第124話・



クウォンの第一の試練を突破。
だが、すでに素手のスキルは極めているので、建物を出入りして、もう一度話しかける。



クウォン
「……素手スキルを極めた者が俺の前に現れる理由はただひとつ。
 素手の秘伝書が欲しいのだろう? だが、ホイホイと与えるわけにはいかないな。
 何も身に着けずに、宝の地図のダンジョンの10階以降で、
 魔物どもを50匹、通常攻撃でとどめをさして倒すんだ。」



え? そんな簡単でいいの?



クウォン
「その素手の実力が本物であることをおれに証明できなければ、素手の秘伝書は授けられない。
 どうだ? なかなか難しいだろう。お前さん、この試練をやりとげる覚悟はあるかい?」
みつば
「いいえ」
クウォン
「そうか。まあ、無理にとは言わんよ。
 お前さんがどうしようと、全てお前さんの自由だからな。」



とりあえず、受けるだけ受けておこう。
クエスト090『徒手空拳の試練』受注。

火力を元に戻すため、ダーマにルーラし、ひとはを魔法使いに転職。
そして、青い木のところへ。天の箱舟で、天使界へと向かう。
天の箱舟の車中、みつばの背後にまぶしい光が!
程なくして光が消え、イザヤールが現れた!



イザヤール
「久しいな、みつば。」



みつばを探して姿を消したという、師匠の天使イザヤールだ。
けはえを薄くして気付かれなかったというわけでもなく、瞬間移動で現れたようだ。
地上に降りたという割には、世界のどこに行っても、なんかみないなと思っていたが。
ともあれ、ケガなさそうで安心した。これで悩み無用だ。



サンディ
「ちょ……。誰よ、この人。天使みたいだけど、みつばの知り合い?」



うなずくみつば。



サンディ
「へえ、みつばのお師匠さん? ふーん……。
 アタシ、サンディっていいます。この天の箱舟で、バイトやってます!」



ついにバイトだと認めやがった!



イザヤール
「落ちた女神の果実を探していたのは、お前だったのだな、みつば。」
サンディ
「ガン無視ですか? そうですか。」
イザヤール
「女神の果実は、私が天使界へと届けよう。
 さあ、みつば。女神の果実を私に。」
みつば
「いいえ」
イザヤール
「天使は自分よりも上級の天使に逆らえぬ。それが慣わしと教えたはずだ。
 さあ、果実を私に渡すのだ!」



以下、無限ループ。
上級天使には、かみつけないのが天使の掟。
むげに断ることもできなさそうだ。
仕方が無いので、みつばは全ての女神の果実をイザヤールに渡した。



イザヤール
「さすがだな、みつば。地上に落ちた女神の果実は、7つ。それを全て集めていたとは。
 確かに、女神の果実は受け取ったぞ。これで……。」



みつばにはげましの言葉を送るイザヤール。
そう。もうこんなにたくさん持っているのだ。
その時……。



……イザヤールよ、ごくろうであった。
約束どおり 女神の果実を わが帝国へと 送りとどけるがよい……。




イザヤール
「はっ……。」
サンディ
「今のヘンな声、なに? いったい、なにが起こってるのヨ!?
 ちょ、みつば! なんか、この人、やばくネ? 果実渡して、ほんとによかったの?」
イザヤール
「……私に刃向かう気だな。」



イザヤールは剣を抜く。



イザヤール
「ジャマをするというなら、容赦はしないぞ、みつば!!」



かくして、イザヤールとのはげしい戦いが幕を開ける!


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