第09話・装備!?





そして、ある日の教室……。




「……う〜〜ん…」

「…何うなってるのよ、唯」

「あ、和ちゃん…どの装備にしようかまだ迷ってて」

「え!? まだ決めてなかったの? もう学校始まって2週間経ってるよ?」

「でもでも私、運動音痴だし、何が装備できるのかもよくわからないし…」

「はあ……こうやってニートが出来上がっていくのね…」

「何もしてないだけでニート!?」






注:まさにその通りです。






唯は慌てて酒場の2階へと向かう。そして、その頃……。




(本当に、このままでいいのか?
 魔王を倒さないと楽器屋は復活しないし、
 軽音部に入った目的は、遊ぶことじゃ……。)

「あ、それロン!」

「なにぃーっ!?」

「あらあら」

「あンた、背中が煤けてるぜ」

「な、なけなしの50Gが……(でも、3人打ちだから国士無双でもツモれば……!!)」

(足りない分は、体で……もちろん、澪ちゃんはそのためにわざと負けて……ハァハァ)



そこに、唯が走ってきた!




「澪ちゃんりっちゃんムギちゃん! そろそろ出かけないと!」

「どこに?」

「お前が言い出したんだろうが!!」

「あれから10日以上経ってるよ!」

「全く…律が遊ぼうとか言うから、時間ほとんど無くなったじゃないか…」

「一番楽しそうに遊んでたの誰だよ」

「装備を整えないと。和ちゃんが、 『武器や防具は持ってるだけじゃ
 意味が無いぜ。装備しないとなっ。』
って言ってた!」

「序盤の町の人かよ」

「一応、合ってるけどな」

「今日中に装備を整えて、明日から出かけないと!」

「今日出かけないとダメでしょ」

「和ちゃん!」



いつの間にか、酒場の2階に和の姿が!




「今日はみんなに生徒会からの言伝があって来たんだけど…
 実は…軽音部がなくなってしまうかもしれないの」

「な、なんで軽音部がなくなるんだ?」

「例えば合唱部だとコンクール に出るとか何かしらの活動をしているんだけど、
 軽音部はそういう活動が見られないのよ」

「全39話ですか?」

「それは3クール」

「タンヤオ」

「それはダディクール」

「変な形のお肉の缶詰?」

「それはコンビーフ」

「コンクールといっても、楽器も無いしな……」

「和ちゃーんっ!!」



唯は、目に涙を浮かべながら、和の胸に飛び込んでいった。




「うわっ!!」

「和ちゃんの力でなんとかならないのぉ?」

「なんとかって…」

(……友達の胸に顔をぐりぐり……汗のしみこんだ制服に……ハァハァ……)

「……まだ本決まりじゃないみたいだし、これから活動実績を示せば大丈夫なんじゃない?」

「活動実績って?」

「例えば、コンクールに出るとか、部員増やすとか」

「ああ、それなら大丈夫だよ。」

「おお、唯、何かいい案が?」



唯は、和の腕を取り、2人で腕を組んだ。




「新入部員の和ちゃんです(はぁと)」

「入らないわよ」

(友達の腕を取って、胸を押し付けるなんて……恐ろしい子……ハァハァ……)

「それじゃ、伝えることは伝えたから、帰るわね」



そう言って、和は去っていった。




「ど、どうしよう、澪ちゃん」

「お、落ち着いて、唯」

「先生の力で何とかなりませんか?」
さわ子
「え?」



さわ子先生は、黙々とケーキを食べていた!




「さわちゃん、いたのかよ!!」



この映像をよーく見てほしい
お気づきだろうか?

そう、背景そっくりに擬態した音楽教師が隠れているのである。

そこで、今夜はこのような驚くべき能力を持った
生き物たちの世界へ、皆さんを招待しよう。





「ていうか、いつの間に顧問になったんだ!?」
さわ子
「いやー、みんなが私をスルーして冒険に出ようとしてて、結構寂しかったのよね」

「軽音部のおかげでせっかくみんなと仲良くなれたのに…
 なくなるなんてやだよ…」

「唯…」
さわ子
「…そんなに悲観的にならなくても、
  廃部までにライブやって、部員ゲットすればいいんじゃない?

「…な、なるほど」

「とりあえず、楽器が無いと何も始まらないしな。
 それじゃ、ライブに向けて、楽器探すぞーっ!」

「おーっ!!」



そして、楽器探しの旅が始まった。




「よし。まずは装備だ」

「唯ちゃんは、何が装備できるの?」

「職業によって、装備できる物が違うんだよな」

「唯、ステータス見てみろ!」

「うん!」



ゆい
しょくぎょう:あそびにん せいかく:のんきもの
せいべつ:おんな レベル:1
ちから:7 すばやさ:6 たいりょく:8 かしこさ:8 うんのよさ:14
さいだいHP:10 さいだいMP:9








「あ、遊び人……」

「?」

「しかも、のんきものに諭されるなんて……」






軽音部の廃部まで、あと16日。


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