第43話・ぎがでーもんのおもちゃ

HPの高いユキ・ライアンの2人で、前回の対戦で敗れたギガデーモンに再戦を挑む。

ライアン「相手にとって不足はありませんな。」

☆VSギガデーモン
敵は、攻撃力が高い上に2回攻撃してくるギガデーモンだ。

さて、通常の4人パーティーではなく2人パーティーで戦闘をしていると、
当然、ゲームバランスは通常とかなり異なってくる。
もちろん、攻撃要員は、単純計算で通常の半分しかいない。
それだけならばまだいいのだが、もっと大きな問題がある。
敵に狙われる人数も通常の半分しかいないのだ。
どういうことかというと、敵は2人のうちどちらかしか狙えないので、
4人パーティーの時に比べ、 敵の攻撃を受ける確率が格段に高くなる のだ。

そして、今度はボス戦のことを考えてみよう。
たいていのボスの攻撃手段は、大きく分けて2つに分けられる。

1.1人に対し、ダメージの大きい打撃攻撃。
2.全員に対し、ダメージが中程度の魔法(あるいは息)攻撃。

通常の4人パーティーの場合、2の攻撃手段の方が恐い。
打撃攻撃ほどのダメージを受けないとはいえ、4人もの仲間がかなりのダメージを受ける。
その上、その中にはHPの低い魔法使い系の仲間も含まれているため、
優先的に回復させねばならなくなり、攻撃に集中できない。
しかし、4人パーティーで1の攻撃を受けたとしても、たいした脅威ではない。
狙われるのは前から1〜2番目にいる仲間がほとんどで、
元々HPも高いので、たいした被害は受けない。
たまに後列の仲間が狙われることもあるが、一撃でやられることはまずない。
どちらにしろ、次のターンで魔法を使って回復させればいいだけである。
もちろん、1人しかダメージを受けていないので、
そのターン回復に回る人数は通常1人で足りる。

しかし、2人パーティーの場合、状況は大きく異なる。
2の攻撃を受けても、ダメージを受けるのはたったの2人。
よって、全体攻撃は逆に恐くない。
しかし、1の攻撃を受けた場合、攻撃を受ける確率は各人2分の1であるため、
かなり悲惨なことになる。
しかも、1人が回復に回っている間、攻撃に回せる人数はわずか1人。
ボスの自動再生能力を考えると、これはシャレにならない。

今回戦うギガデーモンの場合、ルカナンで守備力を下げつつ
ひたすら打撃攻撃をしてくる
という、 最高に相性の悪い敵 だ。
2人に勝機はあるのか!?

ともあれ、戦闘が始まった。
回復をできる限り節約し、ユキのギガデインで押しまくる作戦だ。
ちなみに、ライアンは、与えたダメージに応じてHPを自動回復できる
奇跡の剣を装備している。
そして、ユキは星降る腕輪を装備し、素早さが2倍になっている。

1ターン目、ユキはギガデインを唱えて190のダメージを与えた。
ライアンは打撃攻撃で119のダメージ。
ギガデーモンはライアンに2回攻撃。
2ターン目、ユキはギガデインで213のダメージを与えた。
ライアンは攻撃して27のダメージ!?
ギガデーモンは大防御で打撃攻撃に備えつつ、ライアンを攻撃。
3ターン目、ユキはギガデインで211のダメージを与えた。
ライアンの攻撃は117のダメージ。
ギガデーモンはルカナンを唱えた。
ユキには効かなかったが、ライアンの守備力がダウン。
そして、ギガデーモンはさらにユキを攻撃した。
4ターン目、ユキはギガデインで182のダメージ。
ライアンは攻撃で132のダメージを与えた。
ギガデーモンはライアンに2回攻撃。
ルカナンで守備力が下がっていたこともあり、ライアンが瀕死の重傷を負った。
5ターン目、ユキはベホマでライアンのHPを全快。
ライアンは攻撃して24のダメージ。
ギガデーモンは大防御しつつ、ユキに攻撃。

戦闘開始から5ターンが経過した。
これまではかなりのダメージを与えている。
しかし、大防御を使われたターンはライアンの攻撃が無力化されてしまうことが判明。
こうなると、回復を温存してギガデインを撃ちまくるしかないが、
HP減少時に痛恨の一撃を受ければひとたまりもない。
最終的には運次第か……。

6ターン目、ユキはギガデインで204のダメージを与えた。
ライアンは攻撃して134のダメージ。
ギガデーモンはルカナンで全体の守備力を下げ、さらにライアンを攻撃。
7ターン目、ユキはベホマで自分を回復。
ライアンは攻撃して130のダメージ。
ギガデーモンは守備力の下がっているライアンに2回攻撃!
8ターン目、ユキはベホマでライアンを回復。
ライアンの攻撃はわずか23のダメージ。
ギガデーモンは大防御しつつ、ユキを攻撃。
9ターン目、ユキはギガデインで205のダメージを与えた。
ライアンは攻撃して116のダメージ。
ギガデーモンはまたもルカナンを唱えた。
しかし、MPが足りない!
さらに、ギガデーモンはユキを攻撃。
10ターン目、ユキはベホマで自分を回復。
ライアンは攻撃して125のダメージ。
ギガデーモンはライアンを攻撃。
そして、さらにもう一度ライアンを攻撃。しかも、その攻撃は痛恨の一撃!
ライアンは瀕死の重傷を負ったが、かろうじて生きている。

戦闘開始から10ターンが経過。
ユキのギガデインとライアンの攻撃で押し気味に戦いを進めているのだが、
やはり、痛恨の一撃は脅威だ。
ギガデインの多用でMPが切れる前に、なんとか倒せるといいのだが……。

11ターン目、ユキはベホマで瀕死のライアンを回復。
ライアンの攻撃は28のダメージ。
ギガデーモンは大防御しつつ、ライアンを攻撃。
12ターン目、ユキはギガデインで214のダメージを与えた。
ギガデーモンを倒した!

そして、ギガデーモンが落とした宝箱の中から 棍棒 を回収した。
い、要らん……。

ギガデーモン「ば……ばかな……。ぐふっ!」

結界の1つが消えた。

さて、今回の戦いは、想像を絶する大激戦 だった。
ここはひとつ、ライアンに感想を聞いてみよう。

ライアン「思いのほか手ごたえがなかったですな。」

……うそつけ。お前、めちゃめちゃ苦戦してたろ!

ともあれ、残る結界はあと2つ。
希望のほこらでHPとMPを全快し、北西のほこらへ向かった。

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