で、壁の裂け目の前に立っている男を見つけた。



マニー
「地震でできたひび割れのずっと向こう側によう。なーんか部屋っぽいのが見えるんだよ。
 けど、こんな狭い隙間、とてもじゃないけど通れやしねえ。
 なあっ、オレ、マニーってんだけどさ、そこのあんた、
 ちょっと、スライムゼリー持って来れねえか?」
みつば
「いいえ」
マニー
「なんだ。つめてえ奴だな。ちゃんと礼ならするってのによう。」



スライムゼリーは、実はそこそこのレアアイテム。
だが、スライムとの戦いで、偶然にも手に入れていたのだ。
男の本名も気になることだし、クエストを受注してみる。



マニー
「おおっ! それだよ、そのスライムゼリー! オレにくれるんだよな?」
みつば
「いいえ」
マニー
「なんだい、見せるだけってか? じらしやがってよう。」



仕方が無いので、渡してやる。
マニーはお礼に、力の種をくれた! これは凄い!



マニー
「さあて、こいつを身体に塗りたくってだな……うひっ、つめてえ!
 こうすればツルンと……。」



マニーは裂け目に入る。



マニー
「ツルンと……。………………。
 ……行けねえ。行けるわけがねえ。それどころか……
 身体がはまって、抜けそうにねえ。
 いや、いや待て待て、ちょっと待て。
 いくらなんでも、そんなヤバイ話がある……く……
 ぬおおおおおおおおおおおッ!!
 ………………。抜けた。
 ダメか。そうだよな。そうさ。スライムゼリーなんかでなんとかなるわけねぇって……。」



クエスト007『気がかりなスキマ』クリア!

そして、城の1階では……。



イロホン
「ふるーい書物の中に、すんばらしい本を発見したのじゃ。こりゃ、たまらんわい。
 じゃが、肝心なところが黒く塗りつぶされておってのう。」



肝心なところが黒く……それって……。



イロホン
「お前さん、まほうのせいすいを持っておらんか?
 こりゃあヒミツの話じゃがの。アレがあれば、黒いインクを消すクスリが作れるんじゃよ。ヒヒ!」
みつば
「いいえ」
イロホン
「ふーむ、旅のついででいいんじゃがのう。嫌ならしょうがないわい。」



店使用禁止の場合、まほうのせいすいは、かなりのレアアイテムである。
しかも、MP回復の効果がとても強い。
が、 黒いアレを消すのはロマンなので 、受注してみる。
ていうか、名前自重……。



イロホン
「おお、お前さんが持ってるのは、魔法の聖水じゃないか!
 ささっ、それをワシに譲ってくれ!」
みつば
「いいえ」
イロホン
「なんじゃ! ケチ! ケーチ、ケチ!!」



魔法の聖水を渡すと、イロホンは秘伝の薬と魔法の聖水を混ぜ合わせた。



イロホン
「よし! できた。こいつを使えば……ニシシ。
 おおっ、見える! 見えるぞ! 大事な所の黒インクが消えて、全部バッチリのバッチシじゃ!」



おおっ!!!



イロホン
「ほれ見るか? このセントシュタインのふるーい歴史書じゃよ!」



ズコー!!



お礼にと、イロホンは不思議な木の実をくれた。これは凄いアイテムだ……。
クエスト008『だいじな所の黒インク』クリア!

しかし、この脱力感は何だろう……。


第17話 へ
第19話 へ

トップページへ