第08話・節約!?



澪の家に泊まり、一夜が明けた。
そして翌日、4人は再び酒場の2階に陣取っていた。




「お茶が入ったわよー」



一行は、すっかり馴染んだ唯とともに、4人でテーブルを囲む。




「そういえば、ずっと疑問に思ってたんだけど、この酒場ってやけに物が揃ってるよね。
 最近の酒場ってこんな感じなのかな?」

「ああ、それは私の家から持って来たのよ」

「自前!?」

「ていうか、酒場の一角を私物化してるのか!」

「あ、店員さんだ」
店員
「どうもいらっしゃいませ、紬お嬢様」

「あら、どうも」



店員は去っていった。




「よーし、この調子で遊ぶぞー!!」

「おーっ!!」

「れ……練習は、しないのか?」

「とりあえず、楽器が無いと何も始まらないしなー」

「ギターってどれくらいするの? 値段」

「うーん…安いのは1万G台からあるけど、あんまり安すぎるのもよくないから、
 最低でも3万Gくらいのがいいかも…」

「さんまんごーるど!?」

「高いのは10万G以上するのもあるよ?」

「お金なら私が……」

「それはだめだよ」

「じゃ、いっちょモンスター倒して稼ぐか」

「買い物しなかったら、けっこう貯まるよね!」



かくして、一切買い物をせず、お金を貯めていくという方針が固まった!




「頭使ったら疲れたー。もう今日はやめにしようぜー」

「おーっ!!」

「ケーキもあるわよー」

(こいつら、大丈夫なのか……。)



かくして、今日も無為に日が暮れるのだった。






軽音部の廃部まで、あと28日。


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